新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.471 新聞販売店では拡張が苦手な人は辞めさせられるのでしょうか? 


投稿者 もくれん さん  投稿日時 2007.10.14 AM 11:55


こんにちは。初めてメールします。

専業の道に進むことになった者です。新聞販売店についてネットで調べていたら、お二人のHPに出会いました。とても参考になり、貪るように拝読しています。

私は、小さな店の経営に失敗。貯えはほとんどありません。もう45歳を越えていて、職を探さねばならず苦労していました。

ハローワークでの求職の実態は中高年にはとても厳しいもので、各種資格や経験がないと特定業種以外はほぼ採用の可能性がないことを実感いたしました。

考えてみると、昔は「人生50年」といわれていたわけで、平均寿命が延びたとはいえ、出直しには厳しい年齢なのは当然のことだったわけですが・・・。

そんな中で、専業と呼ばれる仕事は(ネットで調べる限りあまり評判が良くない3K職場のようですが)中高年でも健康で普通の人で原付を運転できれば比較的受け入れてくれるわけで、中高年にはありがたい業種とも考えております。仕事がもらえるということがこんなにうれしいものと改めて知りました。

さて、メルマガを拝読して「背負い紙」のことを知り、「はて、専業の道でやっていけるのだろうか?」と不安がよぎります。

私の住んでいる地域は、いわゆる拡張員によるセールスが禁止されている地域のようです。

しかし、専業による新規顧客への拡張はあるといいます。ゲンさんがおっしゃるように、配達や集金は「作業」としての要素が高いと思いますので必要以上に心配していませんが、営業経験が少なく拡張だけは自信がありません。

こうした外部の拡張専門員の入らない地域の拡張についてご存知のことがありましたら教えてください。

新聞販売店では、(まるでダーウィンの自然淘汰の法則のごとく)拡張が苦手な人は辞めさせられるのでしょうか? 

また、新聞業界は人の出入りが激しいようですので、専業として長く働くための心得のようなものがありましたら教えてください。

特に店主(オーナー)に対して専業としてとるべきスタンスのようなものが知りたいのですが。生活してゆかねばなりませんから、やる気はあります。宜しくお願いいたします。


回答者 ゲン


『メルマガを拝読して「背負い紙」のことを知り、「はて、専業の道でやっていけるのだろうか?」と不安がよぎります』ということやが、確かにそういうことをしとる新聞販売店もある。

しかし、それは全体からすると少数やと思う。

メルマガ『第165回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■背負(しょ)い紙……その哀しき実態』での話は、あくまでも希有な販売店として紹介しとるにすぎん。ちなみに、これは関東の一部でのことや。

それ以外の地域で、背負い紙がないとは断言できんが、今のところ当サイトに寄せられる情報の中にはない。

ワシ自身も10年ほど前に数軒、そういうことをしとる販売店を知ってはいたが、今は話に聞くこともないさかいな。

ここで、そのメルマガを読んでない人のために「背負い紙」について、簡単に説明しとく。

この業界には「押し紙」「積み紙」というのがある。

押し紙とは、新聞社の販売目標に合わせて、専属の各新聞販売店に、その部数を強制的に買い取らせる行為のことをいう。

積み紙とは、その逆で、販売店が自ら望んで新聞社に余分な新聞を発注する行為のことや。

ただ、いずれもその背景にあるのは、新聞社の部数主義によるものやとされとる。立場の弱い販売店ほど、それを強要され、またはそうせざるを得ん立場に追い込まれとるという。

「背負い紙」というのは、販売店からその従業員に、さらに新聞を買い取らせる行為のことや。

世の中の仕組みすべてについて言えることやけど、理不尽なことというのは、常に、より立場の弱い者へ順繰りに押しつけられていくという現実がある。

新聞社から販売店へ。販売店からその従業員へ。そして、従業員の中でも、店長、主任クラスから一般従業員へと、より立場の弱い人間に、その負担がのしかかるという構図になっとるわけや。

多くは、あんたが自信のないという拡張のノルマの懲罰的要素やと思われる。

ただ、自らの意志でそうしとるというのは把握できんから何とも言えんが、販売店が主導してそういう風に仕向けとるというのは、今は少ないと思う。

それをするかせんかは、個人的な考え、判断によるものが多い。もちろん、そんなことをせん方がええのは言うまでもないことやけどな。

ただ、販売店に勤める上でその「背負い紙」のことが心配やったら、勧誘のノルマについて、その販売店の考え方というのを良く聞いておくというのも判断材料としてはええやろうと思う。

勧誘のノルマに異常にこだわるという販売店もあるからな。面接時でそれを強調しすぎるような所は要注意と考えといた方がええかも知れん。

『私の住んでいる地域は、いわゆる拡張員によるセールスが禁止されている地域のようです』というのは、どこから聞いた話なのかな。

ワシの知る限り、『拡張員によるセールスが禁止されている地域』というのは、少なくともこの日本には存在せんはずやがな。

新聞を勧誘するための訪問営業というのは、法的にも認められたちゃんとした仕事なわけや。それを禁止にすることは誰にもできんと思うで。法律を変えん限りな。

ただ、販売店により、拡張員を入れずに自店の従業員だけで勧誘しとるというのはある。

確かに拡禁(拡張禁止)と言うて、その販売店が独自に、個人や特定のアパート、マンションをそう指定しとる場合もある。

中には、○和と呼ばれる特定の地域を拡禁に指定しとる販売店もあるにはあるが、そんなのは公には言うてないはずや。そんなことが外部に知れたら大変やからな。

あるいは、合配店と言うて、すべての新聞を扱うとる販売店には、客を勧誘する必要がないから、拡張員がいらんというのもある。

それらの事情で拡張員が来ん、または入れんというのは考えられるが、それは、販売店独自の事情で、拡張員の勧誘が禁止になっとるからということではないはずや。

おそらく、何かの聞き違いやと思う。

『しかし、専業による新規顧客への拡張はあるといいます』ということからすると、拡張員を入れてない、または頼ってない販売店ということなのかも知れんな。

それなら分かる。

『こうした外部の拡張専門員の入らない地域の拡張についてご存知のことがありましたら教えてください』というのも、重複するが良う知らんとしか言えん。

ただ、拡張員であろうと店の従業員であろうと、その心構えは一緒やないとあかんと思う。

客にとっては、どっちであろうが勧誘されることには変わらんわけやしな。そこには、店の従業員やから、拡張員やからというのもあまり関係ないはずや。

勧誘の基本的なことは『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』 を見て貰うたらある程度、分かって頂けると思う。それを見て、実際に成果を上げたという人もおられるから、今のあんたの役に立つのやないかな。

『新聞販売店では、(まるでダーウィンの自然淘汰の法則のごとく)拡張が苦手な人は辞めさせられるのでしょうか?』というのは、よほどのことでもない限りないやろうと思う。

この業界は、定着率も悪く慢性的な人手不足に喘いどるから、少々、勧誘ができんくらいでクビになることは少ないはずや。

ただ、あまり酷いと、そのことを責められて、あんた自身が自らの手で「背負い紙」をするような羽目にならんとも限らんから、営業の勉強はしといた方がええやろうと思う。

それに、この業界は、やはり勧誘の成績がええ方が評価されやすいというのもあるしな。

あんたの慰めになるかどうかは分からんが、あんたと同じような年頃の人間が頑張って、3年で店長にまでなったという人間が実際にいとる。

その話は、メルマガの『第28回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■一枚のお助けカード』 および『第29回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■勝ち組、拡張員?』 にあるから、ぜひ見といてほしいと思う。

今のあんたの頑張ろうという力にもなるはずやさかいな。

『また、新聞業界は人の出入りが激しいようですので、専業として長く働くための心得のようなものがありましたら教えてください』というのは、あんたには、それはすでに必要ないと思うよ。

あんたは、ある程度、覚悟も決まっとるようやし、その長く勤めたいという気持ちがあるだけで十分や。

ただ、敢えて一言アドバイスするとしたら、常に向上心を忘れんようにするということだけやと思う。

どんな世界でも、苦労した者が報われると信じることや。人生こんな程度のものやと思えば、本当にこんなものにしかならんさかいな。

その人間の思いが人生そのものを決めると言うても過言やないとワシは思う。

『特に店主(オーナー)に対して専業としてとるべきスタンスのようなものが知りたいのですが』というのは、そのオーナーの人間性にもよるが、一般論で言うと、真面目に仕事をするということに尽きる。

これも、あんたは良う分かっておられるようやから、今更なアドバイスやろうがな。

ただ、このQ&Aに『NO.46  新聞店の販売スタッフとして勤務するにあたり心構え等を教えて下さい』 というのがあるから、参考にはなると思う。

まあ、今のあんたに言うてあげられるのは、こんなところやな。また、何か聞きたいことがあれば、いつでも遠慮せんとメールしてくれたらええさかいな。ほな、頑張って。


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