新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.436 契約書として有効なのでしょうか


投稿者 匿名希望さん  投稿日時 2007.8.08 PM 3:15


はじめまして、No434のQ&Aについて質問があります。

これを読みますと、「誰がその契約書の名前と住所を記入したかによって、違いが生じる」と有りますが、名前のみ本人が書いて、住所その他を販売員が書いた場合はどうなるのでしょうか?

契約書として有効なのでしょうか、無効なのでしょうか? 又、その理由も教えていただければ幸いです。

突然で申し訳ありませんが返答のほどよろしくお願いします。


回答者 ゲン


結論から言えば、名前のみでも本人が書いたのであれば、よほどの事情でもない限り、新聞購読契約書としては認められるはずや。

契約が無効やと主張するためには、その契約者本人が、「そんな契約は知らん覚えがない」と否定できるものやなかったらあかん。

そう考えると、その契約書に名前を書いたのが契約者本人やった場合、果たして「そんな契約は知らん」と言えるのかということになる。

普通は違うとは押し切れんと思う。まさか、その筆跡は他人のものやとまでは言えんやろうからな。

名前と住所を契約者に書いて貰うということが契約書の原則やが、その契約者自身が認めれば、その契約は生きたものになると考えてええ。

承諾の合致(合意)によって契約が成立すると、民法にもあるさかいな。

しかし、実際問題としてそんな契約書があるのやろうか。

状況的には、確かにその名前だけ契約者に書かせて、住所の欄を勧誘員が書くというのは考えられんことやない。

また、契約者本人が名前だけ書いて、後は勧誘員に任すというのもあるかも知れん。

せやけど、もし、そういうことがあって、そのままその契約を問題なしとしてスルーしていたら、その販売店はかなりルーズやと言うしかない。

少なくとも、ワシらの方では、まず考えられんことやさかいな。

販売店には監査というものがある。その日、勧誘員が取ってきた契約書に不備がないかどうか検査をする。

一般読者は、販売店と外部勧誘員である拡張員は、一連託生と思い込んどる人が多いようやが、実際は、お互いを信用していない、反目しとるというのが結構多いもんなんや。

せやから、その監査を徹底してやる販売店の方がはるかに多いわけや。たいていの販売店は、たちの悪い拡張員に泣かされて、えらい目に遭うとるさかいな。

販売店に限って言えば、拡張員に対して「性善説」で接することはないやろうと思う。

まず、その監査で、真っ先に見るのが、名前、住所欄の筆跡と勧誘員が必ず書く日付や担当者名、および条件や付帯事項に書かれとる筆跡や。

当たり前やが、それらは違うものやなかったらあかん。すべてが同じ筆跡やったら、間違いなく、てんぷら(架空契約)やと疑うから契約書として認めるというのは考え辛い。

今回のケースも似たようなもので、名前の部分だけ筆跡が違うというのは、普通の販売店なら疑いの目を向けるはずや。

きつい所やと、「客の所に行って書き直して貰って来い」と言うやろうな。

普通、客が納得して契約書に署名する場合は、名前と住所くらいは嫌がることなく書くさかいな。別々に書くという方が、むしろ少ないし不自然や。

よしんば、その契約書を認めたとしても、今度は、客にそのことを念押しするはずや。

監査で一番重要なことは、契約者に電話確認するということや。その際、必ずその署名欄の確認もするやろうと思う。

その時に契約者が「間違いありません」とでも言うてたら、その契約は正規なものとみなされる。

しかし、その監査での確認がなかったとしたら、かなりルーズな販売店になるということや。

それでも、住所の筆跡が違うだけでは契約書を無効にはできんやろうがな。

ただ、冒頭で『よほどの事情でもない限り』と言うたような場合は、話が違うてくる。

それが、契約書とは知らず、騙されて名前だけ書かされたようなケースか、あるいは脅迫されて書いた場合やと、その状況次第では無効を主張できる。

もっとも、その場合は、クーリング・オフを行使できるわけやから、契約書云々を問題にするまでもないわな。

一般論として、名前だけの署名でも、新聞購読契約の場合は有効となるはずや。

但し、それを認める販売店は少ないやろうがな。

業界の原則は、あくまでも「名前と住所は契約者が署名する」ことやさかいな。

それでも、今回のケースで契約書の不備を主張するには弱いし、それで納得する販売店も少ないやろうと思う。


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