新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.463 他の人も団に借金があるのですか
投稿者 y.w さん 現役拡張員 投稿日時 2007.9.26 PM 2:53
会社に借があり、やめる条件として全て精算ということでやめられないのですが……。
他の団の人達もほとんど会社から借入れがあるもんなんですか?
回答者 ゲン
この業界では、昔から借金で人を縛るということが多かった。
人は借金をすると、負い目を感じてしまい、あまり逆らうということがなくなる。その心理を利用するためにも比較的簡単に借金させてきた。
団としてはリスクもあるが掌握しやすい分、メリットの方が大きく都合が良かったわけや。
雇う側としても当然のように、「借金を完済することが辞める条件」と言うことになる。
しかし、それは、ただ言うてるだけのことで、辞めると言う者を実力で阻止することは法的にも無理や。
当然やが、そうするために脅かしたり暴力を振るったりしたら、それ自体が犯罪になる。
あんたが、その団とどういう形態で仕事しとるのかにもよるが、会社員として団と労働契約を結んどるのなら、労働基準法の5条および117条の強制労働の禁止条項に違反する。
1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金という規定がある。軽い罪やない。
フルコミ制で、個人事業者として団と業務取引契約書を結んどるのなら、その解除は、どちらか一方だけの意志でできる。
その際、借金はあくまで借金やから、その返済はする必要があるのは確かやが、業務契約と借金は切り離さなあかん。それを理由に、業務契約の解除を阻止することはできんわけや。
例え、それらの契約書に「借金を完済することが辞める条件」の一文が入っていたとしても認められることはまずない。まあ、今日び、そんな契約書もないやろうけどな。
つまり、仕事を続けるか辞めるかについては、あくまでもその人間次第ということや。
ただ、現実には、団の仕打ちに怯えて、借金を返済せな辞められんと考えとる団員は多いがな。実際、追い込みのきつい団も存在するからな。
しかし、数は少ないが、借金がありながら堂々と辞めた者もおる。
たいていは、親兄弟、親戚縁者が借金の保証人になって、その返済方法で合意した場合や。
また、弁護士などが介入する場合も、比較的簡単に話はつく。
弁護士に依頼すると、その弁護士費用が出んと言われるかも知れんが、あながちそうでもない。
団への借金の内容にもよるが、この業界では、当たり前としてまかり通っているものが、法律に照らせば、借金とは認められんというものも結構ある。
詳しくはQ&Aに『NO.449 裁判にすべきでしょうか?』 というのがあるから、それを見て貰うたら分かるはずや。
その相談に対して、ワシは弁護士を入れて対応した方がええとアドバイスした。
その部分を抜粋する。
『不良カードとか赤字計上とか販売店謝罪費用など』というのは、この業界としては自然な請求やが、一般社会通念上、あるいは法律に照らしてとなると、かなり疑問符のつくことやさかいな。
『不良カード』というのは、結果的に客が購読せんかったという理由で無効になった契約のことや。販売店から買い取ることはできんと突き返されたものを通常そう呼ぶ。
その責任が、確実にお兄さんにあると実証され、それに対して団がすでに支払い済みの拡張料の返還だけを請求しとるというのなら、それなりに筋は通る。
しかし、たいていはそれに対してペナルティが上乗せされとる場合が多い。そのペナルティが正当なものかどうかという判断が必要になる。
このペナルティというのは、見せしめ的要素の強いものやから、拡張団の中には、かなり高額に設定されとる場合があるということや。
普通、それらは一括請求という形になっていて、その不良カード一枚一枚の請求理由というのは添付されとらんはずや。
弁護士なら、それの添付を要請できる。当たり前やが、それがなかったら、その請求が正しいかどうかの判断すらできんさかいな。
これは、あくまでもワシの憶測やが、中にはええ加減なものも含まれとるのやないかと思うで。少なくとも、弁護士ならそれを念頭に対処するはずや。
『赤字計上』についても、同じようなことが言える。これも、一括請求やと思うがその明細の提出も必要や。
たいていは、拡張員個人の借金というのが多いが、その借金については、借用書もしくは、お兄さんがそれと認めた証拠が必要になる。
それが、なければ、でっち上げやと突っぱねることも可能や。もっとも、そんなことは弁護士なら百も承知されておられるやろうけどな。
『販売店謝罪費用』というのは、いかにも拡張団らしい発想やが、法的には払う必要はないのやないかと思う。
通常、拡張員が入店して営業行為をする場合、その販売店の社員証というのを携帯する決まりになっとる。
つまり、一時的には、そこの社員、従業員扱いとしてその販売店の営業エリア内で仕事をするわけや。
業者は、正当な業務においてその支配下使用人の行為によって引き起こされた不利益についての負担分を、その当人に請求できんことになっとるはずや。
会社が社員に「お前のおかげで契約を取り損なって1億円の損害を受けたからその弁償をしろ」と言うても認められんのと同じ理屈になる。
つまり、その額が高額であればあるほど、支払わんでもええ金も多い可能性があるということで、そこから弁護士費用が浮くことも考えられるわけや。
また、その弁護士費用も、弁護士によれば分割払いOKというのもあるし、例え裁判に発展したとしても、勝てる見込みがあれば、民事法律扶助制度などを利用して立て替えて貰うということもできる。
その方法もあると知っていれば、身内などに助けを求める場合、負担も軽くなるから、いくらか気も楽になるはずや。
もっとも、働いて借金を完済するのが一番すっきり辞められるやろうから、それが正道やとは思うがな。
ただ、いくら働いても借金の完済どころか膨らむ一方やと一考の余地はあると考える。
『他の団の人達もほとんど会社から借入れがあるもんなんですか?』というのは、借金しとる者もおるし、してない者もおるから何とも言えん。その人間次第や。
しかし、そういう質問をするところをみると、あんたの所では、そういう人が多いようやな。
確かに、一昔前まではそういう人間の方が圧倒的に多かった。また、イメージとしてもそういうのが強い業界や。
しかし、今は普通の営業会社並という団も多いから、そういう所やと会社への借金も他と比べて特別多いということでもないのやないかと思う。
それに、ここ最近は、どこの団でも昔ほど借金をさせるということが少なくなったと聞くしな。
このサイトに情報を寄せていただく拡張員の方々の話を聞く限りは、半々やな。
ワシの知る限り、昔ほど借金に縛られてとるから辞められんと考える人間は減っとるように思う。趣味とまでは言わんが、気楽な稼業と捉えとる者も結構おるさかいな。
それに、拡張員が借金しとるかどうかというのは、たいていの団ではマル秘扱いやから、その確かなデータは調べようもない。
せやから、あんたへの回答も「何とも言えん」ということになるわけや。悪いけど。
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