新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.523 正攻法の限界と引っ掛けについて


投稿者 営業新人さん 東京都在住 拡張員  投稿日時 2008.2. 4 AM 2:17 


夜分遅く失礼いたします。東京都内で新聞勧誘を初めて一年半経ちます営業新人と申します。

今日はゲンさんにぜひ質問させていただきたいと思いメールをさせていただきました。

それは営業スタイルについてです。

私はこの一年半で引っ掛けと正攻法というやり方を交互にしてきました。ただ最近正攻法に限界を感じてきました。

新聞屋と聞くだけでインターホンを切られてしまう地域にはいると0,1で終わってしまうことも珍しくありません。ですが、逃げ道をうまく残せるギリギリの引っ掛けというのが自分では全く思いつきません。

正攻法でもそれなりに数を回れば結果はでるのですが、トップの方とはやはり枚数で劣ってしまい、このままマンネリ化していまの枚数で終わってしまうのかという焦燥感で毎日自問自答しております。

やはり正攻法というのは限界があるのでしょうか?

又逃げ道があるギリギリの引っ掛けというのは存在するのでしょうか?

もしあれば具体例などとともに教えていただけないでしょうか?

ちなみにスタイルは泣き勧で雑談とサービストークを交える会話構成を中心としています。

他人頼りみたいな質問で申し訳ないのですが、ぜひご教授のほどをよろしく御願い致します。


回答者 ゲン


『最近正攻法に限界を感じてきました』ということのようやが、あんたはその正攻法というのを、どういう風に捉えておられるのかな。

新聞の勧誘員であることを名乗り、違法な行為を一切せず、ちゃんと納得して契約して貰うというのが、そうやと言うのなら、それだけでは足らん。

そういうのは当たり前のことで、その上に、人間関係を作ることにあるとワシは思うとる。

要するに客に気に入られるということやな。

営業というのは、すべての業界で言えることやけど、客に気に入られる者が、最も成績がええというのは不動の真理やさかいな。

裏を返せば、成績がもう一つの者は、それに欠けると見てほぼ間違いないということになる。

客に気に入られるための詳しい説明は、サイトの『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座』で言うてる。

さらに、当メルマガの『第109回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■新聞営業でオンリーワンと言われるための心得』 にも、それがある。

この中に『新聞勧誘が嫌われる主な理由』というのがある。

その部分を抜粋する。


新聞勧誘が嫌われる主な理由


@慣れの部分も強いが、長年、購読しとる新聞がベストやと思う読者は多い。長期購読者という人たちや。この客層からの断りが一番多い。

彼らは、よほどの事情がない限り、それを変更する意志のない人がほとんどやと考えてええ。

よほどの事情とは「誤配、遅配があって販売店の対応が悪い」「集金に来なくなった」「その販売店が何かの事件に関係した」「評判が悪くなった」「販売店と揉めた」という類のものや。

タイミングよく、そういうときに訪問したら、カード(契約)になることがある。

しかし、それ以外の変更する意志のない人にとっては、新聞の勧誘は、来られるだけでも、うっとうしいものやとなる。

または、その意志がないのに、その話を聞くのも悪いと思う人もおる。

それなら、最初からその素振りも見せん方がええとなる。これはこれで、ある意味、親切なことでもあるがな。

A勧誘員の外見が大きく左右する。多くは、服装、スタイルなどの第一印象で判断して嫌がる。

嫌われるスタイルとは、ヤクザの着るようなハデな服とか、だらしないと思われる格好や。

中には洗濯しとるのかと疑うような汚れたヨレヨレの服を着とる者もいとる。身だしなみに気を遣わんような人間や。

これは、営業員にとっては致命的なことや。営業の世界ではタブーとされとることやけど、この業界は、それについて甘かったというのがある。

現在は、厳しい所が大半やけどな。それでも、一部にそういう人間が未だにおるのも事実や。

B態度や話し方というのも大事や。営業は、話すことから始めるわけやから、それが嫌われたら話にならん。

しかし、他の営業員と比べると接客態度の悪い者が多いというのは、残念やが認めんわけにはいかんやろと思う。

もちろん、中にはちゃんとした者も多いが、営業全体のランクで言うと悪い部類に属する。

営業は、当たり前やが、客がおって初めて成り立つものや。極端に言えば「お客様は神様」というくらいの気持ちで接せなあかん、とワシは思う。

ワシらが飯を食うていけるのは、その客から契約が貰えるからやからな。

そう考えれば自然に客に対して接し方、物言いも嫌われんように心がけるはずなんやが、それが分からん人間がおるから困る。

そういう人間のおかげで、他の真面目な拡張員も、それと同列に見られ扱われることになるわけや。

これには、その基本的な営業の心得を教える拡張団である営業会社が少ないのと、昔からの悪しき伝統を引き継いどるということにも、その一因がある。

それについては、このメルマガやサイトでも、事ある毎に言及しとる。

そもそも、新聞拡張団の起こりは、ヤクザ組織のような連中を勧誘員として新聞社が使い始めたということにある。

そのヤクザに、一般人に対して他の営業員のような態度で接しろというのは酷な話かも知れん。

どうしても「契約したれや」という言動になりやすい。それが、60数年間も続いてきたという背景があるからな。

最近、かなり浄化されつつあるとはいうても、一朝一夕に変わるものでもない。どうしても、その悪しき伝統が残っとる所もあるということや。

C拡材の存在も大きな要素や。これには、思い違いをしとる拡張員が多い。

思い違いをしとると、第一声から「こんなサービスがおまっせ」と拡材中心の勧誘になりやすい。

そういう勧誘員は「拡材を渡すんやから、契約してくれてもええやろ」という気持ちと態度にどうしてもなる。

例え勧誘員本人は、そのつもりがなく、それと気が付かんでも、客はそう受け取る。これは、客にとってはバカにされとる気分になる者もおる。

例えて言えば、魚釣りをしとるのに似とる。多くの釣り人は、エサ次第で魚が釣れると思う。そう思えば、どういうエサを与えれば釣れるかということだけを必死で考えるようになる。

本当はエサだけで魚が釣れるわけやないんやが、それ以外のことに考えが及ばんわけや。

魚と違うて、人はバカやないから、そんな扱いをされとるというのを敏感に感じ取る。「景品なんかは別にいらん」と言う客がそうやと思えばええ。

これには、暗に「バカにするな」という意味合いが含まれとる。そういう客は、当然のように拡材の話だけしかせん勧誘員に嫌悪感を示すことになる。

もっとも、その拡材の景品次第で契約する客がおるのも事実やから、これは止むことのない手法やとは思うがな。

相手次第では有効な営業なのも確かや。ただ、いずれにしても、それだけやと嫌われやすいということも心しとく必要はある。

D最近では、さすがに喝勧やてんぷらということも少なくなってはきたが、未だに騙しのような手口は横行しとるようや。

そういうのも、嫌われる大きな要因になる。

「宅配便です」「古紙回収の者です」「引っ越しの挨拶に来ました」と嘘をついてドアを開けさせようとするのが、その典型や。

サイトの『新聞勧誘・拡張なんでもQ&A』の相談にもそういうのが多いからな。そういうのが、なくならん限りは、ワシらへの評判が良うなることもないやろと思う。

当然やが、一度でもそういうのに遭遇したら、新聞勧誘に対して不信感を抱かんといてくれと言う方が無理やろうからな。

E自分本位な勧誘員も嫌われる。世の中には、自分中心で物事を考える人間は多い。一般人やったら、それでもええかも知れんが、営業する者がそれやと救いがない。

自分本位な人間とは「せめて話くらい聞けよ」というタイプや。これは、例えそのことを口に出さずとも、その気持ちは必ず相手に伝わる。

どうしても横柄な態度になりやすくなるからな。客と揉め事を起こすのは、間違いなくこのタイプや。

営業は、営業員の一方的な都合で訪問して客の時間を奪うことになる仕事やから、それについての思いやりの気持ちが必要やと思う。

これは、そう考えるだけで、自然にそういう接客態度になるはずや。


この客に嫌われるということが分かれば、その反対をしたらええわけや。簡単とは言わんけど、少なくとも心がける価値はあると思う。

それと、これも重要なことやが、この正攻法に即効性を望んでもあかんということや。

客に気に入られる要素が揃うとる者は別やが、そうでないと自覚するのなら、その努力を続けるしかない。それには時間がかかる。

正攻法をしているというのは、それらをマスターできて初めて言えることやと思う。

ワシが『正攻法というのを、どういう風に捉えておられるのかな』と聞いたのは、それらのことが分かった上で、正攻法の営業をしていると言うておられるのかなと感じたからや。

『新聞屋と聞くだけでインターホンを切られてしまう地域』というのは、この仕事にはつきものやと思うが、そちらの関東方面では、ワシらの感覚より、さらに上を行く厳しさがあるようやな。

もっとも、これは、評判の悪い勧誘を程度の悪い勧誘員が長年に渡り続けたためやと思うがな。

気に入られるようにする前に、客が拒否反応を起こしてしもうとるわけや。確かに、そういう状況では厳しいやろうと思う。

しかし、それでも、あんたの言う正攻法で違法行為なしに契約がいくらかでも上がっているのなら望みはある。

その中には、あんたを気に入ったからと言うてくれた人も必ずいとるはずや。そういう人と出会って契約して貰うたという事実を大切にすることや。

単にラッキーやったで済ませたら、何の進歩もないし、勿体ないと思う。

『逃げ道をうまく残せるギリギリの引っ掛け』というのも、その度合いによるな。

ヒッカケというのは、そちらの方では、新聞社を偽る騙りが主体やと聞くが、そういうのは、するべきやないと考える。

ただ、そのヒッカケというのが、あからさまな騙しではなく、客の誤解、錯誤を狙ってということなら、その方法はないこともない。

そのヒントとなる話は『第40回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■コーヒーブレイクは歯医者で』や『第41回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■拡張員列伝 その2 詐欺師ヤス』の中にあるから、それらを参考にして貰うたらええと思う。

どんな話でもそうやが、それに対して、あんたがどれだけ納得して心が揺さぶられるかということが重要になってくる。

ワシは、自分の考えを人に押しつける気は毛頭ない。どんな教えや言葉も、その人が本当にええと思えんかったら、そんなものはただの講釈、念仏と一緒やさかいな。

人の意見やアドバイスは参考程度にしかすぎんと知ってほしい。

重要なのは、あんたにどれだけの「気づき」が生まれるかということに尽きると思う。

たった一つの「気づき」で、営業はおろか人生すら変わることもある。

詰まるところ、すべてはあんたの捉え方次第ということになるわけや。


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