新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.473 新聞代が口座引き落としされていないのですが


投稿者 SUさん  投稿日時 2007.10.18 PM 11:02


初めてご相談させていただきます。

現在の住居へ引っ越して来て3年経ちます。

2年半前、A新聞社からB新聞を3ヶ月取りました。集金ではなく、口座振替契約を締結し、金融機関から毎月27日に口座自動引落を依頼しました。

その3ヶ月間は通帳から自動引落で払っていました。

4ヶ月目からそのB新聞を辞めて別のC新聞社のD新聞を同じA新聞社の販売店から新たに取ることにしました。

金額も若干違いますが、自動引落だったのでそれは新聞社の方で変更してもらえると思い何も連絡しませんでした。

しかし、当時、購読料は当然違うのに、販売店から「口座振替依頼書」が送られてくることはなく、3ヵ月後、再度、当初のA新聞社のB新聞を購読するようになり、現在も購読中です。

当然、こちらとしては自動引落されていると思い、気にもしなかったのですが、2年後に通帳を確認してみてビックリ。2年前に変更してからの新聞代が全く引き落とされてなかったのです。

どうしていいか分からなくなり、A新聞社の販売店ではなく、A新聞社の本店の方へ直接連絡しました(担当者の名前は控えています)。

その経緯を説明しましたところ「過去の分は販売店の不手際なので請求されない(過去にも同じような案件はあったが、購読者へ請求していない)新たに新聞の種類を変えるときに「口座振替依頼書」が送付されるはずであり、その時点で購読料金の変更手続きをしていない販売店の不手際であります」という説明を受けました。

この電話でのやり取りをそのまま販売店へ説明すれば、過去の分を全額支払わなくてもいいということになるのでしょうか?

当然、販売店の収益にも影響してきますので、本店の意見と販売店の意見はやはり異なるのでしょうか?

こちらの落ち度は全く無いということは言い切れませんので、何かいいアドバイスがあれば是非お力をお貸し下さい。


回答者 ゲン


『A新聞社の本店の方へ直接連絡しました』ということやが、これはあんたの話からすると、新聞社の相談受付係へ連絡されたということのようやな。

それにしても、あんたの話どおりやとすると、その相談受付担当者というのは実にええ加減な返事をしたということになる。

『その時点で購読料金の変更手続きをしていない販売店の不手際であります』という発言までは仕方ないとしても『過去の分は販売店の不手際なので請求されない』とまで言うのは、明らかに越権行為やし言い過ぎやと思う。

まあ、その相談受付係にしたら『過去にも同じような案件はあったが、購読者へ請求していない』という事案があったというのを強調したかったのかも知れんがな。

例え、そうであったとしても、新聞社と販売店は多くの場合、まったくの別会社ということになっとるのやから、その経営に関わることに口出しするのは許されることやないと思う。

新聞社と販売店の関係は、一般のメーカーと小売店の関係と同じようものやさかいな。

新聞社の人間と言えども、一介の相談受付係が、他企業である販売店にいくら落ち度があるからとはいえ、『その新聞代は支払う必要がない』かのごとく受け取られるような発言を消費者にするのは問題やと思う。

もっとも、この発言を問題にすれば、その担当者は間違いなく逃げを打つやろうがな。「一般論を言うただけや」とか何とか言うてな。

聞けば、その新聞代金は、そのA新聞社とはまったく関係のないB新聞、C新聞社のD新聞の分やということやから、余計、理解に苦しむ発言や。

こういう場合は「新聞代金のことに関しましては、販売店とご相談ください」という程度に止めておくべきやったと思う。

新聞社は、自社の購読契約についてですら、購読者に対しては「ご契約に関しては販売店とご相談ください」と逃げるのが普通やさかいな。

新聞社は、公には購読者との新聞購読契約にタッチせん、できんというのが基本的なスタンスでもある。

関わるとしたら、あきらかな不法行為があったと認められる場合くらいなものや。管理、指導という名のもとにな。

その場合でも、その購読者には直接的なジャッジを下すような物言いをすることは少ない。「当該の販売店に、その件は伝えておきますので」と言う程度に抑えるのが普通や。

ただ『A新聞社の販売店ではなく、A新聞社の本店』というのが、その販売店を直轄する販売会社やった場合は、そういう対応もあり得ることかも知れん。

それやと、その販売店のグループ会社ということになり、その影響下にあるから、その意向には従わなあかんというのも考えられる。これは、一般の親会社と子会社という関係や。

ただ、普通の読者は、そういうややこしい関係というのを知らんケースがほとんどやから、わざわざ上部組織の販売会社を調べて電話したというより、新聞社に直接連絡したと考えた方が自然やと思う。

おそらく、あんたは、新聞社と販売店は同一の会社組織やと考えておられるのやないかという気がする。そう誤解されとる一般の人は結構多いさかいな。

新聞社に直接かけたということなら、その受付係の言うことはあてにはならんと言うとく。

もっとも、その受付係の言うたことの真偽を確かめる術はあるがな。

それは、このままあんたからその販売店には何も連絡せず、しばらく放っておくことで分かる。

もし、その受付係の言うてるとおりやとしたら、そのA新聞の販売店から、それに対して謝罪しに来るやろうし、その際「過去の新聞代はいりません」と言うと思う。

その上で、新たに「口座振替依頼書」に記入すれば問題はないということになる。あるいは、過去の口座振替が生きているのなら、その承認をするだけでええ。

その受付係は、そこまであんたに言うのやから、当然、その販売店にも連絡してなあかんはずや。せやから、そのアプローチがなかったらおかしいということになるわな。

あるいは、以前、金融機関から毎月27日に口座自動引落しをしていたということで、その口座の廃止処理がされてなければ、新聞社からの連絡で、販売店がそれを復活しとるというのも考えられんでもない。

せやから、その27日まで一応、待ってみてはどうかと思う。

それまで、何の連絡もなく、その口座引き落としもされてなかったら、その受付係の言うたことは、ええ加減やったということになる。

それまでに、その販売店が「申し訳ありませんでした」と謝罪に来れば、ワシの考えが間違うてたことになる。そういうケースもあると認識を新たにせなあかんやろな。

ただ、27日に先月分が引き落としになっていたとしたら、それはそれで問題ではあるがな。やはり、どうであれ、その連絡をあんたには、先にしとかなあかんさかいな。

いずれにしても、その結果待ちということやが、ここからは、何の連絡もなかったものとして話す。可能性としては、今のところ、これが一番高いと思う。

『この電話でのやり取りをそのまま販売店へ説明すれば、過去の分を全額支払わなくてもいいということになるのでしょうか?』というのは、言うてもええけど、その判断はあくまでも販売店の考え方次第やと思うてた方が無難やで。

それで仕方ないという販売店もあれば、全額支払ってくれと強気で言う販売店もある。

それに対して、どうするかは、あんたと販売店次第やと思う。

ただ、販売店が全額支払ってくれと言うた場合は、その新聞社の受付係が言うたことを持ち出しても、もめるというのは、ある程度、覚悟しといた方がええ。

先にも言うたように、その受付係は「そんな意味で言うたのやない」と、とぼけるやろうからな。あんたの聞き違い、勘違いで済まされる可能性がある。

ワシがあてにならんと言うた意味が、そのとき分かると思う。

ここは、ビジネスライクに法的なことで話す。

民法上の新聞代の債権請求権は2年ということになっとる。せやから、2年以前の分は、時効を主張できる。

時効の援用と言うて、時効にかかる分は支払いを拒否すると通達すれば、それで済む。正式には、内容証明でということになるが、ほとんどは口頭で済むはずや。

問題は、この2年間の分やが、これは、その販売店に請求権がある。

確かに、口座引き落としの不備についての落ち度は、その販売店にあるが、それを理由に新聞代の支払い請求を拒否することはできんと思う。

民法上の請求権の時効が2年とされとるのは、「請求忘れ、ミスは、その2年以内にしなさい。それだったら、ぎりぎり認めます」ということやからな。

あんたの方も、それが引き落としされると承知で、その分を銀行に入金してたはずやから、それを支払ったところで特段の不都合はないということに理屈上はなる。

ただ、そういう法的な部分とは別に、気分的にはすっきりせんわな。

その2年分の新聞代が、そのままその口座に残っていれば別やが、そうやなかったら、一度に支払うとなるとかなり高額な負担を強いられるさかいな。

たいていは、口座引き落としの残高だけを確かめて、その足らずの金額だけを補充するというのが一般的な家庭の状況やと思う。

一般的な新聞代が3925円やから、その24ヶ月分となると、実に94200円という計算になる。それが残っとるというは普通は考えにくい。

あんたの方に何の落ち度もないのに、いきなり一括でそれを払えと言われても困るわな。

こういう場合の解決パターンは、いろいろ考えられる。

まず、新聞社の人間の言うとおり、その販売店が自らの意志で非を認めて、過去の新聞代はいらんというケースや。

これは、実際、あり得ん話やない。販売店にすれば、あんたはええ客になるはずやから、こんなことでもめたら、今後、二度とあんたからの契約は取れんと考えるやろうからな。

それやったら、ここは自らの落ち度を認めて、あんたからの心証を良うしとこうとするというのは十分考えられることや。

しかし、そんな販売店ばかりやないのもまた確かや。未払いの新聞代を払うてくれと言う販売店も実際にあるからな。

その販売店にしても、あんたに配達していた新聞の仕入れ代金は、それらの新聞各社に支払うてるわけや。

当然、販売店の収益にも影響しとるから、簡単にあきらめるわけにはいかんと考える販売店もあると思う。

ただ、一度に支払うのは無理やと言えば、その交渉の余地くらいはある。どうしても今すぐ払えと言う販売店の方が圧倒的に少ないはずやからな。

一括払いするにしても、販売店の不手際を理由に、それ相当の値引きをしてもらうというのでもええし、当然、分割でというのもある。

ワシが、あんたと販売店次第やと言うたのは、そういうことや。

いずれにしても、しばらく様子を見て、何もないようやったら、その販売店に直接言うて交渉するしかないやろうと思う。

何もなかったら、そのまま放っておくという選択肢もあるが、文面から察するに、あんたにそんなことはできそうにないわな。気持ちも悪いやろうしな。

その販売店との交渉次第で、もめるようなことがあれば、またここに相談してくれたらええ。

これ以上、仮定の話をしても、ややこしくなるだけやと思うしな。何かの対策というのは、相手の出方次第で変わるもんやさかいな。


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