新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.42  契約破棄・無効について


投稿者 タクさん 学生 19歳  投稿日時 2004.11.16.AM3:58


はじめまして。血の通った有用な情報をありがとうございます。わたしは19歳の学生なのですが、ここで相談されている数人の方と同様に販売店との契約でもめてしまいました。

集金者と販売の地区担当者との対話の論点は、中途契約解除ができるかどうか、拡張員との口約束(無料でいいからというもの)を販売店との契約に介添させられるか、だったのですが今回貴サイトを拝見させていただいて、やはり金銭的な負担も無視できないため出来れば契約の破棄にもっていきたいと考えます。

そこで質問なのですが、三ヶ月契約で一ヶ月を過ぎた段階でもし契約を破棄できた場合、それまでにとった新聞の代金は支払うべきなのでしょうか? 

今回の問題の責任は不用意に契約したわたしにも多分にあるわけで重々反省していますので、どうか回答よろしくおねがいします。


回答者 ゲン


拡張員の「無料でいいから」と言う口車に乗って契約する人が後を立たんな。典型的な後爆というやつで、結果的にこういう具合に揉めることが多い。

販売店としたら、拡張員の言うたことは知らんから金を払えという姿勢のようやな。今回の相談はすでに揉めてしまっているということやから、そのつもりで対処法を教える。

まず、契約破棄が出来る正当な理由を販売店に伝える。

あんたは騙されたと思うてるから、これは詐欺行為やと言いたいやろうけど、それは当の拡張員に対して言えることで、販売店に対しては難しいと思う。

確かに、法律上は口約束でも契約は成立するが、それはあくまでも当事者間に限定される。今回渡された契約書を見たら分かるが、そこに購読料を無料にすると書いてあるやろうか。

おそらくないはずや。それに、販売店側の言い分としては、契約後、確認の電話をあんたにしてると言うてるやろ。「3ヶ月のご契約ありがとうございます」てな。

その時、あんたは「分かりました」と答えとるのと違うかな。例え、それが拡張員がそう言うといてくれと話したから、そう答えたと言うても、その拡張員がそのことを認めんかったらどうもならん。

はっきり言うけど「無料でええから」と、それまで何の面識もない人間に平気で、そう言うような拡張員は、そのことを問い詰められても「そんなことを言うた覚えはない」としらを切るのが普通や。

言うた言わんの水掛け論になる。こんな場合、消費者契約法での契約解除は難しい。日本の法律は、主張する側がその事実を証明せんとあかんからな。

せやから、今回の場合、あんたが思うてる詐欺的行為を主張しての契約解除をするというのは、止めといた方がええやろ。今、揉めとるのも、論点がそれやからと思う。

今回、正当な理由として言えるのは、あんたが未成年、19歳であると言うことや。

これは民法4条の規定『未成年者の契約には保護者の同意が必要』ということで、親御さんから、その販売店に連絡を入れて貰うたらええ。

今回の契約には親の私は預かり知らんことやと。

これは法律やから、従わざるを得ん。もし、販売所がそんなことは納得出来んと言えば「どうぞ訴えて下さい」と開き直れるし100パーセントあんたの勝ちや。

せやけど、それやったらわだかまりが残るし、問題が尾を引いて長引くかも知れん。

こんな場合の、法律を超えた賢いトラブルの解決法を教える。

そこで、あんたの質問にもある「三ヶ月契約で一ヶ月を過ぎた段階でもし契約を破棄できた場合、それまでにとった新聞の代金は支払うべきなのでしょうか?」ということやけど、払うように話した方がええ。

あんたは騙されたと思うてるやろから、何でや、と考えるかも知れんけど、実際にその新聞を受け取っていたのは事実や。新聞がただやないということは誰でも分かる。

あんたも自分の落ち度を認めとるようやから、社会勉強の授業料くらいに考えたらええのと違うかな。

但し、全額は払う必要はない。ここが解決法やが、その1ヶ月分の半額で手を打つように販売所に申し入れるんや。

トラブル解決法の秘訣があるとすれば、自分の利ばかりを通さず、相手も自分も損をするという姿勢で交渉することや。

今回の場合、冷静に考えて販売店側に落ち度は少ないと思われる。契約後にあんたに確認の電話をしてるのなら尚更にな。

販売店もその拡張員に騙されて、拡張料を取られとる被害者やと考えれば、ある程度、納得もいくやろ。もっとも、そんな拡張員を使うたということで言えば、その販売店にも落ち度はあるんやがな。

大抵の販売所は、その申し入れに分かりましたと言うはずや。それで、上手く行けば、ついでに、あんたの所を拡禁にして貰うように話しといたらええ。大概はOKや。

これから2度と、その店からの拡張員は来んやろから、一石二鳥やと思うんやがどうやろ。もっとも、どうするかは、あんた次第や。

ワシの経験から言うんやが、トラブルの賢い解決法は、立場・法律などで絶対優位な状況が作れたら、一歩退いて交渉することや。相手が悪くても一方的に追い込んだらあかん。

例え、相手を一方的に追い込んでその場は勝てたとしても、それは本当の勝ちにはならん。他のことで、その相手に何時、足下をすくわれるか分からんからな。

相手にも、利を与え表面上は痛み分けを装うことや。それが本当の勝利やとワシはいつも思うとる。

あんたは、メールの文面から、かなりしっかりした人のようやから、この交渉はあんた一人でも出来るやろけど、可能なら、親御さんか誰か信頼出来る大人の人と一緒に、販売店と交渉して貰うた方がええと思う。

特に、民法4条を楯としての交渉に、その当事者の未成年のあんたがするというのは、あんた自身も言いにくいやろからな。

最後に、その申し入れも拒み、あくまで、あんたの落ち度だけを追求するような販売店やったら、どうぞ裁判でも何でもしてくれ、と突っ張ねることや。こういう所とは交渉の余地はない。

まあ、そこまでする販売店はないとは思うが、絶対とは言えん。交渉に臨む場合、そういう最悪の場合も想定し、不退転の決意もしとかんとあかん。そういうことは、口に出さんでも相手に伝わるから、交渉も上手く行くはずや。

これからも人生いろんなトラブルに遭遇するやろうけど、これをええ教訓にするんやな。
「世の中、ただより高い物はない」と昔から言われとることやけど、身に染みたやろ。

当たり前過ぎるけど、世の中にうまい話なんかないよ。 


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