新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.474 契約解除することが可能なのでしょうか?


投稿者 satosiさん  投稿日時 2007.10.23 AM 9:01


初めまして。
今回、新聞購買の契約に関する悩みがあるので、ご相談させてもらいたいと思い、メールを致しました。お手数だとは思いますが、よろしくお願いします。

私は、契約書を無くしてしまったのですが、確かH16の4月〜H19の4月まで契約していたと思います。

新聞購買をした時、当時大学1年生(18歳)だった私は、その時来た販売員の方に、「3年契約で取って、商品券3万円もらって、2、3ヶ月したら実家に帰るので新聞をとめてくださいっていって、後はほっといたらいい。そしたらちょっと金かかるけど、商品券もらえるからお得やで」と言われました。

私が少し迷っていると、販売員の方は続けて、「今とっといた方がええで。今とらへんかったら、ヤクザみたいな販売員来ることあるから早めにとっといた方がいいで」と言われた私は、実際にヤクザではないと思いますが、そのような感じの販売員の方がA新聞の営業の車に乗っているのを何度も見ていたので、私は怖くなって、新聞をとることにしました。

そして、その販売員の方が言っていた方法で、H16年の6月か7月に新聞をとめました。

そして、今年の10月にA新聞の販売員の方が来ました。その方は普通に新聞を取ってくれと言っていたのですが、私はうっかりして、今新聞をとめていることをその販売員の方に言ってしまいました。

そして、新聞を止めるにいたった経緯を前述のとおり説明しました。

すると販売員の方は、「残念やけどそれはやられてるわ。まぁ、ある意味だまされてるわ。ごめんやけど、今日から新聞とってもらわなあかん。」

今月から新聞をとることに関しては当たり前やと思い、承諾したのですが、残っている契約期間、すなわち、止めていた期間をどうするかで話し合いをしました。

私は今年で、今住んでいるところを引き払うと説明すると、「ほんまは、残ってる分を実家でA新聞をとってもらわなかんのやけど、当時18歳の何にもわからへんかった君にそれをするのは可哀想やから、何とかするので、とりあえず3月までとってくれ」と回答していました。

さらに、「もしかしたらA新聞から卒業しても電話がかかってくるかもしれんから、販売員の方からは携帯もしくは番号を変えた方がいいかもしれない」というようなことも言っていました。

私は来年3月に契約解除の電話をしようと思うのですが、実際こういった場合「部屋を引き払うので契約解除をしたい」と言って、契約解除することが可能なのでしょうか?

その時、契約解除のお金などは発生するのでしょうか?

ご多忙だとは思いますが、何か良いアドバイスなどがあれば是非宜しくお願いします。


回答者 ゲン


結論から先に言う。

『私は来年3月に契約解除の電話をしようと思うのですが、実際こういった場合「部屋を引き払うので契約解除をしたい」と言って、契約解除することが可能なのでしょうか?』

ということやけど、これは、その販売店、もしくは同一経営者の販売店以外の配達エリア外への引っ越しということなら、問題なく契約解除はできる。

新聞購読契約というのは、新聞販売店と契約者の間でのみ成立するものやから、その配達エリア外に契約者が引っ越せば、その契約は解除せざるを得んことになる。

新聞販売店には宅配制度というのがあって、その配達エリアというのは限定されとる。そのエリア外への配達は認められとらんわけや。

その配達エリアというのは、新聞社や地域、販売店でも違うさかい一律にどうやとは言えんが、大きな販売店でも1万部ほどやから、配達エリアが広いというてもタカが知れてる。

常識的には、他府県への引っ越しなら、まず問題なく契約解除になると考えてええ。隣接する市町村の場合は、ケースによりその販売店の配達エリア内ということも考えられるがな。

その配達エリア外へ引っ越す客への配達ができんということは、法律的には、債務不履行になるということを意味する。

新聞購読契約というのは、契約者は、その契約期間内はその購読料を支払う責務を負い、新聞販売店は、その期間内、新聞を遅滞なく配達する責務を負うことになる。

そのどちらか一方が、その責務を果たすことが困難な状態になった場合、債務不履行ということになり、その契約を解除することができるとされとる。

当たり前やけど、配ることも受け取ることもできん新聞の契約が成立したままということはないわな。

新聞販売店によれば、引っ越し先でも継続して新聞をとらなあかんと言うケースもあるが、その選択は契約者自身がすることで、強制されることやない。

購読者の中には、新聞社との契約やと勘違いしとる人がおられるが、新聞社は個人との購読契約には一切タッチしないというのが公の立場やから、それは違う。

そういうニュアンスを漂わせて引っ越し先での継続を強要するというケースはあるようやがな。

ただ、購読者サイドからしても、引っ越し先で継続した方が有利な場合もある。

途中契約の解除になった場合、民法の原状回復義務の原則に従って、契約時に貰ったサービス品の返還をせんとあかんようになる。

契約を解除するということは、その約束が守られんということを意味するわけやから、その契約の条件として貰ったものを、契約者が受け取る権利はないと考えるのが自然やわな。

この原状回復義務というのは、双方を契約以前の状態に戻そうという考え方や。これについては理解できると思う。

今回、新たに購読契約を結んだはずやと思うが、その際に貰ったものは返さなあかんということや。

但し、あんたが、引っ越し先で継続購読すると判断した場合は、そのサービス品の返還は必要なくなるがな。

加えて、引っ越し先で新聞を購読する場合、そこが今よりサービスがええという保証はない。場合によれば、かなり差が付き不利なこともある。新聞のサービスは、どこも同じということはないさかいな。

ワシが『引っ越し先で継続した方が有利な場合もある』と言うのは、そういうことや。どうするかの判断は、あんたが下すことになる。

いずれにしても『その時、契約解除のお金などは発生するのでしょうか?』というのはあり得んから心配せんでもええ。

参考までに言うとくけど、以前の契約は3年前に決着のついとることやから、今更、その責任を取る必要はなかったと思うがな。

その販売員の言う「残念やけどそれはやられてるわ。まぁ、ある意味だまされてるわ」まではそのとおりやが、「ごめんやけど、今日から新聞とってもらわなあかん」というのは言いかがりとしか思えん。

おそらく、その販売員は、あんたから新たな契約を取ることで、自分の成績にしたかったから、そんなことを言うたんやろうがな。

確かに、あんたが当時の販売員から『その時来た販売員の方に、「3年契約で取って、商品券3万円もらって、2、3ヶ月したら実家に帰るので新聞をとめてくださいっていって、後はほっといたらいい。そしたらちょっと金かかるけど、商品券もらえるからお得やで」と言われました』というのを真に受けたのは感心できることやないとは思う。

それがええことやないと分かってたからこそ、あんたは引け目を感じて、今回、その販売員の言葉に素直に従ったのやろうがな。

あんたと、その当時の販売員は、厳密に言えば詐欺にも問われかねん行為や。あんたの話どおりやとしたら、最初から結託して、その販売店を騙していたと判断されても仕方ないからな。

例え、それが脅かさせれたことで恐怖心からしたことであったとしてもや。

どんな理由があれ、そんな甘言を真に受けるのは、今後のあんたのためにもならんことやと言うとく。

犯罪は、「誰かにそそのかされてしました」と言うて許されるものやないさかいな。良くて情状酌量の余地が生まれるくらいや。無罪とはならん。

まあ、それでも新聞購読契約程度のことで、そんな罪に問われることもないやろうが、他のことやったら、そうはいかんと考えてなあかんで。

ただ、その反省をするのはええが、そうやからと言うて、今回の販売員の言いなりになる必要はなかったとは思うがな。

例え理由がどうであれ、あんたの言葉を信じてその販売店が新聞を止めた時点で、その契約は終わったことになるわけや。

問題にするのなら、そのときにするべきやった。ちゃんとした販売店なら、あんたが本当に引っ越ししたかどうかは、すぐ分かるさかいな。少なくとも「引っ越しする」という言葉だけを鵜呑みにすることはない。

もし、その言葉だけを信じてそうしたというのなら、あんた以上に、その販売店の落ち度があると、ワシは思う。

もっとも、そんなええ加減なことを言う勧誘員を寄越したのは、その販売店なわけやから、その責任の方が大きいということになるがな。

それを、3年も経って蒸し返す方がおかしいということになる。普通はあり得ん話や。

もっとも、あんたが自分の非を感じて『今月から新聞をとることに関しては当たり前やと思い、承諾した』というのなら、それはそれであんたの意志やから尊重するがな。

それで、あんたが感じていた罪悪感もいくらか和らぐやろうしな。

その販売員が、『もしかしたらA新聞から卒業しても電話がかかってくるかもしれんから、販売員の方からは携帯もしくは番号を変えた方がいいかもしれない』と言うてたとのことやが、通常、そういうのは考えにくいと思う。

新聞社から契約のことに関して購読者個人に連絡を取るというのは、まずない。

その販売員が、あんたの引っ越し先を新聞社に伝えて、新聞社から当該の販売店にその連絡を入れた場合、新たな販売店からの連絡というのは考えられるがな。

しかし、あんたが嫌なら、引っ越し先である実家の住所を教える必要はない。先にも言うたように、引っ越しすることで、その契約を終了させることは可能やさかいな。

あんたが、その実家の住所を教えん限り、相手の販売店というのが決まるわけはないのやから、そこから電話がかかってくることは考えられん。

かかってくるとしたら、現在の販売店からやが、ちゃんと引っ越しするときに、貰うたサービス品を返して契約を解除しとけば、それもないはずや。

結論は、冒頭でも言うたとおり、引っ越しを理由に契約解除は可能やということや。その際、今回、契約するときに貰うたサービス品を返せば終わる。

実家に帰られるのなら、そこでは別の販売店から新聞を取っておられると思うから、そうするのが一番、現実的やと思う。

ただ、今回のことを教訓にするのなら、甘い言葉には気をつけることやな。何でもそうやが、無条件においしい話なんか世の中にはないさかいな。


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