新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.526 先カードについて
投稿者 S27さん 投稿日時 2008.2.16 PM 10:18
ゲン様、NO.524では有り難うございました。
大変、勉強になりました。頑張って営業して行きたいと思います。
また、相談です。
今月は、先カードを取りたがらないお客さまが多くて、なかなかカード取れないです。
先カードを勧めるのですが、他紙が夏に契約終了でも、もう少し待ってと言うばかりで先カード取れません。
先カードを待ってと言うのは、取りたくない可能性が高いですか?
やはり、景品が必要ですか?
回答者 ゲン
『今月は、先カードを取りたがらないお客さまが多くて、なかなかカード取れないです』ということやが、客の心理としては、そういう人の方が今は多いのやないかな。
確かに、一昔前までは、何年も先の契約までしている人は多かった。それには、新聞を購読すること自体が常識であり、生活の一部として定着していたということがあったからやと思う。
もちろん、今もそういう人は多いが、契約は慎重にしようという人が昔に比べて確実に増えとるのは確かや。
それまでは、新聞の購読契約などいつでも断ることができると安易に考えていたという人が大半やった。
また、勧誘員の中には、営業トークの一つとして「嫌なら、いつでも断ることができる」という意味のことを言うてる者もおるから、それを信じていたということもあった。
ところが、実はそうやないということを多くの人が知るようになってきた。それは、インターネットの急速な普及と無関係ではない。
実際に長期契約を結んでいる人が、それぞれの事情により解約する段になって、販売店から解約違約金を請求されて困ったというケースがネット上で多く見られるようになった。
新聞社の苦情センターや消費者センターあたりに相談しても、その理由が契約者の自己事由の場合は、取り合わないか、仕方ありませんねで済まされる。
このQ&Aでも、同じようなことをワシも言うてきた。新聞購読契約といえども契約は契約やから、正当な理由がなければ一方的な契約解除はできんと。
それらの情報をネット上で見られた人たちが、長期間の契約もそうやが、先付けの契約も控えるようになってきたということやろうと思う。
そして、それは客観的に見て正しい判断やということになる。
このQ&Aでも、その先付け契約でトラブルを招いた人には、次回からは気をつけるようにアドバイスもしとるしな。
『今月は、先カードを取りたがらないお客さまが多くて』というのは、それに加えて、現在の特殊な経済事情も反映しとるのやないかと考える。
ガソリンの値段の高騰や食品の相次ぐ値上げ発表なんかがそれや。特に食品なんかは深刻で、それぞれの家計を直撃する。
昔は物価が上がれば、それと同じように給料も上がったもんやが、今はそれも期待薄やし、ヘタしたら下がることさえあるのやないかと嘆く人もいとる。
リストラの危機も依然と根強いものがあるから、表立っての賃上げ要求がしにくいという話も良く聞く。
それならと安い物で済まそうとすれば、先のギョーザ騒ぎのようなことが起きて、それもし辛くなった。
安全な物には金がかかるという当たり前なことを知ることで、さらに経済的な不安が拡がっとるわけや。
そして、これが一番大きな要素やと思うことに、新聞の価値感の下落というのがある。
昔は、新聞の優先順位は高かった。新聞を購読するのは当たり前やという風潮が根強くあったさかいな。
ただ、その頃、皆が熱心に新聞を読んでいたのかというと、それは少し違う。正直、新聞を読んで活用していると言える人は、ええとこ2割程度いてればええ方と違うやろかという気がする。
新聞を購読してないことによる無教養、貧乏くさいという世間からの評価を避けたかったということが、その大きな理由やったと思う。
新聞の優先順位の高さはそれに起因していた。
しかし、今はそれが大きく変わりつつある。インターネットの普及に伴って、新聞でニュースを知る必要性が乏しくなってきたと感じる人が増えた。
それに伴って、新聞を購読していないことが必ずしも無教養、貧乏くさいとは言えん状況になってきたわけや。
しかも、そのニュースをインターネット上で流し、それを助長しとる張本人が新聞社なわけやから、その新聞を勧誘するワシらにとっては救いのない話ということになる。
それにより、家計を考えた場合、真っ先に新聞代に目を向ける人が当然のように増えたということになるのやからな。
『先カードを待ってと言うのは、取りたくない可能性が高いですか?』というのは、必ずしもそうやとは思わん。取りたくないのやったら他の言い訳を考えて言うはずや。
こういう言い方をすれば、当然やが、その勧誘員が再度、来訪するやろうなというのは誰にでも予想できることやさかいな。
せやから、単に、それらもろもろの事情により、慎重になっとるだけやと見た方がええやろうと思う。
あんたは相談文から、拡張員をされておられるようやから、それとして話す。
拡張員の場合は、その場での即決ということを重視しがちやが、その姿勢はぼちぼち改めなあかん時期に来とるという気がする。
もちろん、即決できるに越したことはないが、これからは、そうでない客も「見込み」として捉えることも大事やと思う。
『先カードを勧めるのですが、他紙が夏に契約終了でも、もう少し待ってと言うばかりで』という客が多いのなら、そういう客はリストアップしといて、その地域に入る度に、ご機嫌伺いという感じで顔出ししといたらどうや。
但し、そういう客には行く度毎に「契約してください」と言うのは止めといた方が無難やで。却って嫌がられる可能性が高くなるさかいな。
そうやなく「この近所までたまたま来ましたので、これをお持ちしました」と言って、映画や遊園地の割引券などの捨て材を持って行って、軽く雑談でも交わす程度にしとくことや。
そして、前回の回答でも言うたように、客に好印象を持って貰えるように努力する。
その会話の中で、契約してもええなという時期が、その客毎で自然に分かってくるはずや。
それを心がけとれば、そういう客が多くなればなるほど、あんたに好印象を持つ客も増えるということになるわけや。
それが、ええサイクルに嵌れば、自然にカードが上がるようになると考えるがな。
これからの拡張は、今までのように出たとこ勝負では正直、きついし、もう通用せんようになってきたと言うてもええと思う。
何でもそうやが、そのときどきの状況に合わせて、そのやり方を変えていくようにせなあかん。
『やはり、景品が必要ですか?』ということばかりを考えとったんでは、これからの展望はきついと思うで。
はっきり言うが、最早、拡材だけに頼った旧態依然とした拡張方というのには無理が生じてきとると考えてた方がええ。
中には、拡材を重視する客もいとるという程度にな。その場合は、できる範囲で対処すればええ。
ワシの推奨する「自己を売り込み、客に気に入って貰える努力」ということを中心に考えれば、自ずとその対処法も見えてくるのやないかと思う。
もっとも、あんたがそれと納得できん限り、どうしようもないことではあるがな。
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