新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.502 これは契約違反になるのですか??


投稿者 mocomoco さん  投稿日時 2007.12.24 PM 9:20


今年の10月半ばに新聞の一年契約をしたのですけど、やはり一年はいらないと思い三日後に販売店に電話したら『いつ解約してもいいんで少しはいかがですか』と言われそのままにしました。

で、二ヶ月間とったのですが、やはり読まなかったので解約したいと電話で言ったら『経営者の私がいつ解約してもいいなんて言うはずない』『契約違反だ』の一点張りです。

その後、電話を旦那に代わったら『解約します』といって無理矢理切ったのですがこれは契約違反になるのですか??


回答者 ゲン


『これは契約違反になるのですか??』ということやが、法的にはそうなる可能性の方が高いと思う。あんたにとっては受け入れ難いことかも知れんけどな。

たいていの人は契約書の重要性というのは良く認識されておられると思うが、どうも、新聞の購読契約に関しては軽く考えられるきらいにあるようや。

いつでも解除できるものと考えておられる人が多い。

しかし、事、契約ということで言えば、新聞購読契約も立派な契約なわけで法律で保護されるということを認識して頂きたいと思う。

『今年の10月半ばに新聞の一年契約をしたのですけど、やはり一年はいらないと思い三日後に販売店に電話した』というのは、契約者の一方的な理由による契約解除希望ということになる。

この自己事由による解約を希望する場合は、相手方の販売店と話し合い、合意する必要がある。

多くの場合、ペナルティとしての解約違約金を支払うということでその解決となる。その解約違約金については、この業界の決まりのようなものは一切なく、お互い納得できればそれでええわけや。

解約できた場合には、それプラス契約時に貰ったサービス品は返還せなあかんことになる。これも、民法の原状回復義務というのにその規定がある。

まあ、これは単純な話で、あんたの方からの一方的な理由で契約を解除するのやから、その契約を全うすることが条件で貰うた物は返すのが道理やわな。それを受け取り続ける理由も権利もないと思う。

ただ、あんたの場合には『いつ解約してもいいんで少しはいかがですか』と、その販売店が言うたということがある。

確かにそう言うたのであれば、当たり前やけど、その契約は解除せなあかんと考えられる。

しかし、『経営者の私がいつ解約してもいいなんて言うはずない』と、その販売店が全面否定するのなら、事はそう簡単にはいかんということになる。

確かにそう言うたという証拠でもない限りな。

このような、言うた言わんというケースでは、その証拠を示すことは難しいやろうから、裁判などで法的に争われることになれば、あんたの方が不利になるとは思う。

『いらないと思い三日後に販売店に電話した』というのを、よくクーリング・オフでの解約と勘違いされる方がおられるが、これはあくまでも任意での契約解除依頼ということになる。

クーリング・オフの場合は、契約日から8日間以内に文書で通知せなあかんと法律で決められとる。

具体的には、最寄りのJP(日本郵便)に行って、内容証明郵便、配達証明付きハガキ、簡易書留郵便ハガキで出すというのが一般的や。

あんたがどうしても、そのときに解約したいというのであれば、そうするべきやったと思う。クーリング・オフという消費者にとっての特別ルールはそのためにあるのやさかいな。

法定で争えば、間違いなくそこを相手に突かれると思う。あんたがその権利を放棄したとしてな。

まあ、よほどでないとこのケースで裁判沙汰になることはないとは思うけど、絶対というわけでもない。

最近、やはり、あんたのようにしばらくしてから「やっぱり読まんから解約したい」という人が増えとるということで、今後のためにもその裁判を起こそうと考えとる販売店もあると聞く。

裁判となれば、一般論で言うたらあんたの方が不利やとは思うが、それも絶対ということはない。

裁判官の心証次第では、あんたの言うてることの方が、その販売店の言うてることより信用されるということもあり、勝てる可能性も皆無やない。実際にはやってみな分からんというのが、裁判というやつやさかいな。

ただ、あんたの言うとおりの販売店やとしたら、かなりたちの悪い所やということは、考えに入れといた方がええやろうな。

「三日後に販売店に電話したら『いつ解約してもいいんで少しはいかがですか』と言われ」というのは、クーリング・オフ阻止のための方便と思われるし、それに対して『契約違反だ』の一点張りと言うのも作為的なものを感じる。

先に、『自己事由による解約を希望する場合は、相手方の販売店と話し合い、合意する必要がある』と言うたのは一般論としてで、実際問題として、こういう販売店との話し合いは難しいと思う。

あんたのご主人が、『解約します』といって無理矢理切ったということであれば、全面対決するということなのかな。

おそらく、その販売店は、これからも配達を止めることもなく、集金にも来るはずや。

それに対して、あんたがその代金を拒否して滞納すれば、それを理由に裁判を起こすというのも考えられんではない。

もっとも、そのケースの方が圧倒的に少ないから、たいていは、その支払い要求をし続けるものと思う。それは、それで正当な行為ではあるがな。

新聞購読契約では、契約者はその契約期間内は、その代金を支払う義務を負い、新聞販売店は、その間、遅滞なく新聞を配達するという責務を負うことになる。

そのいずれかが、それを放棄すれば契約不履行ということになる。

今回のケースでは、あんたとその販売店の間で話し合いでの合意がないのに、その販売店が、揉めていることを理由に配達を止めれば、その契約不履行、あるいは、あんたの解約意志に同意したということになり、その解約を認めなあかんと考えられる。

しかし、裏を返せば、その販売店は、現状ではその配達を止めることができんということにもなる。

それに対抗するには、話し合いができん以上、その新聞代を支払わんという方法くらいしかないやろうと思う。

一般的には、金を支払う客と支払うてもらう業者とでは、支払う側の方が強いもんやが、その当事者同士の考え方、状況次第でかなり違うし、揉め方もそれぞれやから一概に、どちらが有利とは言えん。

ご主人が、その販売店と全面対決をするのなら、それくらいの覚悟を持ってすることや。

第三者に認められるかどうかは別にして、その販売店のやり方が許せんというのなら、そうするのも一つの手やさかいな。

それとも、そんな面倒が嫌なら、その契約を全うするかや。

いずれの方法を選ぶかは、あんたの方で決めるしかないと思う。どちらがええとは、ワシには言えんさかいな。


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