新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.49 ゲンさんに教えて頂きたいです
投稿者 匿名希望 新聞販売スタッフ 東京都在住 投稿日時 2004.12. 6 AM9:05
はじめまして。私は東京都内で某新聞販売スタッフを今年の9月から始めた者です。
営業は今まで経験がありませんでしたが、何とかお客様と話すことにも慣れ、当月切れの喰い止めなどはできる様になってきたのですが、新勧及び過去読の起こしがぜんぜんあがらなくて困っております。
「ゲンさんの勧誘・拡張営業講座」を拝見させていただき、笑顔、丁寧な言葉使いには少々自信が有るのですが、いつもインターホンで蹴られてしまいます。
「○○新聞の○○と申します!○○のキャンペーンで参りました!」
「あー結構です。」
「お話しだけでも聞いて頂けませんか、サービスも精一杯頑張りますので・・・」
「ウチはずっとAだからいいです。」
「そこをなんとか3ヶ月だけでいいんでお付き合い頂けませんでしょうか?」
「本当に結構です。ごめんなさい。」
と、いつもこんな感じです。
たまに早起きして昼も出ていますが朝夕常配なのでどうしても営業は夜になってしまいます。
ゲンさんがおっしゃっていた雑談もドアオープンさせてからではないとダメではないかと思うのですが、夜なので仕事帰りで歩いてる人はいますが外で作業している人もいない中でゲンさんはどの様な会話でドアオープンさせて拡張につなげているんでしょうか。
色々パターンは有ると思いますが是非、助言をお願い致します。
回答者 ゲン
新聞の勧誘、拡張は、ある意味、営業の中で一番難しいかも知れん。ワシは拡張員の前にも、自営業者として、或いは建築の営業員として通算30年の営業経験があった。
自慢やないが、それの営業成績もトップクラスに近かったと自負しとる。本格的な営業のイロハも叩き込まれて、それなりのテクニックも身につけたと自信もあったが、拡張の仕事を始めた当初はその総てが通用せんかった。
あんたが今、実感しとるインターフォンキックは、恐らくどんな訪問販売の営業よりもきついと思う。新聞の勧誘が世間から嫌われとるということでは、他の追随の及ぶところやない。最悪と言うてもええ。
あんたは恐らく、何でこんなに断られるのやろと首をひねっとるはずや。自分のやり方が拙いのやないかとも考えとると思う。しかし、心配せんでもあんたのせいやない。
今、あんたが体験しとる客からの対応が、極、普通の一般的なものなんや。ワシも普通に叩いてたら同じ対応をされる。あんたと一緒や。そう簡単に誰もドアなんか開けん。
ただ、ワシらベテランの拡張員は、その経験から、自分に合う客の種類をある程度特定出来るし、その地域で人脈も作っとるからやれるだけのことや。
もし仮に、明日、あんたとこの店でワシが拡張に行ったとしても、思うようにはカードは上がらんやろと思う。坊主、パンクするかも知れん。その地域で慣れるまでには時間がかかる。特に、ワシのスタイルではな。
拡張とはそんなもんや。拡張の営業に即効性の特効薬はない。少なくともワシにはそんな便利な物は用意出来ん。
もっとも、ちょっとした助言でその人間の才能が開花するということはあるが、その場合でも、基本と経験の土台がないと難しい。
ワシが何を言いたいのかと言うと、ワシら拡張員のように1日中、拡張だけで廻っとる人間ですらそうなんやから、専業で上手くいかんでも当たり前やということや。
それに、あんたは9月から始めて3ヶ月ほどの経験やろ。それで、止め押しをほぼ完璧にやれるということだけでも大したもんやと思う。
そして、今は新歓にチャレンジしとると言う。意気込みは買うけど、ワシから言わせて貰うと無謀な行為や。良う考えてやらな、あんた自身が潰れることになる。
ワシがこんなことを言うのは、あんたに見所を感じたからや。せやから、無理に伸び上がろうとして潰れて欲しいないと思う。
ワシから小手先だけの対応を聞いても、今のあんたには役に立たんと思う。今のあんたの段階で、小手先のテクニックは追いかけん方がええ。
拡張員の真似事をしても難しいと思う。能力、経験の問題だけやなく物理的な時間の問題もあるしな。何も焦ることはないと思う。
そうは言うても助言を頼まれとる以上、何もせんというわけにはいかんから、今のあんたに向くと思われる方法とトークを教える。
その前に、今現在のあんたの店の状況を把握しておいた方がええ。拡張はその店の状況次第でかなり違って来る。上がり易い店とそうでない店が歴然とある。まず、それを知っとかな話にならん。
店の拡張に対する姿勢はどうか。今は、年末でもあり、特別なキャンペーン中ということもあるから、表向きの意欲は店にはあると思う。ワシの言う姿勢とは、物理的なものや。
つまり、拡材は他店と比べてどうかということや。意欲は口では何とでも言える。しかし、現実にはそれに伴う出費をどれだけ覚悟しとるかで、その店の意欲がほぼ分かる。
もちろん、拡材を出せばええというもんでもないが、意欲の目安にはなる。そして、その拡材にオリジナリティがどれだけあるかでも、その意欲を計れる。
通常の洗剤やビール券、商品券の類やと物量の程度でしか分からんが、拡材に金をかけずとも、インパクトの強い拡材を考えとる店は、それなりに意欲のある所や。
この意欲の問題が分かれば、次はバンク内の状況や。あんたの店のシェアがその地域でどの程度かということや。つまりは人気度やな。これは、単に販売部数の比較だけでもある程度分かる。
そして、出入りの拡張員の数と質も問題になる。これも、店の内部の人間にしか分からんことや。拡張員の質が悪くクレームが多い店やと、あんたら専業の新勧叩きは逆効果になる。
客は、勧誘の人間が拡張員か店の従業員かということは分からん。質の悪い拡張員に悩まされていたら「またか」と思い、話を聞く気にもならん。勧誘に廻れば廻るほどそうなる。
店に十分な意欲があり、拡張員もそれほど問題なくクレームも少ないというのであれば、新歓もええが、それでも、まず、過去読の越しに重点を置いた方がええやろ。特に今の時期と状況ならな。
そのためのトークの方が、確率は高いやろと思う。
「以前、お世話になりました○○新聞です。現在、当店では、以前、お世話になったお客様にだけ、特別にキャンペーンのご案内をさせて頂いていますので、お話だけでも聞いて頂けませんか」
この時、ドア越しに「新聞はいらん」と言われたら、即座に「いえ、お話だけでいいのです。あくまでも、以前、お世話になったお礼も兼ねて廻らせて頂いてますので」と切り返す。
これで、ドアだけは開けてくれる可能性が高いと思う。後は、いかにサービスが出来るかというトークでもええし、雑談から入ってもええ。
これでも、確率が低いようやと、店のトップとの交渉になるが、これはという過去読の客に本当に無料サービスを持ち掛けるのも手や。
「以前、お世話になりました○○新聞です。現在、当店では、以前、お世話になったお客様にだけ、特別に粗品を配らせて頂いておりますので、お願いします」
この時、新聞の勧誘を強調せんかったら、ただという言葉でドアを開ける確率はある。
その粗品は、洗剤でも何でもええ。あんたの所の店が出せる物や。これは、話の持って行き方次第では、ただで渡すだけになるかも知れんが、勧誘の突破口にはなる。
これで、何でワシが店の意欲に拘ったか分かるやろ。意欲のあるトップならちょっとこういう話をするだけで、たいした説明をせんでも総てを理解出来る。
もし、分からんようやったら、すぐ引き下がることや。意欲がそれほどないと感じたトップと話しても意味がない。下手に説得もせん方がええ。あんたの立場が危うくなる。
客と話が出来んと悩むんやったら、確実に話の出来る所を廻る。会社関係や商店や。ここは、入って話することは絶対に出来る。ただし、事務員と話ししても意味がない。なるべく、経営者と話すようにせんとな。
この時の心得としては、例えあんたが3ヶ月の経験しかなくても、店の代表やというくらいの気構えが必要や。
対店舗用のサービスはどことも一般とは違うと思うから、その天井を予め確認しといた方がええ。対店舗には、後でそのサービスは店では出来ませんと言うのは拙いからな。
対店舗、対会社には、チラシ依頼の営業も出来る。店の営業利益の多くは、チラシに依存しとるから、上手く行けば一石二鳥ということもある。
例えば、購読契約して頂ければ、1回分のチラシ代は無料という具合にな。これも、店のトップの許可がいるやろうけどな。
取っかかりということでは、今のあんたにはこの辺までにしといた方がええやろ。営業の中身については、とてもじゃないがここで全部話すことは出来ん。
「ゲンさんの勧誘・拡張営業講座」を参考にして貰えるか、Q&Aでも見て貰えたらと思う。ただ、このサイトはまだこれからという側面もあり、営業に関してすべて語り切るには、相当日数を要すると思うから、気長に付き合ってほしい。
何度も言うが、営業に即効性は期待出来ん。まずは、経験を積んでそれからや。経験を積んでくればワシの言わんとすることも理解出来るやろと思う。
最後に一言、ワシがもし専業やったとしたら、日頃の配達や集金の中で、営業を兼ねた喋りを心がけると思う。専業の強みはそれや。一発勝負には向かん。
人間関係を作るには、専業の環境はええと思う。客と親しくなるということに徹したら、あんたらの営業は簡単やと思うけどな。何にしても、好かれる自分を作ることや。