新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.484 もう、新聞拡張員しかないのでしょうか


投稿者 1972さん  投稿日時 2007.11.11 PM 8:51


はじめまして、はかせさん、げんさん。僕は35歳のニートです。ホームページの内容とそれますがお許しください。

私は大学を卒業以来、職を転々としています。まず新卒で金融会社へ就職するも督促の仕事が性に合わず半年で退社。

その後、公務員試験を一度だけ受けるもだめで、そのあとOA機器の営業会社へ就職するも、つぶれかけて会社で給料遅配もたびたびでやむなく9ヶ月で辞めたんです。

その後、マックシェークを作る機械の会社でメンテナンスの会社に就職するもぶきっちょでまったく仕事についていけず2週間ほどでクビ同然に退社。

そして工場に就職するも、なんか合わないと思って3日で退社。もう若さもあったけど舐めてました。

そして、その後、大手電機量販店に就職するも店舗の立ち上げ準備の激務についていけず、これも1週間ほどで退社。

このころから平成不況も深刻化してほとんど履歴書で、はじかれるようになり焦りを覚え始めアルバイトとして電話営業の仕事につきました。

これは土木施行管理技師などの国家資格を取るための講習会の営業でした。この会社は1年ほどいましたが、社会保険もないし結局退社しました。このとき27歳。この後はもう・・・・アルバイトを繰り返し、気がついたら35です。

親の年金をかじりながら生きています。今は社会保険労務士の勉強をしています。

親が生きているうちに社労士の資格を取るのと少しでも貯金をしなければという危機感で必死になっています。

げんさんのように世の中の辛酸をなめてこられたのとは対照的に、僕の人生は甘ったれ人生です・・・・。

ニートやりながら勉強しているこの楽な環境にどっぷりひたっております。

今年の試験は1点差で落ちました。呆然となりましたが、僕にはニートで勉強できるという人もうらやむような環境があります。

もちろん砂上の楼閣です。いつ崩壊するかもしれない。だから来年合格すべく全力で勉強するしかないと思ってます。親の傘があるうちになんとかしないと。

社労士のバッチを胸につけることを夢見て、困ってる人を助けたいという夢があります。

もし、最終的にそれがかなわなかったら新聞拡張員しかないと思ってます。もうまともな会社は雇わないでしょうから。

僕はとにかく甘やかされ放題育てられたのでとにかく気が弱いです。でも意思にかじりついてでも新聞拡張員やるしかないと思ってます。

じゃないと生きていけないでしょうから・・・・・。

げんさんからみたらとんでもなく甘い野郎かもしれませんが、一言忌憚のないアドバイスをいただけたらと思いメールしました。


回答者 ゲン


『もし、最終的にそれがかなわなかったら新聞拡張員しかないと思ってます』ということやが、悪いことは言わんから、そんな考えは今のうちに捨てといた方がええ。

あんたの話を聞く限り拡張員になるのは無理や。向いてない。おそらく1日も持たんやろうと思う。

確かに拡張員になるのは、募集さえしてたら入社試験とかもないし、採用基準も緩い所が多いから、比較的簡単やとは思う。年齢や学歴、経験も問わずという団がほとんどやしな。

その意味では気軽に応募はできると思うが、簡単に入社できるのと続けられるのとは違う。

もっとも、どうしても試してみたいというのを止めとけとは言わんが、あんたが思うてるような世界やないことだけは言うとく。

この世界に10人飛び込んで1年続けられる人間は、ええとこ一人か二人や。ほとんどがケツを割って逃げ出す。たいていは「こんなはずやなかった」と言うてな。

当メルマガ『第142回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員で成功できますか? 前編』および『第143回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員で成功できますか? 後編』というのがあるから読んでみるとええ。

これは、あんたと同じく仕事を探すことに困った人が、実際に体験された話をもとにしたものや。

拡張団に勤めた場合の、おおよその流れを紹介しとるから、それでやれそうやと判断したらチャレンジしてみたらええ。

但し、言うとくが甘い考えではあかんで。どんな仕事も楽なものはないが、この拡張員は、営業の中でも特に難しい部類やと思う。いろんな面においてな。

売り込むものは、1ヶ月3000円〜4000円程度の訪問販売にすれば安い商品やが、客の大半は、すでにどこかの新聞を購読しとる場合が多いから、ニーズや必要性に乏しく新規開拓が極めて困難な営業ということになる。

拡張員の風評が最悪なのも覚悟しとかなあかん。勧誘に来たというだけで、毛嫌いされることも多いさかいな。

いくら、自分は悪いことをしてへんと言うても、世間はそうは見ん。同じあくどい拡張員の仲間と思われるだけや。

つまり、この仕事を選んだ時点でマイナスから出発しとると認識する必要があるということや。この仕事をどんな事情からにせよ自ら選ぶ以上は、仕方のないことやと。

それらをカバーできるものは、本人のやる気だけやが『新聞拡張員しかない』というようなネカズティブな発想で仕方なくやると言うのではものになるわけがない。

それは、何も拡張員に限らず、どんな職業でも共通して言えることやと思う。

まず、今のあんたに一番必要なことは、仕事に対する取り組み方、考え方を変えることやと思う。

『僕は35歳のニートです』ということやが、ニートというのをどういう風に捉えておられるのか知らんが、あんたのそれは違うと思うで。

ニート(NEET)とは英語で「Not in Education, Employment or Training」の略で、和訳は「教育を受けず、労働をおこなわず、職業訓練もしていない人」となる。または、それらができない人という意味で使われる言葉や。

その点、あんたは大学も卒業され、結構いろんな職業にも就かれておられるから、その範疇には入らんと思うがな。

また、無理にその範疇に入れて、自分の甘さの隠れ蓑にするべきやないとも思う。

『ニートやりながら勉強しているこの楽な環境にどっぷりひたっております』ということやが、あんたが本物のニートかどうかは別にして、あんた自身が言われているように甘い環境で生活しておられるのは確かなようや。

あんたに限らず人間は皆、弱い生き物や。そんな環境に甘えてしまうというのも分かる気もするし、無理のないことかも知れんとは思う。

ワシにしたところで、明日、宝くじでも当たって、一生仕事をせんでもええくらいの大金を手にしたら、仕事なんかせえへんかも知れんからな。いや、絶対、そうするな。

仕事というのは、それで稼がな食うていけへんと考えるからできるものやと思う。楽して食える状況であれば、何もしゃかりきになる必要はないと考えるのが普通の感覚やないかな。

それでも、あんたは、その現状に満足せず、なんとかしようとしとるのやから、救いは十分すぎるほどあると思う。

あんたは「社労士」になるべく勉強をされておられるということやが、それがしたいのやったら、そのことだけを真剣に考えることや。

まず、社労士(社会保険労務士)の試験に合格することやが、これはあんたにとって、そう難しいことやなさそうやわな。次のチャレンジで頑張ればなんとかなるやろ。

問題はその後や。

その資格を得て、どこかの法律関連事務所に勤められるのか、企業の労務担当者になりたいのか、いずれにしても、その資格を持って就職するというのが、その方法の一つやな。

実務には関わらず、予備校の講師になるという選択肢もあるそうや。

いきなり開業という手もあるが、これは、資金の問題もあるやろうし、営業経験も電話営業ということであまりなさそうやから、すぐにはしんどいと思う。

開業するのなら、最初は実際の社会保険労務士事務所に勤めて、そのノウハウを取得するようにすることや。できたら、そこで貰える給料から、将来の開業資金を貯めることやな。

それについては、仕事をしていない現状でも何とか食っていけるのやから問題はないやろ。親御さんにしても、あんたの自立のためなら喜んで協力もするやろうしな。

ただ、釘を刺すようやが、開業というのは生半可なことやないというのは知っておいた方がええ。

確かに、最近は社会保険庁の年金問題などで、その仕事の需要が増してきとるそうやが、基本的にはかなり過酷な競争社会のようやさかいな。

当サイトの法律顧問をして頂いている今村英治先生も、その社会保険労務士も兼ねておられるが、かなり厳しい業界やと常に言うておられるさかいな。

特にクライアントを確保するのに骨を折られているとのことや。社労士になったからというて、勝手に仕事が舞い込むわけやない。

たいていは、過酷な営業競争に勝ち抜かんと顧客を確保することはできんという。

どんな業界でもそうやが、独立して成功するのは、かなり狭き門やと覚悟しとかなあかんということや。

ただ、そういう目標を持つことはええことやと思う。

特に、自分で甘い環境やと考えている状況では、その目標を持つことが、現状から脱皮して飛躍できる原動力になるやろうからな。

あかんかったら「拡張員でもなろうか」というしょうもないことを考えんと、後一歩で掴めそうな目標があるのなら、何も考えず、それに打ち込んで邁進することや。

悪いことは言わん。それが一番ええ。


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