新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.538 こんなに上手い話ってあるんですか?
投稿者 みっちょさん 投稿日時 2008.3. 9 AM 1:02
色々読ませて頂き勉強になります。
実は、昨日勧誘の方が来ました。いつもは、インターホンで断ってるのですが、昨日は、「新しいお店ができるのでご挨拶と粗品をお持ちしました」と言われ出てしまいました。
すると新聞の勧誘でした…。
男性の方が「今日は、お願いがありまして。詐欺とかじゃないですよ! 4月から朝刊のみなんですが新聞を入れさせて頂きたいんですよ。代金は、私が自腹で払いますので3ヶ月間だけ。その後は、ピタっと新聞も入りませんし、勧誘もしませんので」と言われました。
洗剤2つとギフトカタログ2冊を渡されました。
契約書には、触れていないのですが、名前と電話番号を言ってしまいました。印鑑は、押していません。
契約書期間20年4月から20年6月と書かれてます。他に複写には、なっていませんが「3ヶ月無料です」と書かれています。
近所の人にも営業所にも言わないでくださいと言われました。
こんなに上手い話ってあるんですか?
ギフトカタログのハガキも一週間くらいで出してくださいと言われましたが、裏がありそうで手をつけられません。
その勧誘の方が「あとで電話がかかって来ると思うので、支払い日の事で聞かれると思います。私の都合で悪いのですが、月初と言ってください」と言われました…。
結局電話は、ありませんでしたけど。
こういったケースで無料になると言うことは、あるのでしょうか?
6月以降の勧誘は、覚悟してます。笑
良かったら教えてください。お願いします。
回答者 ゲン
『こんなに上手い話ってあるんですか?』ということやけど、あんたのケースは、ええ加減な話やったとなる可能性の方が高いと思う。
通常、『代金は、私が自腹で払いますので3ヶ月間だけ』で間違いないのは、その場で、現金、もしくはその額に相当する商品券などを渡された場合くらいのものや。
それ以外では、後で持ってくるとか、集金日にその勧誘員が販売店に払うと言うたケースで、それが守られることは極めて少ないと思うてた方がええ。
これは業界では「後爆」と言われとるもので、後で大嘘やったということになる場合が多い。
このQ&Aにも『NO.482「無料にします」はウソでした』とういうのがあるが、これなんかもそのええ例やと思う。
ごくまれに『NO.342 後爆について』のように初めはその約束が守られていたというケースもあるにはある。
しかし、そのケースでも安心して、その後も同じことを続けていたら、やはり最後は騙されてしまったということになっとる。
まあ、普通に考えて、こんなことを言うて契約を取る人間は、複数の人にそれを持ちかけとるはずやから、そういうことになるのも当然と言えば当然なんやがな。
こんな契約の取り方でも、契約を買い取る販売店次第ではいくらか利益の出る場合もあるが、それにしても儲かると言うにはほど遠いと思う。また、こんなことが長続きすることもない。
当たり前やわな。タダで売って、しかも景品まで付けとるのやからな。
例え、その勧誘員が本当にその代金を支払うつもりになっていたとしても、儲からんのやから、したくてもできんようになるということや。
それに、こういう人間は、たいてい短期間のうちに辞めるかクビになると相場が決まっとるということもある。
こういう過剰なサービスで勧誘することを「置き勧」と言い、業界では最も厳しい禁止行為でもある。
これが発覚すると、その勧誘員が販売店の従業員やった場合は即刻クビになるし、拡張員なら、その販売店から入店禁止となるのは当然として、所属の拡張団からもクビを宣告されることすらある。
それがあるから、その勧誘員も『近所の人にも営業所にも言わないでください』と言うてるわけやけどな。
さらに言えば、あんたに約束した金を払うということは、他で約束した金も支払うということになる。
その勧誘員が、その販売店の従業員で集金も兼ねとるというのなら、あるいはそういうことも可能かも知れんが、それが拡張員やった場合は、その月毎に「お客から集金しました」また「新聞代を支払うよう頼まれました」と言うのは、いかにも不自然きわまりないことになる。
どんなアホでも、そうすれば、その販売店から疑われるというくらいのことは分かるからな。
疑われんようにするにはどうするか。
簡単や。その金を販売店に払わんといたらええだけのことや。あんたに言うたことは、とぼけて、控えに『3ヶ月無料です』とあるのも、書いたのは自分やないとシラを切るためやという可能性がある。
ヘタをすると、その『3ヶ月無料です』と書いたのも、あんたということにされかねんで。
常に、その危険と隣り合わせに、こういうことを続けとる勧誘員やと、平気でそうする人間も中にはいとるということや。残念やけどな。
せやから、あんたが、その勧誘員に新聞代を払って貰えることを期待しとるのなら、それは限りなく危ないことやと言うしかない。可能性がゼロということやないがな。
もっとも、信用するかせんかは、あんた次第やけどな。
ただ、一般的に言うて、その新聞代を支払ってくれんかったとしても3ヶ月契約で『洗剤2つとギフトカタログ2冊』のサービスを付けるというのだけでも破格やとは思う。
普通に新聞を購読するつもりなら、例えその新聞代をその勧誘員に払うて貰えんかったとしても、それほど損にはならんのと違うかな。
もっとも、それでも金を払うてまでその新聞を購読したくないと言われるのなら、契約を解除するしかないけどな。
この場合の契約解除は比較的簡単にできる。
『昨日勧誘の方が来ました』というのは、クーリング・オフの期間内ということがあるからや。
契約書を受け取った日から8日間以内に文書で、相手方の新聞販売店に通知すればクーリング・オフが成立する。
それ以外では法的効力はないものとされとるがな。
具体的には、郵便局に行って、内容証明郵便、配証明付きハガキ、簡易書留郵便ハガキで送付するというのが一般的や。
それについては『NO.144 クーリング・オフについて教えて下さい』 にその詳しい説明があるから参考にして貰うたらええ。
特に、ハガキで出す場合は、くれぐれもコピーを取っておくのを忘れんようにな。中には、そんなもの受け取ってないという販売店もあり、出した貰うてないと揉めることにもなりかねんからな。内容証明郵便なら、その心配は少ないけどな。
ただ、それらについての確実なことは近くの郵便局に行って確かめてほしい。昨年、民営化になったことでその種類により取り扱いの変わった郵便局もあるとのことやさかいな。
そうするには多少の費用はかかるが、クーリング・オフを希望するのなら仕方のない出費ということになる。
クーリング・オフをすれば確実に契約解除できる。貰うた物を返せばそれで終わる。
しかも、その理由を相手側に伝えることもない。ただ、気が変わったというだけでええわけや。
また、そのクーリング・オフ自体にクレームをつけ翻意させるような行為があれば、犯罪にも問われることがあるから、その面での心配もする必要はない。
実際に、その行為で逮捕されテレビで実名報道された新聞販売店の従業員がおったさかいな。
『NO.108 近所で販売店員が逮捕されました』 というのがそれや。
ただ、その費用がもったいないというのなら、まだクーリング・オフの期間に余裕があるから、その販売店に直接、契約解除の交渉をするという手もある。
但し、あんたの場合のクーリング・オフの期間は、3月8日が契約日やとしたら3月15日までがその期間内ということになるが、郵便局の受付窓口の関係で、実質上は3月14日の金曜日までということになる。
このクーリング・オフの文書は、それまでに相手側に届かなあかんということやなく、その文書を郵便局から送付した日が、その期間内やったらええわけや。
つまり、最悪、3月13日までにその販売店との間で合意解除ができれば、それが一番ええし、ワシもそれを勧めることが多い。
ただ、最悪、3月13日までと言うたのは、販売店の中には、何かと理由をつけてその解除に応じず、クーリング・オフの期間逃れの日延べを画策するケースもあるから、それまでに話がまとまらんようやったら、郵便局に行く日が必要になるからや。
待ってもそれまでということでな。
まあ、たいていは、クーリング・オフの期間内やったら「契約を解除したいので」と言えば、普通の販売店は応じてすぐ来るはずや。仕方ないことやとしてな。
その場合、貰った『洗剤2つとギフトカタログ2冊』を返したいと言えば、その販売店の人間が来るはずやから、そのときに、現在、持っている契約書の余白部分に「解約済み」と書いて貰えば、それですべて終わる。
その際、日付とその担当者名も書いて貰うのも忘れずにな。
それに難色を示すとか、すぐに来んようであれば、要注意ということになる。
その場合、3月13日まで待って、だめな場合は翌日の3月14日に郵便局に行ってその手続きをせんと契約解除はややこしいことになる可能性もある。
ただ、ここで、あんたが勧誘員に黙ってくれと言われとるのを気にする、あるいは後で何かあったら困るという心配をするのなら、販売店に言うのはどうかなとは思うがな。
合意解除となれば、クーリング・オフとは違うてその理由を聞くということもあるし、何より、あんたの控えにある『他に複写には、なっていませんが「3ヶ月無料です」と書かれています』というのを、やって来た販売店の人間は確認することになる。
それを販売店から来た人間に見つかれば、その勧誘員は、先にも言うたようにクビになる可能性がある。
もちろん、それは、あんたには関係ない話なんやが、それを逆恨みに思われるのやないかと心配される人が結構多いわけや。
ワシも、よほどでないと逆恨みして仕返しするような人間はおらんはずやとは言うてるが、100%大丈夫やとも言えん。今の世の中、とんでもないことをしでかす人間がいとるのも事実やさかいな。
それを心配されるのなら、金はかかるが、販売店に連絡をせずにクーリング・オフの書類を出せばええ。例え、その販売店から問い合わせがあったとしても「気が変わった」の一言で済むさかいな。
そうすれば、通常のクーリング・オフやから、その勧誘員の成績は取り消されるが、その勧誘員もあんたに言うたことがバレることもないから最悪のケースは防げるわけや。
それなら、逆恨みされることもないと思う。営業員として、クーリング・オフをされること自体は仕方のないことやさかいな。ありがちなことでもある。
他にも、クーリング・オフやなくても契約解除する余地があるにはある。
『契約書には、触れていないのですが、名前と電話番号を言ってしまいました。印鑑は、押していません』ということで、その契約書には、あんたの直筆での署名がないわけやから、それを理由にその契約は無効やと言える。
契約書の大原則は、契約者の直筆というのが不可欠やさかいな。
ただ、それやと、それをされたのが、あんたの目の前ということで、あんたの承諾を受けたからやと反論され揉めるケースも考えられる。
それでも、とことん争えば勝てるが、そういう面倒になるのが嫌なら、クーリング・オフでの解約の方が早いし確実やと思う。煩わされることもないしな。
せやから、これは今のあんたには、あまり考慮せんでもええのやないかなという気がする。
結論として、その勧誘員を信用してそのまま、その契約を続行するか、販売店に契約解除を伝えてその手続きをするか、もしくは、クーリング・オフの通知を出すかという、いずれかの選択ということになる。
どれを選択されるかは、あんた次第やから、良う考えて決められたらええと思う。
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