新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.510 偽名で作られた契約書について


投稿者 Aさん  投稿日時 2008.1.17 AM 1:51


おとといに自治会から頼まれてきたという人間が来て扉を開けてしまいました。話を聞いてると新聞を取ってくれといってきました。

最初はずっと断ってたのですが「お金は自分が払いますので契約だけしてください」「今が昇進時期で自腹をきってでも契約がほしいんです」と必死にくらいついてきたため、無料ならいいかなという気持ちも出てきてしまいました。

また一方でだまされたら嫌なので契約書には何も書かないでいたら「知らない人の名前を書いて契約したことにします。とりあえず確認とか来るので口裏あわせや新聞の処理だけしてくれ」と言われて納得してしまいました。

実際、契約書には何も書き込んでいませんし、自分とは関係ない名前が書いてあります。その契約書は自分の手元にあります。

また3ヶ月サービスといったことも書いてあるのですが、実際はどうなるのでしょうか?

相手からの物品はゴミ袋しか貰ってないです。

クーリングオフしようにも、もともと自分は契約してないことになってるのでどうすればいいのでしょうか?

このままほっといたら新聞代を払うことになるのでしょうか?

よろしくお願いします


回答者 ゲン


『実際、契約書には何も書き込んでいませんし、自分とは関係ない名前が書いてあります』ということなら、その新聞が配達された場合「身に覚えのない契約やから知らん」と言い張ることは可能やと思う。

契約者とは違う名前で勝手に書かれた契約書というのは、明らかな架空契約で私文書偽造ということになる。この業界で俗に言う「てんぷらカード」というやつや。

通常、そう言えば、販売店もそれと分かるから、あんたにはそれ以上、何も追求せずあきらめる公算は大きいと思う。

しかし、中には「とりあえず確認とか来るので口裏あわせや新聞の処理だけしてくれ」と、その勧誘員に頼まれたということで、実際に、その販売店からの確認の電話や来訪してきた販売店の担当員に、その口裏合わせの返事をしたことについて突っ込まれる場合がある。

あるいは、その勧誘員が「勧誘に行った先で、客(あんた)が、そう名乗ったから契約書にそう書いた」と言い出すかも知れん。

まあ、そんなことを言えば、あんたとのやりとりがバレて、墓穴を掘ることにもなりかねんから可能性としては少ないがな。

ただ、こういうことがバレたら、その勧誘員は大変やから、必死で逃げを打つはずや。あんたが、その契約を否定したら、我が身かわいさにそう言い出さんとも限らんということや。

販売店や所属拡張団に責められたら、あんたを悪者に仕立てるくらいのことはするやろうと思う。

それでも、今回の場合は、あんたが直筆で書いた契約書やないから、あくまでも「知らん、身に覚えのない契約や」と言い張れば、それで通る可能性は高い。

しかし、あんたにそれが言い通せるかということになる。言い通せるのなら、そうすれば問題は少ない。

ただ、それを言い通せんかったら、結局、その契約を認めさせられるということにもなりかねんというのは言うとく。

あんたからのメールの内容からすると、正直そうな人やというのが伝わってくる。

その販売店の人間から「電話(もしくは来訪)で、その契約をあんた自身が認めたやないか」と迫られたら、否定しづらくなり、そうなる可能性が高いのやないかな。

契約というのは、当事者がそれを認めてしまえば、例え偽造されたものでも有効になる場合が多いさかいな。

「あんたに頼まれたから代筆しただけや」という言い分が、あんたがそれを認めたという事実で成り立つことになる。

一番、無難なのは、その販売店に正直に言うことやと思う。

「先日、そちらから来られた勧誘員の方が、○○名義で書かれた契約書は、私○○とは関係ありませんので、新聞の配達はしないでください」と。

理由を聞かれたら、正直に経緯を言えばええ。

そうすれば、たいていの販売店なら「分かりました。解約処理をしておきますので」と言うはずや。

但し、念のために、その会話を録音しといた方がええで。携帯電話ならその録音機能で、また他の電話ならスピーカーホンにしてラジカセなんかで録音しとくという手もある。

これは、滅多にないが、後で、「その解約処理をします」と言うたのをとぼける販売店もおるので、その保険のためや。その会話では、日時を言うとくのと相手の名前はきちんと聞いておくようにな。

その際、その販売店が煮えきらん返事をするとか日延べするようなことがあってアテにならんようなら、クーリング・オフも考えた方がええやろうと思う。

『クーリングオフしようにも、もともと自分は契約してないことになってるのでどうすればいいのでしょうか?』ということやが、やり方によれば不可能やない。

今回の場合は、その契約書の○○という名前の人間とあんたを誤認したことで書かれた契約書ということになる。まあ、誤認とは言うても悪質な故意やけどな。

その契約書をあんたに手渡されとるわけやから、その時点で、まったく勝手に作った契約書とも言い切れんことになる。その契約が認められる認められんに関係なくな。

せやから、考え方としては、相手側の誤認イコール、あんたやということも成り立つわけや。

ワシもこういうアドバイスは初めてやけど、こうするしかないのやないかというものを知らせとく。

まず、正規のクーリング・オフのやり方から言う。

新聞購読契約の場合、クーリング・オフをするには、契約日を含めて8日間以内に文書ですると法律で定められている。

但し、その文書が届いた届いてないというトラブルを避けるためには、最寄りのJP(日本郵便)に行って、内容証明郵便、配達証明付きハガキ、簡易書留郵便ハガキで出すのが一般的とされとる。

内容証明郵便の場合、文書1通に対して謄本2通(コピー可)を作成し、その集配を行っている郵便局へ出す。

謄本の字数と行数は、縦書きで1行20字以内、1枚26行以内と決められとる。市販の「内容証明郵便用紙」というのがあるから、それを使えば便利やと思う。

これが一番高くつくが、最も確実な方法でもある。たいていの法律家の先生方もこれを推奨されとることやしな。

配達証明付きハガキ、簡易書留郵便ハガキとなるに従って安くなる。最近では、これの方が、新聞購読契約のクーリング・オフには多いようやがな。

ハガキの場合は、特に書式の規定はなく、縦書き、横書きのどちらでも構わない。但し、投函する前は必ずコピーをとっておくのを忘れんようにな。

その一般的な文書内容というのは下記のようなものでええ。

平成○年○月○日
              
               通知書

     
 私は、平成○年○月○日に貴社のセールスマンと新聞購読契約を結びましたが、特定商取引に関する法律第九条の規定に基づき本書面をもって上記契約を解除致します。
 
    
新聞販売所の住所(契約書に記載。多くはゴム印が押してある)  
○○新聞販売所
 代表者(名前が分かればその名前。分からなくてもいい)殿

                        
        差し出し人の住所
                  氏名        印


あんたの場合は、この文言を少し変更する。

平成○年○月○日
              
               通知書

 
 平成○年○月○日に貴社のセールスマンの方が、私、○○と誤認され○○名義で作成された新聞購読契約書につきまして、私、○○は、特定商取引に関する法律第九条の規定に基づき本書面をもってその契約を解除致します。


新聞販売所の住所(契約書に記載。多くはゴム印が押してある)  
○○新聞販売所
 代表者(名前が分かればその名前。分からなくてもいい)殿

                        
        差し出し人の住所
                  氏名        印


と、こんな感じやな。

本来、あんたの場合は、その契約自体が不成立になる可能性の高いものやから、こんなものを出さずともええとは思うのやが、揉めた場合、あんたの意志を明確にするという役には立つと考える。

『おととい』というのは、1月14日のことなのか1月15日のことなのか、深夜2時前後に送られたメールからでは分りにくいが、1月14日としたら、1月21日の月曜日が期限やし、1月15日ということなら1月22日の火曜日がその期限ということになるから気をつけといた方がええ。

このクーリング・オフの文書は、その期限までに相手側に届く必要はなく、その文書を郵便局から送付した日が8日間以内やったらええわけや。

『このままほっといたら新聞代を払うことになるのでしょうか?』というのは、そうなる可能性はある。新聞が投函されれば、当然のように集金に来るのは間違いないと思うしな。

『また3ヶ月サービスといったことも書いてあるのですが実際はどうなるのでしょうか?』というのは、3ヶ月契約で3ヶ月サービス(無料)という意味なのやろうかな。

例え、その契約書にそう書かれていたとしても、あんたのようなケースはほとんどが大嘘やと思うてた方がええ。

おそらく、あんたに渡された契約書に書かれたようなことは、その販売店へ提出する契約書には書いてないはずや。

それをそのまま鵜呑みにしたら、まず揉めることになると思う。

一部には、確かにタダになったという例があるが、そういうケースは、たいていその場で、それに見合う現金や金券を置いていった場合に限られる。

後で約束が守られたというケースはほとんどないさかいな。

結論として、方法は四つある。

一つは、このままにしといて、実際に新聞が投函されたら、その異議を販売店に唱える。

あんた名義の契約書でもなく自筆の署名、捺印もしとらんのやから、そんな契約は知らんと言い張れば、それで通る可能性は高い。

揉めても負けることはまず考えられん。あんたが折れて、その契約に同意したと認めん限りわな。

二つめは、その販売店に正直に話すことや。そして、その契約の意志がないことをちゃんと伝える。これも、受け入られやすいと思う。

三つめは、二つめでラチがあかんようやったら、クーリング・オフの文書を出して、あんたの意志と、その契約が誤認やということをはっきり伝えとくことや。

最後の四つめは論外やと思うが、一応、伝えとく。それらが、煩わしいと思えば、あきらめて購読することや。

そのいずれを選ぶかは、あんた次第ということになる。ワシのアドバイスを参考にするなりして良う考えて決めたらええ。


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