新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.524 どう切り返すべきですか?


投稿者 S27さん  投稿日時 2008.2.10 PM 10:41


「他紙を一紙とってるので十分だから、いらない」と言うお客さまに対しては、どう切り返すべきですか?


回答者 ゲン


ワシが、このサイトで勧誘について事ある毎に言うてることの中に、「すべての人を客にできるわけやない」というのがある。

拡張は、その人間が客になるかならんか、いち早くそれを見極めることが求められる仕事や。

そのためには、今回のケースでも、なぜその客が「他紙を一紙とってるので十分だから、いらない」と言っているのかということを知ることが重要になる。

これは断り文句としても多い方の部類に入るが、それには結構いろいろな思惑が潜んどると思う。

幾つか例を挙げ、そのケース毎の対応を言う。

1.新聞の勧誘そのものを断りたいがための断り文句として言うてるというケースがある。

はっきり言うて、そういう人にとって理由はなんでもええわけや。他に適当な断るための言い訳が思いつかんから言うたというのが多い。

こういう人に「今すぐというわけではないんで、その新聞の契約が済まれた後で結構ですので、当店の新聞をぜひ」と勧誘しても「いらない」「必要ない」を繰り返すだけで、とりつく島がないのが普通や。

このケースは、どんなベテランがアタックしても徒労に終わることの方が多い。最初から聞く耳を持ってないのやさかいな。

2.その新聞のファンというのがある。

記事の論調が気に入っているとか、社説、掲載小説が好き、あるいは好きな球団に関係している新聞やからなど、理由はその人によりいろいろやが、こういう人を翻意させるのは難しいと思う。

なぜなら、損得で動かされることはほとんどないさかいな。何のサービスもなくてもその新聞を購読し続ける人たちや。

3.長期購読者というのがある。

そういう人は総体的に長年読み慣れた新聞を変えることを嫌がる。また、そうすることを面倒がってそう言う場合がある。

ただ、これは、先の1.2.のケースと違うて、客になる可能性は残されている。

多くの勧誘員は、その新聞の長期購読者が多い地域には寄りつかんというのがある。最初から、勧誘してもあかんと思い込むわけやな。

必然的に、そういう所では勧誘員すら珍しいということがままある。せやから、その長期購読者は、自らの意志でそうなったとは限らず、選択肢がなかったためというのもあるわけや。

特に親の代から続いているというようなケースやと、その人の意志はほとんど反映されてないわけやから、持って行き方次第で客になる可能性はある。

そういう人の場合、「他紙を一紙とってるので十分だから、いらない」と言われたら、「そうでしょうね。そちらの○○新聞は、サービスがいいようですからね」と切り返してみると面白い。

あんたも知ってのとおり長期購読者というのは、多くの場合、大したサービスは貰ってないのが普通や。

したがって、中には「うちはサービスなんか貰うてないで」と言う人も現れる。

「えっ、そうなんですか。○○新聞のお客さんは結構皆さん、いいサービス品貰ってますよ」と言えば「どんなサービスや」と問い返してくる場合がある。

その場合はチャンスやから、本当のことを言えばええ。但し、嘘はあかんで。

加えて、一般的な地域やと、新聞販売店毎にそれほどのサービスの差はないさかい、「うちのサービスは……」と説明すれば、たいてい心を動かされるはずや。

それだけで難しければ、「奥さん(ご主人)一度、3ヶ月程度の間、他の新聞を取ってみられたらどうです。そちらの△△新聞さんも、驚いて、次からはちゃんとサービスしてくれますよ」と言う。

いくらサービスがないことを不満に思う人間でも、その販売店に対して「何でうちだけサービスが少ないんや」と文句を言う客はあまりおらんもんや。

せやから、「そうすることが、静かな抗議になりますよ」とでも言えば、心を動かされる場合もあるわけや。

4.駆け引きで言うてるケースもある。まず一度、こう言うといて、勧誘員である、あんたの反応を見ようという人や。

過去に複数の新聞銘柄を購読した経験のある客に多いタイプやな。

こういう人は、持って行き方次第では客になる。というか、ワシら拡張員ならこういう人間は客にせなあかんわな。

但し、こういう駆け引きを使う客は、多くの場合、サービス目当てやから、よほど慎重に交渉せなあかんで。

もし、可能なら「今でしたら、こういうサービスをしていますが」と、その客の購読しとる新聞販売店と同等か上のサービスを提示してみることや。

それで、その客の本音がだいたい分かる。

あんたが、可能な範囲やと思えば交渉したらええし、あかんと思えば撤退することや。無理をするとろくなことはないさかいな。

ワシが言えるのは、だいたいこんなところやが、同じ「他紙を一紙とってるので十分だから、いらない」というのでも、言う客次第では、いろいろおるということや。

そして、勧誘する側の人間もいろいろやから、同じようなトークで攻めても同じ結果が得られるとは限らんというのもある。

また、人と人との間には相性というのもある。一瞥して、感じのええ人間やなと思われるのと、感じの悪い勧誘員やなと見られるのとではえらい違いやさかいな。

また、その逆に、勧誘員次第で、その客から受ける印象もそれぞれ違う。

ある者にとっては、「ええ客になる」という印象があっても、他の者には、「こら、あかんな」と感じることもあるということや。

それらを瞬時に見極めて、あんた自身が対応するしかない。

ただ、その見極めも、あんたの思い込みが強すぎると、判断を狭くしたり、見誤ったりすることにもなるがな。

勧誘する場合は、常に視野を広く持って、客にはいろいろなタイプが存在するという当たり前なことをしっかり認識しとくことや。

そうすれば、同じ言葉を投げかけられても、その対処は幾つもあると分かるはずやと思う。


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