新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.466 このケースの場合はやっぱり無理でしょうか?


投稿者 A1さん  投稿日時 2007.10. 4 PM 9:41


平成17年3月19日に平成20年1月〜23年で 1年無料の4年契約の予約を迫られ『後で取り消しできるからとりあえずサインして』としつこくて、このままじゃ帰ってくれんと思ってサインしてしまったんです。

でも、そのことを忘れてしまってて今年の10月3日に『新年度からの契約ありがとうございます』という封書が送られて来て思い出しました。

今別の新聞を取っててそっちの契約が一度契約してから更新の連絡が一度もないので、どうなってるか分からないし、予約は取り消して欲しいと言ったら、『予約いただいてすぐ確認の電話をしたが、留守のようで連絡が取れなかったので手紙を送りました。販売員に成功報酬も支払ってるし取り消せない』と言われました。

手紙を送って連絡が無かったからといって今年になるまで何の連絡もしてこないというのは正当なのでしょうか?

手紙をもらった覚えなんかないけど、2年も前の事ではっきりしたことは分かりません。

忘れてた私も悪いし仕方ないかなと思って、今の新聞の契約の確認と、一応解約出来ないかどこかに相談をしてみようと思って『とりあえず色々調べてからお電話します』と言ったら『分かりました、クーリングオフも出来ませんし、消費者センターにでも相談されたらどうですか』と嫌味を言われ、絶対契約したくないと思いました。

でもこのケースの場合はやっぱり無理でしょうか?


回答者 ゲン


今回のケースは、その販売店の人間が『消費者センターにでも相談されたらどうですか』といらん嫌みを言うたこと以外は、それほど対応に問題はなさそうや。

『今年の10月3日に『新年度からの契約ありがとうございます』という封書が送られて来て』というのは、普通の対応やと思う。

『予約いただいてすぐ確認の電話をしたが、留守のようで連絡が取れなかったので手紙を送りました』というのも特別おかしなことでもない。

『手紙を送って連絡が無かったからといって今年になるまで何の連絡もしてこないというのは正当なのでしょうか?』

何をもって正当かというのは意見の分かれるところやと思うが、契約後すぐ確認の電話をするとか、封書を送るという行為は、法律でそうせなあかんと決められとるものやないというのは言うとく。

あくまで、その販売店に誠意があるかどうかの問題ということになる。

例え、契約直後の確認、あるいは配達開始の事前通知をしてなかったとしても、それでその販売店が責められる類のものやない。

まあ、普通はそうする販売店がほとんどやがな。その点で言えば、この販売店の対応は良心的でまともな方やと思う。

ここで苦言を一つ。あんたは盛んに「予約」ということを強調しておられるようやが、予約も立派な契約やということを認識しておいてほしい。

基本的には、その購読の意志を示し契約書に直筆で名前を記入した時点で契約が成立したことになる。

購読期日が先の日付やというのは、単なる契約の条件の一つにすぎんわけや。

もっとも、あんたと同じく購読期日の来ない契約は、本契約と違うという人も世の中には結構おられるがな。契約は購読日から開始されると思うとる。

契約が有効になるのは、契約書が作成されたときからや。せやからこそ、クーリング・オフの解除も、その契約日から8日間ということになっとるわけやしな。

また、勧誘員の中には、予約やからということで『後で取り消しできるからとりあえずサインして』とええ加減なことを言う人間もおるから、よけい惑わされるのやろうけどな。

きついようやが、法律はそれを知らなんだからと言うて、その行為が免除されることはまずない。知らん者が悪いとされてしまう。法律とはそういうもんやという認識を持ってほしいと思う。

良く今回のように『後で取り消しできるからとりあえずサインして』というのは、消費者契約法の「不実の告知」に該当するから契約解除は可能やという人がおられるが、現実問題として、その言葉を確かに勧誘員が言うたという証拠がない限り、それを主張して解約に持って行くのは難しいやろうと思う。

もちろん、それで争うことは可能やが、「相手が知らん」と言えば、それまでのことになりやすい。

極端な話、一方だけの主張が認められるとしたら、都合が悪くなれば、「こんなことを言うてたで」と勝手に主張すればええということにもなるさかいな。

そうなれば、この契約社会は崩壊する。せやから、裁判所も証拠のない一方的な主張を認めることはないはずや。

その販売店の人間の言うた『クーリングオフも出来ません』というのは、そのとおりでそれ以外では、急な引っ越しや明らかに不法な手段による契約やない限り、消費者からの一方的な契約解除はできんとされとるわけや。

裏を返せば、クーリング・オフの制度があること自体が、容易に契約解除ができんということを如実に物語っとることになる。

それなら、今回の契約は、どうしても解約できんのかと言うと、あながちそうでもない。

話し合いで解決する「合意解除」の道がある。

あんたのケースやと、ほとんどの法律家はそれを勧めるはずや。というか、それしか穏便に解約する道はないのやがな。

もっとも、あんたの場合は、正当な解約理由が見当たらんから、無条件での契約解除は無理や。どうしても、契約解除を望むのなら、それ相当のペナルティ覚悟やなかったら難しいと思う。

具体的には、「解約違約金を支払うから解約してほしい」と言うことになる。

その販売店の人間は『販売員に成功報酬も支払ってるし取り消せない』と言うたということやが、それなら、その分を支払えば契約解除できるという理屈になるわな。

その額については、その販売店と話し合うて決めるしかない。

その販売店の様子やと、断言はできんが、そう言えば、その額を提示すると思う。その提示された額で納得できれば、それで解約すればええし、納得できんかったら、できるまで話し合ったらええ。

それが、あんたの立場では一番ええ方法やと思う。

もっとも、そうするのが面倒なら、契約どおり購読するという選択肢もあるがな。

せやから、まずはそう言うて、相手の販売店の出方を見られたうえで決めたらええのやないかな。その結果次第で、また、ここに相談してくれたらええ。

こういうもめ事は、相手の出方次第で対応を変えなあかんさかい、あまり先走ったアドバイスをしても却って混乱するだけやと思うから、今回はここまでにしとく。


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