新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.411 N新聞の販売上の特殊性、メリット、デメリット等を教えてください
投稿者 マスオさん N紙拡張員希望者 投稿日時 2007.5.28 PM 9:35
「新聞拡張員ゲンさんの嘆き」を大変興味深く拝見させて頂きました。ありがとうございました。
実は私、N新聞社の拡張の仕事を始めようと考えている者です。
このHPを拝見しながら、今後の自分のやる仕事として興味や不安を抱えながら拝見させて頂きました。
N新聞の主なターゲット先は、個人よりも法人との事でして、拡材等は一切使わず、販売方法も一般紙とは異なるらしいのですが・・・
ある意味一般紙であれば、HP記載内容がこれからの仕事として読み取る事も出来るのですが、N新聞での営業でしたら、どのような事が想定されるのか尋ねたくて、知りたくてメールしてみました。
そこで、宜しければN新聞の販売上の特殊性、メリット、デメリット等を教えて頂けませんでしょうか。
些細な事でも結構ですので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
回答者 ゲン
N新聞の勧誘というのは、確かに他の一般紙と比べれば、かなり異なる部分もある。
特に、勧誘先が法人主体ということであれば、よけいそう感じられるのも無理はない。
良く誤解されやすいことに、他の一般紙は、個人宅ばかりを営業しとるように思われがちやが、このN新聞と同じように企業相手の勧誘もしとる。
当然、ワシも企業相手の営業経験もある。
その経験から言うて、相手が企業であっても、個人であっても営業の基本的な考え方にはそれほど大差ないと思う。
個人客相手しか知らず、しかも、拡材やサービスのみで勧誘しとる人間には、そのことが分かりにくいかも知れんがな。
このサイトの開設当初、『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』の『第1章 新聞営業の基本的な考え方 人間関係構築編』をアップして間もない頃やったが、あるN新聞販売店の経営者の方が、それをすべてプリントアウトして勉強されているというメールを頂いたことがあった。
その営業の考え方が、かなり参考になるとのことやった。
その中に『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第2章 新聞営業の実践についての考え方 拡張パターン編 その5 会社関係についての考え方』というのがある。あんたにとっての営業のヒントが、そこにあると思う。
また、『NO.115 官公庁への新聞営業について』では現役のN新聞の拡張員さんの話もあるので参考になるのやないかな。
『N新聞の販売上の特殊性』というのは、経済専門紙ということに尽きると思う。
経済というのは、多くの人の関心事であると同時に、社会人なら一通り勉強しとかなあかん分野でもある。
企業人として出世するにしても、独立して起業するにしても、経済のことを良う知らんというのでは、成功するにはほど遠いさかいな。
N新聞には、その経済の日々の動向が掲載されており、情報価値も高いと一般に評価されとる。
新聞を購読することで、最もステータスを感じとるのが、この新聞やと思う。全国紙は全体的に読者離れというのが進行しとるが、このN新聞だけは例外や。
「ニュースはインターネットで見るからいらん」という人間でも、このN新聞だけは、購読しとる者がいとるということでも、それが分かる。
そういう意味では、他紙と一線を画した新聞やと言える。
多くの一般紙は、その差別化があまりできとらんと一般から思われとる。俗に言う、金太郎飴記事というやつや。
哀しいけど、それに対する反論をワシは持っとらん。
実際には、新聞各紙、それなりに主義主張も論点も微妙に違うのやが、一般の人にとって、分かりにくいものでしかない。
メリットは、その特徴をアピールすれば、比較的売り込みやすい新聞ということや。
法人相手の営業ということのようやが、その企業にとっての経済情報の必要性を説ければ何とかなるのやないかな。その分、勉強も必要になるやろうがな。
一般紙を売り込むには、それほど、商品知識というのは、あまり必要とせん。一般紙がどんなものかくらいは、たいていの人間なら分かっとるからな。
「A紙はY紙と違って……」と話しても「似たような記事にしか思わんけどな」という答が返ってくるのが関の山や。
せやから、それを言うても、ほとんどが徒労に終わる。ところが、このN新聞だけに限って言えば、その専門分野である経済の内容を話すと「なるほどな」となりやすい。
ワシら一般紙の拡張員は、胡散臭いと見られることが多いが、その意味でもN新聞の拡張員については、そういう偏見は少ないようや。
このサイトへも、唯一、勧誘についての苦情がないのが、このN新聞やさかいな。
まあ、それも当然で、企業相手の営業をするには、それなりの営業マナーをマスターしてへんかったら相手にもされんからな。
N新聞の拡張団では、その営業マナーについて、研修でかなり厳しく教育されると聞く。その意味では、それほど苦にすることもなく取り組めるはずや。
残念ながら、他の一般紙の拡張団では、そこまでする所は少ない。皆無やないがな。
N新聞の勧誘員には「兄ちゃん、新聞取ったれや」というアホな物言いをする人間はおらんはずや。
喝勧とか置き勧、ひっかけ、てんぷら(架空契約)などをする人間も考えられんし、できるような環境でもない。
必然的にクリーンなイメージが生まれる。この偏見が少ないというだけでも、営業する上において精神的にはかなり違うと思う。
デメリットとしては、単なる飛び込み営業だけでは結果が出にくいということが挙げられる。
まともな営業の成果を上げられるようになるのは、よほどその営業に向いた人間以外、時間がかかるもんや。それは、覚悟しといた方がええ。
企業相手には、コネというのが必要になる営業やと考える。これは何もN新聞に限らず、企業を勧誘する一般紙の拡張員にも言えることや。
コネがある人間の方が、どうしても企業相手の営業では有利になる。そして、このコネを一から作るには、当然ながら時間がかかるのはやむを得ないというのも分かると思う。
コネというと響きは、あまり良うないが要するに、その企業の決定権者とどれだけ懇意になれるかということや。
それには、人間関係を作ることがどうしても必要になる。人としてあんたを気に入って貰えんかったら、この営業は難しいという外はない。
そして、このコネの作り方は、人により千差万別や。こうすれば、絶対やというものは何もない。
そのことがあるから、前述のN新聞販売店の経営者の方も『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』の『第1章 新聞営業の基本的な考え方 人間関係構築編』が、N新聞の勧誘に適しておられると考えられたのやろうと思う。
あんたが、これはええなというものがあれば参考にして貰うたらええ。ただ、参考にするのなら、その考え方だけにすることやというのも言うとく。
ワシの場合、こうしたから成功したという話も中にはあるが、他人の成功話をそのまま応用しても難しいと思う。
あんたがワシになれるわけでもないし、その成功した相手が、その場にいとるわけでもないからな。
同じことを言うて、同じようにしても、それをする人間が違い、相手が変われば、その結果が、そのとおりになるという保証はどこにもない。営業とは、そんなもんや。
ただ、これはという考え方を自分のものにすれば、自分なりの応用、創意工夫ができると思う。人から学ぶということは、そういうことやないやろうか。真似することとは違うはずや。
取りあえず、いろいろ不安もあるとは思うが、やる限りは頑張ってほしい。
そして、何かで行き詰まる、あるいはトラブルのようなものでもあれば、いつでも相談に乗るさかい、遠慮なく言うてくれたらええ。