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NO.433 詐欺罪になるのでしょうか?


投稿者 匿名希望さん  投稿日時 2007.7.31 PM 6:19


私は最近、20件近くの天ぷら(架空契約)を残して、販売店から逃げてきました。

20件とは言っても、全てが置き勘じゃなく、値引きや後爆、これから約の始まる物、後1ヶ月で終わる物など色々です。

当然の如く、それらが全てバレ、後を引き継いだ人間は怒り心頭の様です。

さて、お聞きしたいのは、これらは詐欺罪に当てはまるのでしょうか? 確かに、カード料は貰いましたが、天ぷらとは言え、自分で払った物もあるのですが。


回答者 ゲン


『これらは詐欺罪に当てはまるのでしょうか?』ということやけど、例え一件のてんぷら(架空契約)であっても、罪としてはそうなる。

詐欺罪が成立する条件には、人を欺いて財物を交付させた者という規定がある。騙して金品を出させることや。

てんぷらにより『確かに、カード料は貰いました』ということなら、弁解の余地はない。

あるはずのない契約をでっち上げて、本来得ることのできんカード料をその販売店から騙し取っとるわけやからな。

立派に刑法第246条の詐欺罪が成立する。立件されれば10年以下の懲役刑に処せられるとある。

『天ぷらとは言え、自分で払った物もあるのですが』ということやが、その事情については、個別に判断され罪の軽減材料にはなるかも知れんが、詐欺罪そのものの消滅は考え辛い。

しかし、それはその販売店が警察に被害届を出して捕まった場合に限られる。

その総額にもよるが、『20件近くの天ぷら』という程度なら、販売店が従業員に支払うカード料は、2000円前後というのが一般的やから、被害額としては2万円前後ということになる。

販売店の経営者にもよるやろうが、その程度なら、警察に被害届けを出さんケースもある。

ただ、あんたが逃げたことによる被害が、他にもあれば事情も違うてくるがな。

たいてい逃げ出すというのは、そこでの借金が膨らんでという場合が多い。その場合、たいていの経営者は腹を立て収まりがつかんから、被害届けを出す可能性は高いと思う。

ワシの知る限り、そういうケースでは、あんたの言うてんぷら行為だけやなく、金を持ち逃げしたとして業務上横領行為も加え、実際以上の被害額を計上するというのもあった。

これは、少しでも警察を動かすためやと思う。いくら罪は罪やというても、タカが2万円程度の被害額で動く警察はおらんと考えるのが普通やからな。

逃げた者に罪を余分に被せるというのは、そう珍しいことやない。逃げるのなら、そこまで覚悟を決めてなあかんということや。

しかし、それでもよほどの高額でもない限り、被害届を受理して終わるがな。警察がそれだけで捜査することは考え辛い。

そうはいうても、最近はその被害届けもすべてパソコンのデータに入力されるから、あんたが何かで罪を犯して捕まった場合は、それが分かる可能性がある。それが例え交通違反程度の微罪であってもな。

あるいは、どこか他の新聞販売店に勤める場合も、完全な身元調査は無理にしても、警察に犯罪歴くらいは問い合わせる店主がおる可能性はある。

それで発覚するおそれは十分ある。

これは、2004年12月に起きた、奈良小1女児誘拐殺人事件から、より顕著になったことや。

ここの販売店の経営者は、この犯人を雇うてたというだけで廃業に追い込まれたというからな。

この事実は、新聞販売店経営者にとっては衝撃的やった。せやから、それ以降、自己防衛のためにもそうする販売店が増えとる。

また、警察もその先入観から、販売店の問い合わせには積極的に応じるケースが多いようや。

以前と比べると、新聞販売店に流れてくる犯罪者は格段に減ったとみてええと思う。すでにそういう環境の職種やなくなっとるわけや。

当メルマガの『第70回 ■くり返される悲劇!!広島小1女児殺害事件の現場では……』での中でも言うたことやが、この事件でも真っ先に疑われ調べられたのが、新聞販売店の従業員やったという事実があることからも、それが分かる。

ワシは、聖人君子やないから、あんたを責めるようなことを言うつもりはない。そんな資格もないし、柄でもないさかいな。

あんたにも、そうするにはするだけの事情があったのやろうと思うしな。

但し、そうした結果の責任は負う必要がある。また、あんたの行動で迷惑しとる人間がおるというのも忘れたらあかん。

さらに言えば、逃げたことに対して何かの理由をつけて正当化するのも良うないと思う。

これは、道徳的にあるいは善悪に照らしてというのやなく、純粋にあんたのためにならんと思うから言うてることや。

人は往々にして、自分のしたことには理由をつけて正当化したくなるもんや。しかし、それではあんたの人生はこれからも同じようなことが続くと思う。

人間というのは、したらあかんと分かり切ったことでも、それを正当化しだすと、本当にそれが正しいと考えるようになる。あるいは、それしか選択の余地はなかったと思い込む。

多くの犯罪者、落伍者は、それで道を誤り深みに嵌っとるわけやが、それに気づくこともなく、結局、行き着くところまで落ちて救いも消えることになるのやと考える。

あんたも、何かの縁があって、このサイトに辿り着いた人なわけやから、そういうことにはなってほしいない。

あんたがその販売店を逃げ出した理由は分からんが、それしか方法がなかったということはなかったはずや。どんなことにも必ず解決の道はあるさかいな。

本気でやり直そうと考えるのなら、自分の都合のええ解釈はせんことや。自分のしたことは真摯に認めて反省する必要がある。

そして、今は無理でも、いつか迷惑をかけた人に対して、償いをするんやという気持ちを忘れんことや。

それがあれば、あんた自身、必ず変わることができ、人生そのものを好転させるきっかけもつかめるはずや。

良く運が悪いとか、ついてないという者がおるが、その多くは、誰のせいでもない。自らの考え、生き方が引き寄せとるものやと思う。

いずれにしても、やったことに対するすべての責任は自分自身が負うしかない。それが人生というものやさかいな。


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