新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.488 正攻法の解釈を教えてください


投稿者 山中さん 拡張員 関東在住  投稿日時 2007.11.24 AM 2:21 


関東で拡張員をしている山中と申します。

自分の拡張のやり方についてアドバイス頂ければと思いメールしました。

げんさんの言われるとおり拡張のやり方は千差万別であると思います。

金券を使っていた時の営業とカタログギフトの営業では半年たった今でも違和感があります。

そして、以前は恥ずかしながらドアオープンに限ってですが、アパート系なら「管理してる者です」とか、一軒家な「配達の者です」とかいってやってました。

ドアさえ開ければ、後は「ナキカン」「新店拡張」の類を使って揚げていました。

今は自分の拡張に新たな変化が欲しいと思っているんです。

今、A新聞本社では正攻法の強さを求めています。それには自分も同感です。ですが、初めに新聞の銘柄を名乗ってしまうと話しにもならないケースが圧倒的です。

今のやり方は「お忙しいところすみません。Y新聞取っている○○さんはこちらでしょうか! ありがとうございます。私、A新聞の○○です」と以下いつも通りにしていますが、本当の正攻法は自分を先に名乗る事からだって思ってます。

げんさんの正攻法の解釈はどこらへんまでがそうだと考えてますか。


回答者 ゲン


『げんさんの正攻法の解釈はどこらへんまでがそうだと考えてますか』ということやけど、一言で言えば、嘘偽りのない営業をすることが、そうやと思う。

つまり、人として当たり前のことをし、誰にも迷惑をかけず、後ろ指を指されない営業ということやな。

ただ、それが難しいとされるのが、この業界なわけや。

『正攻法』については良く聞かれるが、その言い方自体、ワシには違和感があるし、好きやない。

おそらく、そういう言い方をするのは、この業界だけやろうと思う。

同じ訪問営業でも、建築関係、保険勧誘、物品販売などの営業員からは、そういう言葉はあまり聞かんしな。

もちろん、彼らに不正行為、不法行為がないというのやない。どんな業界であれ、多かれ少なかれ似たようなことをする者は存在するさかいな。

ただ、それらの多くの業界には、堂々と世間に公表できる営業のマニュアルが存在し、その営業の関連書籍も書店に並べられているというのがある。

言えば、それが『正攻法』、つまり、「正しい顧客獲得のための攻略法」ということになるのやが、残念ながら、この新聞業界には、それに該当するものが、なぜか少なくあまり見当たらん。

一部の新聞拡張団、新聞販売店には、それに近いものがあり、それで勧誘員の教育をしとる所もあると聞くが、ワシの知る限り、そうしとる所は少ないように思う。

多くは、それぞれの経験則に基づいて、「新聞の拡張とはこんなもんや」と伝えられとるのが現状やないかと思う。

『今、A新聞本社では正攻法の強さを求めています』ということやが、それには、拡張の禁止行為には言及してても、具体的な営業法を示してはないはずや。あっても、実状とは大きく乖離(かいり)しとると思う。

まあ、それも当たり前と言うか、この新聞社そのものが、他の業種と比べ、その営業力のなさを露呈していて、それを教える術を持ち合わせとらんのやさかい無理もないけどな。

長年、その新聞販売関しては、新聞拡張団、新聞販売店におんぶに抱っこやったわけやから、そのことを考えることもなかったのやろな。

新聞を売るためには、その拡張団や販売店の尻を叩くことしか考えてなかったわけや。

しかも、新聞社は、一般読者との購読契約すら一切タッチせん、関わらんという姿勢やさかい、それからしても推して知るべしということになる。

余談やが、新聞社の営業そのものが、広告主の獲得すら難儀しとるのが実状らしいから、新聞社にそれを求めるのは、ある意味、酷かも知れんけどな。

Q&Aの『NO.437 新聞社の営業実態について』を見てもらえば、その一旦が、かいま見えるのやないかな。

昔、新聞社の内部事情を題材にした「社葬」という映画があった。

その冒頭に「新聞はインテリが書いてヤクザが売る」というテロップが流れていたのを見たことがある。

新聞社は、新聞紙面を作り上げるために全勢力を傾ける。記事さえ書けば、それで新聞が売れるものと信じとる。少なくともそれで使命感は達成できると考えとるようや。

そのプライドもあるのかも知れんが、営業の重要性がおざなりにされてきたのは確かなような気がする。

新聞を売るための営業は、ヤクザでもできると思うてたわけやしな。事実、その昔、ヤクザをかき集めて勧誘させたのが、新聞拡張団の始まりやと言うからな。

これが、当初から、一般の企業並にちゃんとした営業の基本方針、モラルというものを持って運営されていたというのなら、新聞勧誘という仕事は、もう少しまともな評価をされてたと思う。

まあ、出発点が、ヤクザであろうが何であろうが構わんと言うんでは、それを望むのは無理やし、そういう歴史、下地のあるところに、正しい営業などというものが育つこともないわな。

しかも、残念なことは、未だにそれに取り組もうとする姿勢すら感じられんということや。少なくとも、ワシらには、新聞社からのそういう声は届いて来てないさかいな。

ただ、新聞社の不正を排除しようという姿勢は感じられる。

その一環として、その地域での金券廃止というのがある。それには、度を超した金券を渡す拡張員が後を絶たんという現実があるから、ある意味、やむを得んことかも知れんがな。

しかし、そうするだけで営業の正常化になると考えとるのなら、大いなる勘違いをしとるとしか言えんと思う。

正しい真の営業を教えずして営業の正常化などというものはあり得んさかいな。

拡張員が、金券に頼った営業をするのは、それしか方法がないと思うから、そうするわけで、それ以外の手段でカード(契約)を上げることができるのなら、喜んでそれを学ぼうとするはずやと思う。

本来は、それを支配下の営業員に教育、指導するのが、業界のトップたる新聞社の務めやと思うのやがな。

残念ながら、それができてないというか、そのつもりもないと思わざるを得んということや。

当サイトに『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』というのがある。

多くの業界関係者の方々から、参考になると評価して頂き、ある拡張団や新聞販売店では新人研修に使っているという報告もある。

それにすべてを網羅しとるわけやないが、経験の浅い人には、それなりに役立つものやとは思う。

実際に、これを参考にして、成績を上げた、また認められてその団の班長になった、販売店の営業成績が伸びたという、嬉しい話も届いとるさかいな。

今のあんたにも参考になる部分があるのやないかと思う。

それの最終更新から2年以上経つし、業界内では、このサイトもそこそこ知られとるから、新聞社がそのことを知らんはずはないと思うんやが、未だに無視されたままや。

もっとも、新聞社は、インターネット上の記述には、すべからく無視するという姿勢にあるようやから、このサイトが特にということでもないとは思うけどな。

つまり、ワシが言いたいのは、その営業の指針すらない状態で仕事せなあかん拡張員は、あまりにも不幸やということや。

まあ、それを嘆いても始まらんがな。

『初めに新聞の銘柄を名乗ってしまうと話しにもならないケースが圧倒的です』ということやが、それは、訪問営業という性格上、仕方のない部分もあると覚悟はしてなあかんと思う。

特に新聞営業の場合、客はすでにどこかの新聞を取っているケースが多く、それの変更を依頼するのが主な仕事ということになる。

これを客の立場で考えれば、それを言うてくる勧誘員に必要性を感じるということが少ないというのが分かると思う。必然的に疎んじられ、うっとうしがられることが多いわけや。

つまり、この仕事は、大半の人間に断られるという前提があると認識した上でするべきやと思う。

それを、すべての人間に話をして契約を取ろうとするから「配達の者です」などという嘘をついてまで、ドアオープンさせようと考えるわけや。

10軒に1軒、営業ができ、そのうち2軒ないし3軒、成約できれば御の字と考えれば、普通に名乗るのも悪くはないと気づくはずやけどな。

ただ、名乗るにしても、それなりの工夫は必要やがな。

例えドアホン越しであっても、相手は常にその様子を窺っているものと考え、少しでも印象を良くするために、笑顔を忘れず明るく大きめの声であいさつすることを心がけることや。

その地域が、拡張員の評判が悪いと思われとるのなら、そうすることで、客も意外に思い話くらい聞いてみようかという気になる人もいとると思う。

また、その家の人は、それであかんかったとしても、その隣の人は、そう考える可能性がある。大きな声は隣にも聞こえるから、そうすることにより実直で感じの良さをアピールできるわけや。

大きめの声で話すというのは、そういう狙いもある。

もっとも、最初から、そうしても話にならんと考えていたら、本当にそうしてもあかんのは間違いないがな。

『今は自分の拡張に新たな変化が欲しいと思っているんです』ということなら、先に言うた『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』を見てもらえれば、何か発見があると思う。

ワシの言うてる意味も分かるはずや。というても、何度も言うが、それはまだ完成されたものやないけどな。

実は、ハカセは、現在、その『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』を本当に役立ててもらえるものにするために、加筆に取り組んどるところや。

ちょっと、僭越すぎるかも知れんが、新聞社ができん営業のマニュアルを完成させるつもりでおるさかいな。

最終的に、出版本とするか、他の手段で公開するかは未定やけどな。予定としては、来年、春までを目処にしとる。

それまでは、まだ、その現在の『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』で辛抱してほしい。もっとも、それにしても考え方くらいは参考になるはずや。

少なくとも、拡材に頼るだけが新聞の営業やないということは分かってもらえるやろうと思う。

人は、一つの気づきで大きく変われる。ただ、その気づきは、人から強制されたり推奨されたからという程度では生まれることはないがな。

どれだけ、あんたが、そうなることを望んでいるか、欲しているかで、すべてが決まる。

人には必要とするものは必ず見えてくるもんやさかいな。そう信じることができるかどうかは、あんた次第やけどな。


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