新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.46  新聞店の販売スタッフとして勤務するにあたり心構え等を教えて下さい


投稿者 けいさん 男性 投稿日時 2004.11.30 PM10:48


Y新聞の販売店スタッフとして働く事が決まった者ですが、勤務するにあたって心構え等、何かあれば教えていただきたくお願い致します。

掲示板を見ていると「Y新聞の専売員はすぐに離職する方が多い」みたいですが、本当なのでしょうか。

販売員スタッフは仕事全般に関して「かなり大変そう」な印象を持っています。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。


回答者 ゲン


ワシは知っての通り拡張員や。実際、専業としては働いたことはない。せやから、どこまで、アドバイス出来るか分からんけど、専拡、代配の経験があるから、ある程度の新聞販売店の内情は分かるつもりや。

また、通常の専業さんたちとは違うて、1店舗だけやなく、他の販売店の内情もそこそこ分かる立場にはある。その数も100店舗以上はある。

客観的という注釈がつくが、参考程度にはなると思う。ただ、販売店によってもいろいろやから、その辺は実際に勤務するようになって、その店の上司や先輩から聞いたらええ。

昔から、郷にいれば郷に従え、ということわざもある通り、各販売店によってそれぞれ独自のやり方というものがある。まずは、そこでのやり方を教えて貰い覚えることや。

それも、勤める販売所次第でかなりな違いが出る。仕事に厳しく、規律もある店ならちゃんとしたことを教えてくれるやろうけど、規律もなく一見、気楽そうな感じに見える所は後が大変や。こういう所では、まともな仕事を教えて貰うのは難しい。

それと、従業員の出入りの激しい販売店も、仕事を覚えるということでは難しい。そういう所はベテランが少ないやろうからな。

しかし、あんたの心構えならある程度乗り越えられるやろと思う。あんたは、事においての姿勢がええ。新しい仕事に対して前向きに勉強しようとしとる。

これは、出来そうでなかなか出来んことや。大抵は仕事をやり始めてから考える。特に、ワシら拡張員も含めて新聞販売店の従業員の多くは、安易に求人広告のみでこの世界に飛び込んで来るから、余計にそうなる。

計画性のある人間は、それだけで珍しいというのがこの業界や。他の世界では当たり前のことでも、この業界ではちょっとしたことが評価されることがある。

以上のようなことを踏まえた上で、ワシなりのアドバイスをするから、役に立つと思えるか出来ると考えられることだけでもええから、参考になればそうして欲しい。

まず、仕事に関してやけど、専業の仕事は、配達、集金、営業とあり、これが基本業務や。
個別に初心者向けの心構えとして説明する。

@配達について
紙受けと言うて、朝刊をトラックで運んで来るのを受け取るのも、専業の仕事や。時間は深夜1時〜3時の間。店によって時間はまちまちやが、毎日ほぼ同時刻に配達される。

新人の内は、この時間に遅れないこと。出来れば、先輩より5〜10分程度早く待つようにする。逆に5分でも遅かったら印象が全く違うものになる。

何でも最初が肝心で、やる気があるなと印象づけるのと、ルーズやなと印象づけるのとでは、えらい違いや。しかも、その境は僅か10分程度のことなんや。心しといた方がええ。

販売所の従業員の中には、いつも遅くて紙受けが終わってからしか起きて来ん先輩がおると、良うぼやいとる人間がおるが、もし、そういう人間がおっても放っておいたらええ。

ぼやいても、あんたが得をすることは何もない。それよりも、そういう人間がおればチャンスとばかり真面目に文句を言わず仕事をすることや。

心配せんでも、どんな世界でも見てるものは必ずおる。腐る必要はない。そこで、愚痴やぼやきを言うたら、ぶち壊しや。見てる人間かて、不平不満を並べる人間なんか相手にせんもんやからな。あんたが逆の立場でも分かるやろ。

ルーズでさぼる人間がおれば、自分が目立つくらいに思うてたらええ。おそらく、あんたがこれくらいは普通やろと考える程度が目立つ世界なんや。

配達区域は当然やが、なるべく早く覚えるようにする。そのためには、順路帳、業界で「あんちょこ」と言うんやが、それを覚えることや。

順路帳の見方が一通り分かったら、昼間の空いた時間に、空で回ってみることや。そうすれば、配達順路を覚えるのも早いと思う。その時、目印になるようなものをチェックしといたら尚ええ。

この時、配達区域の客、特に配達する家の客に出会ったら、軽くでええから会釈しとくことや。

これは、後で「営業について」で言うが、この癖をつけとると何かと得する。せやから、と言うて、何も声をかけんでもええ。客から、声をかけられたら別やがな。

配達時、特に朝は、客と出会したら必ず「おはようございます」と大きな声をかける。言われた方だけやなく、言うた方も気持ちええもんや。この癖は絶対つける。

客だけやなく、未配達の家の人間にでも挨拶しといて損はない。これも、さっきの会釈と同じで営業に役立つ。

A集金について
集金も大事な業務や。せやけど、この集金業務を嫌がる専業が多い。集金の時、客に嫌みを言われることが良くあるらしい。

しかし、これも考えようで、客の話を良う聞くことで、客とのコミュニケーションを図るつもりやと、それほど苦にもならんやろと思う。

客から嫌みや不都合があると言われた場合は、そのことを取り敢えず謝っておく。ここでその不都合は前任者が悪いなどと言い訳したらあかん。最初の内は、自分はまだ新米なんやから、そんな前のことを言われてもと思いがちやが、そんな考えは捨てた方がええ。

例え、そのミスが前任者の責任であっても言い訳をすれば、悪く見られるのはあんたや。客にとったら、あんたであろうが前任者であろうが同じ新聞の販売店なんやからな。言い訳は客の気分を害する。

せやから、そんな場合は、主任なり店長なりにそのことを伝えて、どう対処するか指示を仰げばええ。最初の内は、問題はなるべく上司に振っといた方が無難や。

客とのコミュニケーションはそのまま人間関係の構築になる。当然、専業の営業には役立つ。苦情も親身に聞けば、客からは必ず気に入られる。文句言われるのもええもんやと考えれば、苦にならんやろと思う。

金払いの悪い客や帰宅時間が遅かったり、留守がちな客がおって、集金が思うようにならんとぼやく人間も結構おる。

せやけど、そんな連中の話を聞いとると、そんな客やからしゃあないと言う。そういう客がおったら、そんな客を少なくすればええことやと思うんやがな。

集金しにくい客は銀行振り込みにして貰うとか、個別に客の都合を聞き、その客に会わせた集金日、集金時間を設定するようにしたらええ。ぼやく人間は大抵、自分のペースや都合で回っとる場合が多い。客側のことを考えんからそうなる。

まあ、確かに中にはどうしようもない客もおるがな。せやけど、今はあんたはそんな心配までせんでもええ。さっきも言うたように、難しい客は教えを乞うという姿勢で上司に振ることや。

B営業について
これが、ワシの一番得意分野やけど、ここで、全部それを説明することは無理やから、考え方だけや。

配達と集金のところで言うたように、日頃から客とのコミュニケーションをとるようにしといたら、それほど難しいことやない。

改めて営業だけで回ろうとすると、慣れん内は緊張してどうしても上手く行かん。専業の営業は止め押しと引っ越し客確保が主や。

止め押しは集金日に調整して話すとしやすいと思う。客は、改めての営業というのはどうしても構えてしまうから、初心者では厳しい。

日頃から何でもええから雑談が出来るようにコミュニケーションが取れとれば簡単や。客もそれほど嫌がることもないはずやと思う。

引っ越し客は、日頃から空き屋チェックをしとく。最初の内は、配達範囲の空き屋を手帳なんかに書き込むようにすることや。新築工事中の家もな。営業するときにそこを確認するようにする。

この空き屋チェックに限らず、手帳なんかに思いついたこと、その日の出来事など何でもええから、常に書き込む癖をつけることや。データ、情報が増えて損をすることはない。

正直言うて最初から、あまり詰め込み過ぎてもどうかと思うから、知識程度に知っておいて、自分がすぐにでも取り入れられると思うことだけをすればええと思う。

自慢やないが、このサイトをじっくり読んで内容を理解出来、やり方がマスター出来れば、営業員としたら、そこそこのレベルにはなれると思う。

それに、このサイトはこれからも当分、こういう内容が増えて進化すると思うから参考にするのなら、それなりに役立つはずや。

因みに、専業の営業で参考になりそうなのは「Q&A NO.5」と「拡張の手口 その1引っ越しを狙え」やと思う。他もあんたの取り入れ方次第やけどな。

ワシからの専業としての心構えとしたら、こんな所やな。

次に、掲示板を見ていると「Y新聞の専売員はすぐに離職する方が多い」と言うことやが、そういうことは一概には言えん。

もっとも、全くの的はずれとも言えんがな。それには、販売所の数という問題も影響しとると思う。Y新聞は日本一の部数を誇る新聞や。当然、販売店の数も多い。他と比べて離職数は多いとしても不思議やない。

拡張員の悪評も掲示板やとダントツのはずや。A新聞と双璧やな。A新聞もY新聞に肉薄する新聞や。数の多い所は、不良分子の数も多くなる。

100の1割は10やけど、1000の1割は100や。100は10の10倍問題があってイコールになる。数字的にはそうや。

ワシは他をあんまり批判するのは好きやないけど、この掲示板という所は、断定することが好きなようや。Y新聞やA新聞の拡張員や専業員は特別程度が悪いとな。

ハカセとワシがこのサイトを立ち上げたのは、どんな仕事であろうとええ人間もおれば悪い人間もおる。それを言いたかったためや。

せやから、ワシは悪い拡張員がおることは否定せんし、ええ拡張員かていてることもアピールしとるつもりや。それが人間の社会やと思うとる。

ちょっと、話が飛んでしもうたな。つまり、ワシが言いたいのは、Y新聞だけが特別やないということや。

離職率が高いというのは、あくまでもその販売所次第や。販売所によってかなり開きがある。せやけど、世間一般から比較すると、この新聞業界は離職率が高いというのは事実や。

理由はいろいろある。仕事がハード、休みが少ない、拘束時間が長いとな。つまり、この仕事は楽の出来る仕事やないということや。

しかし、何でも物は考えようで、離職率が高いということは、そこで頑張れば比較的短期間に認められることもあるということや。

販売店で3年もおれば、中堅、ベテランや。主任クラスも珍しくないし、ちょっと出来る者は店長かていてる。

実際、拡張員でうだつが上がらず、販売所に身売りされた人間がその3年で店長にまでなった奴もおるからな。他の業界では考えられんことや。

せやから、皆が嫌がるからと言うて、何も悪いことばかりやないということや。あんたの頑張り次第やということにつきる。

ワシとしては、健闘を期待するとしか言えん。そして、いつの日か、ここまで頑張ったという知らせがあんたから聞きたいもんやなと思う。


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