新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.542 勧誘員として無理に働かせられている彼氏を探しています!
投稿者 mie さん 投稿日時 2008.3.23 AM 11:09
はじめまして。いままで誰にどう聞けばいいのか分からなくて何年も過ぎてしまいましたが彼氏を探しています!
今から3年半ぐらい前、お金の事で不義理をしたとかで勧誘員として無理に働かせられていると本人から連絡があったのですが探す方法はないでしょうか?
何でも監視がついていて自由な行動がとれないとの事でしたが…
それからのち、一年後ぐらいに事情があり私の携帯番号が変わってしまい、それきりになりました。
働かせられているのは、Y新聞としか分かりません…
本人から連絡あった時の話では、その時に所持していた携帯は、取り上げられ財布も中味を抜かれ小銭しか持っていないとの事でした。
警察の捜索願は、彼の家族が出したらしいのですが成人している人がいなくなっても事件性がないと動いてくれないみたいです。
回答者 ゲン
あんたの話どおりとしたら、これは、ちょっとした事件やで。
『金の事で不義理をした』というのが、どういうことなのか良う分からんが、おそらく『勧誘員として無理に働かせられている』という拡張団に借金があるということなのやろうと思う。
あるいは、その借金を踏み倒そうとして逃げたところを捕まったというのも考えられる。
例え、そうやとしても『その時に所持していた携帯は、取り上げられ財布も中味を抜かれ』た上、『監視がついていて自由な行動がとれないとの事でした』というようなことが、この法治国家である日本で許されるわけがない。
これは、強盗及び監禁罪にも該当しかねん刑法上の立派な犯罪行為や。
これに類似した金銭のトラブルは昔から良う聞くが、その被害者である彼氏が、あんたに言うたとおりの仕打ちを受けてたのなら、「おおそれながら」と警察に訴え出れば、それに関わった者は、強盗及び監禁罪で逮捕される可能性すら考えられる。
当事者にとって、借金をしている、あるいはその金を持ち逃げしたというのは大きなことかも知れんが、それよりも『その時に所持していた携帯は、取り上げられ財布も中味を抜かれ』た上、『監視がついていて自由な行動がとれないとの事でした』ということの方が、はるかに重大事件なわけや。
借金の返済を要求する方法は法律に定められているし、金を持ち逃げしたということで制裁したいのなら『業務上横領罪』などで訴えれば済むことや。
いずれにしても、その彼氏の雇い主は法的制裁をするしか道はないわけで、それをこういう私的制裁をすれば、当然やけど違法行為に問われ、それなりの罰を受けなあかんということになる。
借金があるから何をされても仕方ないということはなく、我慢する必要などさらさらないと、この手の問題で困っとる人間には、いつも言うてる。
法律は、その借金の返済のために身柄を拘束するのは禁じとるし、給料からも一定額以上の返済金を支払わせることも認めてない。
せやから、本人が嫌なら、そういう拘束から堂々と逃れることができるわけや。
もちろん、返さなあかん借金については返済義務はあるが、それは別の問題になる。その返済要求は法的手続きに則ってせなあかん。
これは、相手がヤクザであろうが、どんな組織であろうが怖がることはない。
ワシの知る限り、こういうケースで警察に駆け込むか、あるいは弁護士などに相談した場合、大半はそれを強制した側の罪の方が重いということで、その本人が助かることが多い。
ただ、そうするかどうかは本人次第やけどな。
借金していることで負い目を感じていて、それを返されへんうちは、その仕事を辞めることができんと考えるのは普通にあると思う。
特にこの業界で、昔から借金で人を縛るということが多かったのも、その心理を利用してのことやさかいな。
つまり、そういう状況やったとしても本人が嫌で逃げ出して訴えん限り、違法性を問うことはできんということや。
そして、ワシもその彼氏と同じ拡張員やから分かるが、逃げ出す云々は別にしても、まったく外部と連絡が取れんというのは考えにくいことやと思う。
どこかの隔離された飯場(鉱山・土木・建築工事などの現場近くに設けられた、労働者の宿泊所)のような所に監禁されて働かされとるというのなら別やが、それは新聞勧誘の仕事に限って言えばあり得ん。
新聞勧誘というのは、広範囲な地域で不特定多数の人に勧誘する仕事や。いくら監視するというても、一人に対して四六時中監視の目を光らせるというのは物理的にも難しいし、そこまでするメリットが、その雇い主にはないはずや。
この勧誘の仕事で自由の利かん状態として考えられるのは、二人以上のグループで勧誘する「連勧」と呼ばれる形態で営業しとる所くらいやと思うが、それにしても、その仕事以外の時間まで監視するというのは、それをする人間にも大きな負担を強いるということになる。
あんたの話やと少なくとも、そういう状態が1年は続いていたということになるが、普通に考えて、その気になりさえすれば、あんたや身内、あるいは友人、知人に窮状を訴え助けを乞うことはできたはずやと思う。
つまり、ワシが言いたいのは、その彼氏は、その状況を仕方ないと考えていたか、あるいは納得してそうしていたとも考えられるのやないかということや。
もっとも、まったく自由もないほどの過酷で困難な状況に置かれていたか、恐怖心もあって仕方なく従っていたのかも知れんから、そう決めつけるわけにもいかんがな。
ただ、現在、あんたと連絡が途絶えた原因は、『それからのち、一年後ぐらいに事情があり私の携帯番号が変わってしまい、それきりになりました』ということが一番大きいやないのかなと思う。
『警察の捜索願は、彼の家族が出したらしい』ということやが、あんたはその家族と連絡は取れるのかな。
取れるのやったら、その連絡がないか聞いてみたらどうや。もしあれば、それであんたの心配も解消されるはずやと思う。
その上で『探す方法ないでしょうか?』ということなら、ないこともない。確実とは保証できんがな。
新聞の拡張員でも、彼氏の所属してた全国紙には拡張員の登録義務というのがある。
もっとも、これの登録義務は首都圏に限られたことやけど、他地域でも形式的に行われている所も多いから、その情報を持つ『新聞セールス近代化センター』及び『新聞公正取引協議会』に問い合わせてみれば、その情報が得られる可能性はある。
ワシの個人的な意見としては、あんたの彼氏のケースなら『新聞セールス近代化センター』よりも、その地域に近い『新聞公正取引協議会』に連絡をして聞いた方がええのやないかと思う。
そこで聞く際には、何かもっともらしい口実を考えといた方がええかも知れんな。個人情報保護法というのもあるので、そう簡単には教えてくれん可能性もあるさかいな。
他には、その地域のY新聞の支社の販売部に直接問い合わせてみるという手もある。
彼氏が勤めていたという拡張団の名前でも分かれば、それで探すということもできるかも知れん。
後は、可能性は低いかも知れんが、当HPは、業界関係者の中では、そこそこ有名やから、その彼氏がこのQ&Aのこのページを見るということも考えられる。
そして、その彼氏が、この相談をしたのがあんたやということに気づいて、ここに連絡をしてくるようなら、それをあんたに知らせることは可能や。
但し、それは何とも言えんことやさかい、あまりアテにされても困るがな。
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