新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.476 低レベルな勧誘員を解雇する方法はありませんか


投稿者 lidumi さん 九州宮崎県在住 投稿日時 2007.10.26 PM 8:02


本日、宅急便が来る時間を指定しており、その時間帯の訪問者だったのでインターホンで確認をせず、うっかり玄関を開けてしまいました。

するとY新聞の勧誘員でした。すぐさまドアを足で挟まれ、ドアを閉じることができませんでした。

私が即、断ると、少しの間渋り、「変な顔〜」と捨て台詞を吐いて去って行きました。私は「死ね!」とその男の背中越しに言い返しましたが。

私はその勧誘員の言葉に一瞬疑いました。そんな言葉を面と向かって言われたことはないし、女性としてかなりショックでした。

凄く悔しくてたまりません。どうしてこんなに勧誘員の教育が行きとどいていないのでしょうか?

現在私は妊娠中でツワリもある中、寝ていたのを起きて玄関まで出ました、胎教にも悪いしあまり手荒なことはできないし・・。そんな時、私が男だったらな、と思ってしまいました。

消費者センター、販売店に電話して苦情を言ったのですが、「注意しておきます」との事でした。

販売店の人が家まで謝りに来させると言っていましたが、もうその男とは会いたくないし、詳しく家の住所を教えるのも気味が悪いので、来なくていいと私は言いました。

警察に相談すると、ドアに足を挟んだ時点で違法だからすぐに110番を、と言われました。

しかし、そんな短時間のうちに110番をしてその勧誘員を捕まえることができるのか疑問です。

しかも、本日2度もY新聞は訪問してきました。その暴言を吐いた勧誘員が来た後、1時間ぐらいたったときのことです。2度目はインターホンで出ました。

声が一度目の男と同じ声だったのですが、その男とは違う、と言っていました。しつこすぎます。

納得がいかないので、そんな低レベルな勧誘員を解雇して欲しい、というのが正直な願望ですけど、それが無理ならば、何かこらしめる方法はないのでしょうか?


回答者 ゲン


あんたの怒りは良う分かる。同業者として申し訳ないとしか言いようがない。

ただ、すべての勧誘員が、そんな人間ばかりやとは思わんといてほしい。と言うても無理かも知れんがな。

一人でもそういう人間と遭遇すれば、どうしても、その個人が悪いというより勧誘員全体がそうやと思うてしまうのは致し方ないことやさかいな。

このQ&Aを始めて3年余り経ち、もうすぐ相談件数も500になろうとしとるが、そちらの九州地区からの、こういった苦情は今回が初めてやと思う。

九州地区での勧誘員の評判は全国的に見ても悪い方やなかったから、正直、驚いとる。

これが、関東、関西方面からの苦情なら、まあ、そんな奴の一人や二人はおるやろうと考えたかも知れんがな。

もっとも、どこにでも、ええ人間もおれば、ええ加減な人間がおるというのが、この人間社会の常やから、九州にそういう人間がおったとしても不思議というほどやないがな。

『凄く悔しくてたまりません。どうしてこんなに勧誘員の教育が行きとどいていないのでしょうか?』というのは、気持ちは分かるが難しい問題やと思う。

本来なら、警察官、教師、役人など社会的なモラルを要求され、それだけの教育、指導を受けとる連中ですら、ほぼ毎日のように事件や不祥事を犯してメディアに報道されとるという現実がある。

これは、断言してもええと思うが、世の中のどんな仕事、集団、組織においても、そういった不法行為を犯す人間は必ずおるはずや。

何らかの事件、犯罪など犯した者がいない業種など、おそらく皆無と言うてええやろうと思う。

勧誘員だけが特別な存在というわけやない。悪いのは、あくまでも、それをする個人やさかいな。

そのあたりのことが、分かるようやったら理解してほしい。「それは論理のすり替えや」と言われる人も、中にはおられるが、少なくともワシはそう考えとる。

ただ、そういう行為をする勧誘員個人への対処ということなら、それなりの方法はある。

『警察に相談すると、ドアに足を挟んだ時点で違法だからすぐに110番を、と言われました』というのは、そのとおりやから、そうするのも方法の一つや。

これは、刑法第130条の住居侵入罪に該当する。

住居侵入罪とは、正当な理由なく他人の住居や管理する建造物に無断で入り込むことや。

『ドアに足を挟む』行為、そのものがその罪に問われる可能性が高い。その警察も、その意味で言うてるはずや。

加えて『私が即、断ると、少しの間渋り』という際、「帰ってくれ」と言うてるにも関わらず居座れば、同じく刑法第130条の不退去罪にも該当することになる。

これらの罪で摘発されると、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられるとある。

『しかし、そんな短時間のうちに110番をしてその勧誘員を捕まえることができるのか疑問です』というのは、この罪は現行犯やなかったらあかんということやないから、その心配は必要ない。

その事実が認定されたら、その罪に問えるし、その警察次第では逮捕ということまであり得る。

新聞勧誘員の場合は、その相手の名前が分からんでも、簡単な特徴だけでその個人の特定ができる。

新聞勧誘員には、拡張専門会社である拡張団から来る拡張員と、その販売店の従業員の場合の二種類がある。

拡張員の場合は、その日にその販売店に入店する人間というのは限られとる。拡張団の規模にもよるが、そちらの地域やと、多くても4,5人程度のはずや。

販売店の従業員の場合は、任されとる区域が決まっとるのが普通やから一人というケースが多い。

年齢、背格好、服装などの特徴が分かっていれば、比較的簡単に、その人間の特定ができる。

せやからこそ、その販売店は『家まで謝りに来させる』と言うたわけや。その時点で、その勧誘員が特定できていたことになる。

つまり、最初の段階で警察に通報すれば、警察も造作なく、その勧誘員にたどり着けるわけや。

ただ、その警察が、その勧誘員を逮捕、起訴するかどうかとなると何とも言えんがな。

この程度と言えば語弊があるかも知れんが、実質的、物理的な被害が確認できん場合は、注意程度で終わる場合もある。

今回のような事案やと、警察、もしくは担当係員の裁量の範囲内とされるケースが多いからな。要するに、その警察、警察官次第ということなる。

それでも、その勧誘員に与える精神的なダメージ、効果は、それなりにあるはずやから、このケースでは、それでよしとするべきやないやろうか。

『納得がいかないので、そんな低レベルな勧誘員を解雇して欲しい、というのが正直な願望です』というのは、それを判断するのは、あくまでもその勧誘員を支配下に置く、拡張団次第ということになる。

販売店の場合は、できても入店禁止にするくらいが関の山や。たいていは「お客から、こんな苦情がきています。止めさせてください」と、その拡張団に言うくらいで終わることが多い。

『消費者センター、販売店に電話して苦情を言ったのですが』ということやが、この件についての苦情なら、新聞社の苦情センターへの通報の方がええやろうと思う。

新聞社からの「注意します」というのは、販売店、拡張団にとっても重い言葉になるさかいな。もっとも、それについても、その勧誘員の解雇につながるかどうかまでは保証できんがな。

『「変な顔〜」と捨て台詞を吐いて去って行きました』と、精神的な苦痛を与えられたということなら、そうすることで、相手にも、その苦痛を与えられるということで良しとするべきやないやろうか。

ただ、それも『販売店の人が家まで謝りに来させると言っていましたが、もうその男とは会いたくないし、詳しく家の住所を教えるのも気味が悪いので、来なくていいと私は言いました』ということで、形の上では、それを許しとることになるから、今回の件は、これ以上、言うても仕方ないと思う。

客観的に見て、今回の件は、その謝罪で終わるものやと考えるさかいな。

その際、その勧誘員だけやなく、販売店の責任者も同伴していたはずやから、「二度とこういうことのないように」という言質を取っておけば完璧やったんやがな。

結果的に、その謝罪を拒否している現状で警察に通報したとしても、おそらく、大した罪に問われることはないやろうと思う。

もっとも、通報するかどうかは、あんたの判断次第でええがな。ワシは、その警察やないから、一般的な予想をしとるだけで、そこがどう判断するかというのまでは分からんさかいな。

ただ、ワシのアドバイスとしたら、次回に気をつけるということでええのやないかと思うということや。あまり、引きづらん方がええ。

最後に老婆心ながら、あんたに苦言というか、注意していただきたいことがある。

『私が即、断ると、少しの間渋り、「変な顔〜」と捨て台詞を吐いて去って行きました。私は「死ね!」とその男の背中越しに言い返しましたが』

というのは、止めておいた方がええと思う。これやと、その場で大きく揉めたとしても、売り言葉に買い言葉ということになり、双方痛み分けということにもなりかねんさかいな。

あんたとしたら、先に言われたから言い返しただけで、自分は悪くないと考えられるやろうが、第三者からすれば、どっちもどっちということになるわけや。

それに、そういうのは、危険も伴う。

今回は、あんたからそう言われても、その勧誘員は素直に引き下がったようやが、世の中には、そんな勧誘員よりたちの悪い訪問業者はいくらでもおる。

その一言が、とんでもない不幸を招く可能性もあるわけや。

また、同じように『私が男だったらな、と思ってしまいました』という考えも危険や。

もう3年ほど前の相談やが、このQ&Aに『NO.33  拡張員の人と喧嘩をしてしまいました』というのがあった。

この相談者も女性で、相手があんたのケース以上に悪質な拡張員やったということもあり、かなり派手な口喧嘩をされたとのことや。

このときにも、いろいろその対策をアドバイスしたが、良ければ見てくれたらええ。参考になることもあるかも知れん。

その後、この方からも幾度かメールをもらったが、そのときのことを長く悔やんでおられたさかいな。

言い古されたことやけど、低レベルな人間と争えば、争うた人間もそのレベルに落ちることになるというのがある。その人の悔いもそこにあったはずや。

当たり前やけど、そんな人間は相手にせん方がええと思うよ。例え、思いどおりに相手を解雇に追い込み、やっつけることができたとしても、あんたにとって何のプラスにもならんやろうしな。

次回、これと同じようなことがあれば、即、警察への通報ということでええのやないかな。もしくは、新聞社への連絡やな。

現在、あんたは妊娠されておられるということで、大事な身体なんやさかい、こんなくだらん人間のためにあまり神経をすり減らさん方がええよ。

あんたも言われておられるとおり、胎教にも悪いやろうしな。それよりも、身体に気をつけて、可愛い赤ちゃんを産むことの方を優先してほしいと思う。

ただ、これ以上、何かあれば、いつでも相談してくれたらええ。さらに悪質な場合は、それなりの対処法がいくらでもあるさかいな。


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