新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.440 拡材の管理に関する質問です
投稿者 D.Nさん 関東在住 投稿日時 2007.8.18 PM 5:23
こんにちは、D.Nです。いつも楽しく拝読しています。
今回は拡材の管理に関する質問です。
最近私の地元(八王子)では、大量の拡材(米、洗剤、タオル、ラップ、調味料、酒類など)を積んだバイクが、個別に届けているのを見かけます。異常なほどバイクに積み込んでいるし、新聞社のマークが入っているのですんごく目立ちます。
帰省してみたら神奈川でも見かけました。親に聞いてみると、今年度から契約してもその場で景品をもらえずに、あとで社員が届けているようです。
これは、拡張員には拡材を触らせず、販売店が一元管理しているということなのでしょうか?
景品を多く出すのを禁止させるための行為なのでしょうか?
他社を含め全国的にこういった方法を広げているのでしょうか?
私自身は六月で契約が切れてから勧誘にあってないので状況が良くわかりませんが、今後拡材目当ての購読はむずかしそうですね。
質問は以上です。よろしくおねがいします。
回答者 ゲン
『これは、拡張員には拡材を触らせず、販売店が一元管理しているということなのでしょうか?』
そういうことになる。
『契約してもその場で景品をもらえずに、あとで社員が届けているようです』
こういうのを業界で「後届け」と言う。そのままやな。
何でこんなことをするのかというと『景品を多く出すのを禁止させるための行為なのでしょうか?』というのもあるが、他にも理由がある。
このサイトで、しつこいくらい言うてるが、拡張員の中にも、ええ加減でずるい奴もおれば、正直な者もおる。
そのええ加減でずるい奴は、客へ渡す拡材をごまかす場合がある。こういうのは、ビール券や商品券といった金券に多かったことやが、景品でもそうする人間がおる。
例えば、1年契約で洗剤10ケース渡せと決められとるところを、8ケースしか渡さんというのが、それや。後の2ケースを懐に入れる。
また、てんぷら(架空契約)やと、当然、持って行く顧客がおらんわけやから、それも必然的に懐に入れる。
もっとも、洗剤なんかをごまかしたところでタカが知れてるがな。
そんなものの売り先もないやろうし、あっても二束三文で叩かれるから金にはならん。また、洗濯好きの拡張員が、くすねたという話も聞かんさかいそれも考え辛い。
そうしてストックした拡材は、やはり拡材として使うわけや。
皆が皆、提示した拡材で納得して契約するとは限らん。そんな場合、拡材を余分に渡すことで契約が取れるのなら、そうする拡張員は多い。
そのときの上乗せとして使うわけや。それがなかったら、拡張員の自腹で拡材を買ってそうすることも珍しいないさかいな。
しかし、そういうことを勝手にやられたら困るという販売店は多い。
そういうことをする拡張員は販売店に内緒でするわけや。当然、データとして記録には載らんことになる。
そうとは知らず、販売店の従業員がその客に止め押し(継続依頼)に行ったら、「契約時には、もっと多めにくれたで。くれんのやったら延長は止めや」と言われかねんわけや。
実際に、そういうケースは多い。そうなると、勧誘時に拡材の上限を決めとっても意味のないものになる。
拡張員は、その場で1本の契約が取れたらええわけや。一度、客になった人間が、また客になるとはあまり考えん。
それに対して、販売店は、その客に継続して貰わな意味がないと考える。
その考えの違いは大きい。拡張員が、販売店に信用されへんのは、そういうところにあると思う。
それで、販売店によれば、後届けで管理しようということになる。これなら、拡張員のごまかしはいくらか防げるさかいな。
ただ、完全に拡張員のごまかしをなくせるわけやない。拡張員も、そうなれば「販売店には内緒でこれをサービスしますので」と言うて隠れてそうする人間も現れる。
客にしても、貰えるものさえ貰えるのやったら、そんなことは関係ないわけや。黙ってといて得をするのなら、そうする者もおるからな。
まあ、それでも野放しにするよりかは、はるかにましやろうがな。
ただ、この後届けにはリスクもある。
拡材には「見せ」の要素が契約に大きく影響する。現金な人間というのは多いから、目の前に良さそうな景品を積まれると、つい、それほしさに契約することがあるわけや。
衝動買いするような人間にそういうのが多い。それが、話だけで後から持ってくるからと言うのでは、そういう客をなびかせるのは難しい。
その話自体が信用されんことも多いから、どうしても契約が取りにくくなる。昔からそうやったというのなら、いざ知らず、急にそうなったというのなら、よけいや。
拡張員にとって、後届けというのは、あまり歓迎したくないシステムということになる。
『他社を含め全国的にこういった方法を広げているのでしょうか?』
これは、あくまでも、その地域というだけのことやないかな。
金券廃止にしたところで、その触れを出しとるのは、今のところ関東地域のA紙とY紙だけのようやしな。
後届けというのは、全国的に見ても昔から採用しとる販売店は結構ある。何も今に始まったことやないで。
おそらく、その地域では拡張員の不法な勧誘行為が目に余るということで、そうする販売店が増えたのやないのかな。
その地域の販売店組織でそうしとるというのは考えられるが、全国的にというのはないはずや。そこまで、この業界は組織が統一されてはおらんさかいな。
『今後拡材目当ての購読はむずかしそうですね』というのは、あくまでもその販売店次第やと思う。
決まりや協定を優先するのなら、そうするやろうし、あんたからの契約がほしいと思えば、拡材やサービスもそれなりに出すかも知れん。何とも言えんな。
これに関して、ある拡張員の方から情報を頂いたので、それを紹介しとく。
投稿者 近所の新聞屋さん 投稿日時 2007.8.21 PM
1:52
自分たちが拡張に行く販売店にも後届けの店があります。
理由はゲンさんが答えたとおりなのですが、一点だけ補足をすれば、販売店は拡材を届けるついでに縛りをやる店もあります。
数としては2店舗ですが、縛りもやってきます。自分の所属している団は支店で取引のある販売店は60店舗くらいで、そのうちの2店舗です。ちなみに自分たちの拡張団の活動地域は東京の多摩地区がほとんどです。
『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』書籍販売開始