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NO.504 購読契約書の署名について


投稿者 SSさん 横浜市在住  投稿日時 2008.1. 6 PM 10:28 


初めまして。HPは大変参考にさせて頂いています。

最近、購読契約について販売所ともめていまして、関連して質問があります。

1.購読契約書の購読者名(私の名前)がないと契約書として無効でしょうか? 問題の契約書の私(読者側)の控えの住所と名前欄が空欄です。
 
販売店説明では、電話番号を記入しただけで契約は有効とのことですが、ちょっと感覚的に違うように思います。

2.契約の有効無効で見解が合わず、話し合いも不調となると訴訟になることが考えられますが、手間や弁護士費用は別として、費用はどのくらい掛かるものでしょうか?
 
販売所側の説明に納得ができないので、現時点で向こうの言い分通り1年間の購読をするつもりはないのですが、あまり金額が掛かるようだと妥協も考えます。新聞代5万円弱を超えるようなら考慮します。

お手数ですが、ご意見を頂けると助かります。


回答者 ゲン


『1.購読契約書の購読者名(私の名前)がないと契約書として無効でしょうか? 問題の契約書の私(読者側)の控えの住所と名前欄が空欄です』

ということやが、契約というのは、当事者間の申込みと承諾という二つの意思表示の合致によって成立すると民法で規定されとる。

それで言えば、お互いが相手を確認して約束した契約は、契約書がなくとも有効とされるとも言える。

但し、それは個人間でお互いの合意がある場合のみに摘要されることで、一方がその契約を否定すれば、その具体的な証明ができん限り、その契約が認められることはない。

契約書というのは、まさに、そういう揉め事を回避するために存在するものなわけや。

確かに、購読客の中には、その信用だけで契約書のない客もおるが、それは、その客がそれで納得しとる場合のみに限られることや。

それ以外は、新聞購読契約書というのは必要不可欠なものとされとる。

契約書の効力を発生させるためには、申込み人の自筆による署名が必要になる。

その点からしても『契約書の私(読者側)の控えの住所と名前欄が空欄です』というのは、契約書の体裁が整ってないのやから契約の無効は問題なく主張できる。

『販売店の説明では、電話番号を記入しただけで契約は有効』ということやが、この電話番号をあんたが書いたということをもってその契約を承諾したと、その販売店は強引に言うてるのやと思う。

さらに、その際、あんたが拡材(景品などのサービス品)を受け取っていたら、それも契約の承諾をしたからやと言うはずや。拡材を渡すというのは、そういう意味も含まれとるさかいな。

しかし、それは、あんたが、その契約そのものを否定すれば終いの話や。

「契約を承諾してないからこそ、その契約書に署名捺印しなかった」という理由づけになり、「景品は、無理矢理置いて行ったもので、受け取った覚えはない」と言えば問題ない。

実際、そうであるのなら、その拡材は手つかずの状態になってた方が望ましいがな。

まあ、いずれにしても、業者対個人間の契約で名前や住所の記入のない契約書が認められることはないから、それほど心配する必要もないと思う。

『2.契約の有効無効で見解が合わず、話し合いも不調となると訴訟になることが考えられますが、手間や弁護士費用は別として、費用はどのくらい掛かるものでしょうか?』

このケースで訴訟になることは、まずないやろうと思う。販売店が、こういうケースで訴えたという話は、今のところないさかいな。少なくともワシらの耳には届いとらん。

せやけど、仮の話として一応答えとく。

普通、裁判になると、金がかかると思われがちやけど、弁護士を雇わんかったら、民事で訴えられた側は、そのための裁判費用というものは一切必要ない。

別に、民事裁判は絶対に弁護士を雇わなできんということでもないさかいな。今回のように、圧倒的にあんたが有利と思える案件なら、素人でも十分対応できると思う。

裁判所に行くために仕事を休むことによるマイナス、あるいは交通費くらいは必要やが、言うてもその程度で済む。

裁判になると、裁判所の出頭通知というものが必ず来る。指定された期日と時間には、その通知にある名義人、この場合、あんたの名前になっていれば、必ずあんた自身が出向かなあかん。

これを無視したら、いくら分のあることでも、民事では一方的に相手側の言い分が認められるからな。

民事の場合、裁判と言うても、初めは調停のような感じから始まる。

場所もテレビドラマに出て来るような物々しい法廷やない。こじんまりとした会議室みたいな所が多い。中央に大きめなテーブルがあり、その回りに輪になって座る。対面の場合もある。

裁判所の方は、裁判官と書記官が立ち会う。裁判官の服装も普通の役所の人間が着てるスーツ姿や。喋り方も取り立てて変わっとる所もない。

訴えた側は、弁護士と訴えた人間が来る。弁護士だけの場合もある。

訴状の説明があり、その認否を訴えられた人間に聞く。間違いと思うことははっきりそう言う。今回のように、訴えられた側が理不尽と思っている場合は、普通は争う姿勢を示す。

ここで、ポイントなのは、相手方に理解を示すような発言をする必要は微塵もないということや。今回の例で言えば「契約した覚えはない」で押し通せばええ。実際、そうやろうしな。

その際、証拠となるものは出来るだけ多く集める。特に、その契約書の控えは必ず持参する。相手の販売店員とのやりとりの状況を詳しく文書で作成しておく。

その会話を録音しとくのもええ。もちろん、今からでも間に合う。それらで、あんたがその契約に同意していないということが裁判官に分かって貰えれば100%勝てるはずや。

相手の弁護士は、そちらの不備を突いてくる。言葉巧みに、「本当は、その契約を承知してたのでしょう?」と言うくらいは普通にある。

あるいは、その勧誘員が置いて行った景品があるのなら、それを受け取ったのは「その契約を承諾したからやないのか」と責め立てることも考えられる。

ここで、理不尽やと思って腹を立てん方がええ。

裁判とはそうしたもんや。特に弁護士は依頼人に落ち度が高いと思うてても、少しでも有利にすることが仕事や。そのためには相手の落ち度をつつくしかないということを分かってなあかん。

相手を攻撃し合うのが裁判で、話し合いの場とは違う。この考えが分かっとらんかったら、いくらこちらが正しいと思っていることでも足下をすくわれるおそれがあるさかいな。

裁判官はそれらのことが形式通り済むと、どちらか一方を室内に残し、他方を室外で待たす。それぞれと面談する。

裁判官は双方の話しを聞いた上で、助言という形で意見を交え、相手の方針を確かめる。調停にするか本裁判に進むかや。

この場合、訴えられた側は調停を選ばん方がええと思う。この場合の調停は、ほとんどが違約金などの金額の交渉というのが多い。一銭も払う気がなかったら、一切の交渉は、はねつけた方がええ。

裁判官にもいろいろおるから、絶対とは言えんが、このケースは訴えた側に告訴を取り下げるように忠告するはずや。勝てる見込みはほとんどないと言うてな。

せやけど、この場で民事の告訴を止めさせる権限は裁判官にはない。告訴は国民の権利でもあるからな。勝ち負けとは別や。

参考までに、本裁判に進むと、法廷での争いとなる。これはテレビドラマで見るような物々しさがある。

このときになって、そういう雰囲気が堪えられんということであれば弁護士を雇う方が無難やろと思う。

その案件にもよるが、裁判で勝訴すればその弁護士費用も相手に負担させることができる可能性もあるから、その弁護士と相談すれば、今回のようなケースやったら、その方向で進めて貰えるはずや。

慣れん者には、その裁判所の雰囲気自体が強烈なプレッシャーになるやろうからな。

こちらに弁護士がいなければ、相手の弁護士の攻撃を防ぐのは普通はしんどいと思う。逆に言えば、ここまで来てから初めて弁護士に頼めばええということや。

ちなみに、弁護士費用やが、その弁護士によっても事件の程度によっても違いがあるが、民事の場合は一件、30万円程度が一般的な線や。

まあ、この説明は、先にも言うたように、今回のケースでは、ほとんど必要ないやろうけどな。

ただ、この説明を聞いて、それならと考えられるのなら「そんな契約は一切認められんから、どうぞ裁判してください」と強気で言うても差し支えないと思う。

まれに、販売店の中には「裁判するぞ」と脅す所もあると聞くが、それは単なる脅しにすぎん場合が大半や。

一般的に、裁判というと何かとんでもない大事という感じになるし、あんたのように『あまり金額が掛かるようだと妥協も考えた方が良いかと考えています』と言う人もおられるから、そう言うことであきらめるやろうという思惑が働くわけや。

実際、裁判になったら、今回のように勝てる見込みのほとんどない販売店の方が負担が大きく、それが営業地域内に知られることによる信用失墜というダメージも受けかねん。

特に、現代のようにインターネットの発達した時代なら、それは一大ニュースとなって駆けめぐる可能性が大やさかいな。そうなれば、全国に恥をさらすことになる。

新聞購読契約の揉め事で、今までその例がないというのも、そうしたことがあるからやと思う。

ただ、中には実際にその契約どおりに新聞を投函して、その代金を受け取ろうとする販売店もあるようやから、話が平行線のまま、ラチがあかんようなら、このことを新聞社の苦情係りに通報するというのも手や。

その場合は、契約の揉め事というのやなく、あくまでも、その販売店の違法性を追求するという形を取った方がええ。

新聞社は、基本的に、契約の揉め事にはタッチできんというのが公のスタンスやさかい、「契約の揉め事」というのを全面に出すと、その販売店と良う話合うてくれと言われて終るということになりかねんからな。

せやから「そちらの新聞社では、契約書にサインもしていないのに、契約したと認めるように販売店を指導しているのですか」とストレートに言うた方がええと思う。

これは、どんな新聞社も認めとらんことや。当然、新聞社としても、それが事実と知れば販売店を責めるやろうし、場合によっては調査に入るということもある。

それで、たいていは解決つくはずや。それでも、まだ揉めるようやったら、また、相談してくれたらええ。


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