新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.420 拡張員という呼び名と、クーリング・オフの指定品目について
投稿者 J さん 新聞配達員 投稿日時 2007.6.19 AM 7:05
昨日、気になるニュースを目にしました。
■<3歳児虐待>男逮捕 妻の連れ子意識不明の重体
注目すべきは、犯人の職業の呼称です。
「新聞外交員」と書いてありますが、この言葉は、ネットで検索しても、ヒットする数が極端に少なかったです。
ということは、かなりマイナーな呼び方ということなのでしょう。Y新聞が、この呼び名を世間に広めたいからということで、あえて使っているようにも見受けられます。
実は、今朝の5:36頃だったのですが、Fテレビがこのニュースを報道していた際には、ナレーターは「新聞拡張員」と言っていました。
以前、ゲンさんの情報から、それは放送禁止用語であると聞いたことがあります。ということは、これは原稿の校正ミス(放送事故)にあたるのでしょうね。
次に、クーリングオフ対象商品の品目に制限が無くなるというニュースです。
■訪問販売すべてクーリングオフ対象に、特定商取引法改正へ
新聞は、もとよりその対象になっているので、今更、この措置が取られたからといって、騒ぐようなことではありませんが、ふと指定商品を改めて確認してみたくなりました。
■指定商品の記述があるサイトの例
新聞の項目が、「新聞紙(株式会社又は有限会社の発行するものに限る。)」となっているのを、私は今まで知りませんでした。
この会社形態を注釈に入れた背景には、どんな意味があるか、ご存じですか?
そういえば、大手の新聞各社は、それぞれ、トップのポストが「社主」となっており、みかけは株式会社でもなく有限会社でもないようです。
しかし、クーリングオフの対象となっているのは、自主的な規制なのでしょうか?
回答者 ゲン
『「新聞外交員」と書いてありますが……Y新聞が、この呼び名を世間に広めたいからということで、あえて使っているようにも見受けられます』
ということやが、それは少し違うように思う。第一、世間に知らせたいのなら、まず販売店や拡張団にそう通達するはずや。
「拡張員」を「セールス・スタッフ」と言い換えるように指示したようにな。それがないというのは、新聞社の意向でも何でもないと思う。
これは単に、この記事の担当記者とその直属の上司であるデスクの判断やないのかな。それほど深い意味を込めて書いたものやないという気がする。
ただ、現在は「セールス・スタッフ」というのが、新聞の勧誘員として、一般に浸透しつつあると彼らが錯覚したために、その評判を回避する思惑が働いたと考えられんことでもないがな。
「外交員」というのは、一般では保険外交員のことを指して言うことが多い。訪問販売の勧誘員としては最大の約40万人もの人員を擁しとるから、その呼び名の中では、もっともポピュラーなものとされとる。
「拡張員」は、放送禁止用語やから使うわけにもいかず、「セールス・スタッフ」も先のような理由で使いにくいとすれば、頭に浮かぶのは「外交員」だけということのやなかったのかな。
これなら、誰もが、一応、勧誘員のことを指しとるのは分かるさかいな。単純に、それで良しということなのやろうと思う。
ワシが深くは考えてないという所以や。
もっとも、その確かなことは書いた本人とそれを許可した人間しか分からんやろうがな。
ただ、あんたのように、その表現に違和感を持つ人にとっては、奇異な言い回しに映るわな。これを見られた多くの方も、そう感じられたのやないのかと思う。
調べた限り、過去の拡張員が引き起こした事件の新聞記事にも、こういう表現はなかったから、よけいそう感じる。
つまり、そうすることにより思惑とは逆効果になる可能性があるということになる。ヘタをすると保険業界からもクレームがあるかも知れんさかいな。
あまり、感心した記述やないのは確かや。
ここは、やはり、オーソドックスに「セールス・スタッフ」か「新聞セールス」という表記にしとくべきやったと、ワシは思う。
そうすれば、さらっと、流されてた確率は高い。少なくとも、このQ&Aに取り上げて話題になることはなかったはずや。
『実は、今朝の5:36頃だったのですが、Fテレビがこのニュースを報道していた際には、ナレーターは「新聞拡張員」と言っていました。
以前、ゲンさんの情報から、それは放送禁止用語であると聞いたことがあります。ということは、これは原稿の校正ミス(放送事故)にあたるのでしょうね』
普通に考えたらそういうことになる。『放送禁止用語一覧』 というサイトに「拡張員」という言葉が指定されとるとあるからな。
ただ、これは、あくまでも放送業界の自主規制やから、例え、テレビでそう報道しても、新聞業界以外からは、それほどクレームを受けるものやないとは思う。
そのクレームも身内みたいなもんやから、あっても公になることもないはずや。
もっとも、その放送関係者が、その放送禁止用語を知らずに放送したという事実は、その程度を疑われても仕方ないとは思うがな。
まあ、裏を返せば、それだけ「拡張員」という言葉は、まだまだ根強いということなのやないかな。
新聞業界で消したいと思うてても、その身内であるテレビ局が、例えはずみにせよ、つい放送するほどにな。
『大手の新聞各社は、それぞれ、トップのポストが「社主」となっており、みかけは株式会社でもなく有限会社でもないようです』
というように、あんたのような誤解をされておられる方は結構多いが、一般紙と呼ばれる全国紙、ブロック紙、地方紙のほとんどは、商法上、株式会社ということになっとるというのは知っといてほしい。
A紙も正式には、株式会社A新聞社という。同じ全国紙のM紙、S紙、N紙もすべて同じや。
ただ、Y紙だけは若干違う。Y紙は、2002年7月1日付で、それぞれ本社が三つに別れて、株式会社Y新聞東京本社、株式会社Y新聞大阪本社、株式会社Y新聞西部本社ということになっとる。
例外として、地方紙のO紙のように、株式会社O新聞となっとるが、2006年4月30日までは、有限会社O新聞となってた所もある。
因みに、これも、2006年5月1日からの会社法施行により、有限会社から株式会社に変更したということのようや。
つまり、それ以前は、一般紙は、すべて株式会社、有限会社のいずれかやったわけや。
せやから、特定商取引法の指定品目である新聞の項目に、「新聞紙(株式会社又は有限会社の発行するものに限る。)」となっとるのは、一般紙すべてやと考えてええ。
加えて、それ以外の業界紙、専門紙と呼ばれとるものでも、株式会社、有限会社形態の新聞社はその範疇に加えたということやろうと思う。
逆に言えば、それ以外はこの法律には関係ないということになる。これにより、会社組織でない政党機関誌などは除外されるわけや。せやから、どうやということもないがな。
余談やが、こういう機関誌を取ることになってもクーリング・オフはできんということになる。
まあ、新聞の名称は、こうやないと名付けたらあかんという規定が特別にあるもんでもないから、そう名乗るのは自由や。
極端な話、学校新聞も新聞なら、町内の壁新聞も新聞ということになるさかいな。
ただ、いくら新聞と称しとるというても何でも法律で縛るというのも無理があるから、一定の線引きという意味で「株式会社又は有限会社の発行するものに限る」ということになっとるわけや。
あんたのように、「みかけは株式会社でもなく有限会社でもないようです」と誤解される原因は、その株式新聞社の多くが、非上場になっとるからやと思う。
株式公開されていないから、その経営の実態もあまり世間に知られてないということでな。
さらに、新聞社の多くは、○○新聞という通称を一般化させとるというのも勘違いさせる大きな要因になっとると思う。
新聞紙面はもちろん、テレビ、雑誌などのあらゆる媒体に、株式会社○○新聞とは掲載されとらんからな。インターネットでも例外やない。
その株式会社の名称を意図して呼称してないと思われる節もある。一般紙で、その呼称を新聞紙面、WEB上でしとる所はないからな。少なくともワシは知らん。
ただ、それがどうしてなのかというのは、ワシにも良う分からんがな。
普通、株式会社と呼称するのは、その信用性を強調したいというのがあると思うのやが、新聞には、今更、そんな必要性はないということなのやろうか。
単に○○新聞というだけで誰にでも、それと分かるわけやから、それで十分と言えば十分やしな。
いずれにしても、これであんたの疑問も解けたのやないかな。