新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.423 団長の退職金について


投稿者 かずっちさん  投稿日時 2007.7. 2 PM 6:38


いつも楽しく拝見しております。
といいますのも、私自身、まったく知らない業界ではないからです。

じつは私の妻の実家がセールス団を経営しておりまして、今の職に就く前(約10年前になります)、1年間ほどお世話になっていた次第です。

ほんの少しだけ内情を知っている者として、他の読者の皆さんより楽しく拝見できていると思っています。

さて、質問させていただきたいのは、団長という職(?)の退職金のことです。

義母(妻の母)は、2000〜3000万円くらいはあると信じている(周囲から言い聞かされている)ようで、どうやらそれを充てに(老後を含めた)人生計画を企てている様子なのです。

私や私の妻が「たとえ○○新聞を名乗っていても、結局のところ個人事業なのだから期待できないのでは」「いつどうなるか分からない仕事なので少しでも貯金したら」と言っても聞く耳を持たない状態です。

義母は15年ほど前にこの団長と再婚し、また私がお世話になっていた頃は、拡張員も30名以上は常に在籍し(名字を偽らないといけない人も含めて)活気づき、団長の羽振りもかなりよかったです。

そのとき、たしかに私も「○○団の団長は退職金で家を建てた」だの「退職金で他の事業を始めて成功している」だの、真偽も確かめないにもかかわらずによく耳にしました。

また周囲も無責任に、「あの団長だったら4000万円くらいはあるで」と勝手なことを母に吹き込む連中ばかりです。

そこでゲンさんに、実際のところどうなのか率直にお尋ねしようかと思いメールいたしました。

以下、その団について少し記します。

○○新聞の専属です。会社として登記などはしていません。 団として立ち上げてから20年になります。一時期、地域でいちばん大きな拡張団でした(人数もカード枚数も)。

この地域でも最近は何店舗も構えた販売店が増え、営業社員を多数抱えています。そのため特拡も減りました。
 
現在は事務所の維持費を捻出するので精一杯です。どこからかは分かりませんが借金もあるようです。

お教えいただければ助かります。
よろしくお願いいたします。


回答者 ゲン


拡張団の団長というのは、大きく別けて2種類の人間がいとる。自らが組織を作り経営者として団長になっとる場合と、別にオーナーがいてて雇われで団長をやってるケースや。

この業界、雇われ団長というのも結構多い。その詳しいことを知っとるわけやないが、たいていは、その成績に応じて給料も決められとると聞く。

その中には、退職金の取り決めをしとる場合も考えられる。もし、そうなら、退職金が支払われることもあるやろと思う。

しかし、あんたの話を聞く限り、その団長は経営者やと思われるから、それとは違うようや。

ただ、その場合でも、団次第では、高額の退職金を貰うというのもあり得る。

一般の会社でも、社長が退任する場合は、それ相当の退職金が出るからな。ただ、その場合は、あくまでもその組織内で出せる額に止まるがな。

つまり、その団が儲けて金も残しとるような場合やと、かなり高額の退職金を貰い、次の経営者に引き継ぐというのは考えられる。

『現在は事務所の維持費を捻出するので精一杯です。どこからかは分かりませんが借金もあるようです』と、あんたが言われるとおりで、その経営も苦しいというのなら、そんな退職金どころやないやろうとは思う。

当たり前やが、その団にその余力がないのに、そんな金が出ることはないわな。

その退職金の出所が、その団以外の組織、例えば新聞社あたりから出るもんやと考えとるのなら、それはないと思う。

新聞社と拡張団は、業務取引契約書1枚でつながっとるだけの関係や。

そこには、業務の成功報酬以外の支払いはされんはずやからな。

しかも、その支払いも新聞社直接やなく、販売店を経由される。表向きは、営業に入った販売店から貰う仕組みになっとるさかいな。

当然、その業務取引契約書には、団長の退職金に言及した項目もない。裏取引があるというのなら、ワシには分からんがな。

ただ、その団長が引退する場合、まったくその見返りがないのかと言えば、あながちそうとも言えんというのはある。

通常、団を結成するには、相当に厳しい難関がある。なりたいと言うてすぐなれるもんやない。

その難しさは『NO.182 拡張団を作りたいのですが、手続きなどどのようにすれば良いのでしょうか?』 を見て貰うたら良う分かると思う。

現在でも、拡張団の経営をしたいと考えとる人間もいとるはずや。その人間に、その団の権利と組織を売るということも考えられんことやない。

新聞社の方も、その団長の推薦があれば、同じ組織の継続として認める確率は高いと思うしな。

その売買価格が折り合えば、それで現在の団長は、それなりの金を手にすることも可能やということになる。それを、「退職金」と思えば、そうなるかも知れんな。

ただ、その団長の経営する団が、廃業することなく、そのときまで継続して、相応の金を出してもええという次の引き受け手が現れたらという条件つきやがな。

これが、数年前までなら、確実に引く手あまたやったやろうから、引退時に大金を手にするというのもあり得た話やが、昨今はどうかなという気がする。

はっきり言うて、ここ1、2年、拡張団の廃業も目立って増えとるさかいな。昔ほど、金になる業界やなくなってきとるのは確かや。

もっとも、地域によりまだまだという所も多いがな。その団長の活動地域は、全国的にはええ方の部類に入るやろうと思う。

ただ、その団長が辞める段になった場合、どの程度の売買価格になるのかというのは、何とも言えん。そのときにならな分からんというのが、正しい答やと思う。

最後に苦言を一つ。奥さんの実家のことで心配されるのは構わんが、あまり、立ち入らん方がええと思うよ。

何でもそうやが、聞く耳持たんという状態のときに何を言うても無駄や。

「結局のところ個人事業なのだから期待できないのでは」「いつどうなるか分からない仕事なので少しでも貯金したら」と言うても、おそらく、いらんお世話やと言われ反感を買うだけ損やと思うしな。

今のところ、静観しとくのが一番賢いのと違うかな。


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