新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.545 社宅ルームクリーニング代は自己負担?
投稿者 マサさん アルバイト配達従業員 投稿日時 2008.3.28 PM 5:17
ゲンさん、ハカセさん宜しくお願いします。
アルバイトで朝夕刊配達をしている者です。
住居は採用決定後に私が希望した物件の部屋に住ませてもらってます。敷金・礼金と引越し代は募集要項通りに販売店が負担、火災保険は自己負担、家賃は全額を給料から天引きされます。
尚、契約者は販売店です。勤め始めて間も無く一般従業員に「辞める際にはルームクリーニング代を請求される」との話を聞きました。金額は10万円前後から中には40万円も請求された例もあると。
面接や引越し翌日の打ち合わせでは退去時の説明は全くありませんでしたので余計に不信に思い所長に説明を求めました。
「1〜2万円程度だよ…」との曖昧な回答。しかも事前に説明をしない点にも一切悪びれる事もなく、釈然としませんでしたが、知識不足で下手に追求をしても逆手に取られると思い一旦陣を引きました。
私は引越して直ぐに不動産屋から契約書を送付する旨を申し出て取り寄せました。契約書の特約事項に「ルームクリーニング代を借主に請求」と記載がありました。
所長と不動産屋が結託しての契約内容であるかは定かではないですが疑いたくもなります。
尚、契約書は任意で取り寄せたもので私が申し出なければ控えすら送付されなかったでしょう。また契約書が送付されるのに2週間も掛かった事も含めて不動産屋の対応は不自然に感じました。
また事前に不動産屋及び販売店から契約書の内容を双方が確認する様な場は設けられませんでした。私は過去に何件かアパート・マンションを賃貸しましたが退去時にルームクリーニング代を請求された前例は一切ありません。
このルームクリーニング代、新聞販売店では慣習的な事なのでしょうか?
ちなみに最近の具体的な例です。辞めた従業員が最終月の給料を受け取りに来たところ給料から多額のルームクリーニング代が天引きされ半月稼働したにも係わらず受給額は僅か3万円。
「お前が(部屋を)使って汚したのだから」と所長は言ったらしいです。また短期間で辞めた従業員には入居初期費用を返す様に求める(対象となる期間の定め・天引きされた等の実績は不明)との噂もあります。
新聞販売店従業員はルームクリーニング代や事前説明なき入居初期費用の返還及び支払いにも応じなければならないのでしょうか?
確かに出入りが激しく新人が入る度に入居初期費用(入れ替えのタイミングにもよるし全て新規契約とは限りませんが)や引越し費用の販売店は負担は大きいでしょう。
それでも採算が取れるシステムが構築されているので各販売店が実施しているとは思いますがいかがでしょうか?
また、そのペイラインは明確になってるのでしょうか?
例えば新聞社本体から助成金が出るから採算取れるとか、新人1名の入居初期費用等はその従業員が半年間勤続すれば元が取れる、等の具体的な話があれば教えて頂きたいですのが。
思うに引越し代は販売店が負担、販売店によっては日払い制度もあるから最後の給料は最低限で構わないだろ、との考えが多かれ少なかれあるのではと推測します。
私は他に目的があって新聞配達をしており「新聞販売店で一人前に…」等の考えは一切ありません。
自己の目的を果たした段階で速かに辞めるつもりです。また目的に果たすまでは私から辞めるつもりはありませんし、当然ながら他の販売店に移る等の考えも今はありません。
今は目的を遂げ準備を整えるまでの我慢、排除の対象にはならない様に人畜無害を装ってはいます。今回の件、面接時に詳細確認を怠った自己責任と言われたらそれまでです。
しかし、募集要項の敷金・礼金・引越し代は当社負担という甘い文句で最後には半ばその費用を充当するかの如くルームクリーニング代と名目を変えて負担させるのはいかがなものかと思います。
私が然るべき手段で然るべき制裁を、と言えば大袈裟かもしれませんが、私がアクションを起す事で後続者の労働改善が些かでもできればと思います。
基本的には自分は非合法な手段ではなく合法的な手段を講じるつもり、費用や時間を費やすのは厭わない覚悟です。
それには、先ずは専門事情を熟知しない事には論破出来ないでしょうし、新聞販売店業界を知り尽くすゲンさんのご意見を聞かせて頂きたいと思います。
もしかしたら「事前に詳細を確認しなかった自己責任や」「弁護士雇って訴訟を起こせばいいやろ」と思われるかもしれないですね。
上記の二点については十分認識しておりますので事情通ならではのご意見を聞かせて戴けたらと勝手ではありますが思ってます。
最後に文章にまとまりがなく長文になってしまった事、申し訳ないです。お返事お待ちしております。
回答者 ゲン
『このルームクリーニング代、新聞販売店では慣習的な事なのでしょうか?』というのは、その販売店、もしくはその周辺の販売店ではということやないのかな。
このサイトには日々、全国から多くの販売店関係者からの情報が寄せられるけど、他でそういうのは聞いたこともないさかいな。
少なくとも、ワシらの方ではないと思う。
『新聞販売店従業員はルームクリーニング代や事前説明なき入居初期費用の返還及び支払いにも応じなければならないのでしょうか?』というのは、ケース・バイ・ケースやないかな。
明らかに、その入居者の不注意による傷や汚れなどがあれば、それに対して損害賠償請求されるということは考えられる。それを「ルームクリーニング代」と称しとるのなら、そういうことなのかも知れんな。
但し、『辞めた従業員が最終月の給料を受け取りに来たところ給料から多額のルームクリーニング代が天引きされ』というのは、許される行為やない。
給料は給料として、ちゃんと渡さなあかん。その上で、必要な損害賠償額なら、別途請求するべきものや。
たいていは話し合いか、もしくは裁判により決められる。
勝手に給料から差し引いて徴収することはできん。そういうことがあれば、管轄の労働基準局へ訴えたらええ。その販売店は、きつく指導されるはずや。
しかも、そのルームクリーニング代が『金額は10万円前後から中には40万円も請求された例もある』というのは、常識ではあり得んことや。
ワシは、昔、リフォームの会社を経営していたこともあり、大家からそのルームクリーニングを請け負っていたこともあるが、1ルームから2DK程度までやと、ええとこ1万円前後しか貰えんかったと記憶しとる。
もっとも、ワシの場合は大阪やったが、地域により相場が違うにしても、せいぜい貰えても2万円程度やと思うで。
その販売店の所長が『「1〜2万円程度だよ…」との曖昧な回答』をしたというが、その辺りでも、それが実際の相場やないのかな。それ以上のルームクリーニング代は、法外やと思うがな。
それが、10万円以上かかるというのは、壁紙張り替えや畳の入れ替え、絨毯の敷き直しといった、よほどのこと以外は考えられん。
さらに、40万円ということになると、キッチン、ユニットバス、トイレの入れ替えをするくらいやが、普通に生活してて、入居者がそれを負担せなあかんというのは考えにくいわな。
但し、故意による破損ということも考えられるから、そういうケースやとそのくらいの損害賠償というのもあるかも知れん。
しかし、それにしても、その所長が勝手に判断できることやない。
その入居者がそれで納得するか、もしくは裁判で、その賠償額が認められた場合のみにしか許されることやさかいな。
『私は引越して直ぐに不動産屋から契約書を送付する旨を申し出て取り寄せました』ということやが、よくその不動産屋がその契約書の送付に応じたもんやなと思う。
その部屋の契約者は『契約者は販売店です』ということなら、その不動産屋とあんたとは何の関わり合いもないことになる。
『また事前に不動産屋及び販売店から契約書の内容を双方が確認する様な場は設けられませんでした』というのは当然やと思う。契約上、あんたは第三者ということになる。
その不動産屋としたら、あんたから何の承諾も確認も必要とせんわけやからな。あくまでも物件を貸している相手は販売店であって、あんたではないわけや。
それもあり、普通はあんたの要求は拒否すると思うのやがな。契約書自体は、販売店にもあるのやから、それに応じる義務もないわけや。必要なら、それを確認してくれと言えば済む。
おそらく、あんたからの要望は、販売店からのものか、もしくは販売店も承知やと勘違いしたのやないかな。それで、単にサービスとしてそうしたのやろうと思う。
こういうケースを知り合いの大家に聞くと、寮として貸してある物件の場合は、そういう要望があった場合、たいていはその契約者、この場合は、その販売店に確かめるか、その意向を聞くとのことや。
あんたの場合は、それはなさそうや。あれば、その販売店の所長が、あんたに何か言うてるはずやしな。
その不動産屋とやらが、それをしてないということは、その販売店ともあまり親しい関係にないとも考えられる。
そうであるなら『所長と不動産屋が結託しての契約内容であるかは定かではないですが疑いたくもなります』というのもないと思う。
『契約書の特約事項に「ルームクリーニング代を借主に請求」と記載がありました』というのは、考えられることや。
ワシらの方では、敷金・礼金などの初期費用が一切いらん代わりに、この「ルームクリーニング代」と称して10万円前後の費用を取る所が結構多い。
そこがどうなのかは知らんが、そういう特約があっても不思議やないとは思う。
あんたは『家賃は全額を給料から天引き』と言われとるが、その家賃は、そのままなのやろうか。もし、そうなら、それに関して言えば、その販売店は良心的やと言える。
ワシら拡張員は、そういうわけにはいかん。
そのことについては、『拡張員になる者』の中でも言うてる。その部分を抜粋する。
新聞の拡張団は新聞の勧誘をして収入を得るだけと思うやろけど、それだけやない。誰でも雇うのはそれだけの理由がある。
分かり易く言うと、団にとっては拡張員そのものが客になるちゅうことや。団はマンションやアパートを用意しとる言うたが、何もただで住まわせるわけやない。しっかり、金は取る。
団によって格差はあるが、だいたい家賃、光熱費の実費の倍くらいが相場やろと思う。物件を持たずに大家になっとるようなもんや。
えぐいようやが、それが実態なわけや。
あんたの言うように『確かに出入りが激しく新人が入る度に入居初期費用(入れ替えのタイミングにもよるし全て新規契約とは限りませんが)や引越し費用の販売店は負担は大きいでしょう』というのもあるし、すぐ逃げ出す人間もおるから、そのままやったら大赤字になると考えるということや。
『それでも採算が取れるシステムが構築されているので各販売店が実施しているとは思いますがいかがでしょうか?』というのはないはずや。
単に、その辺りの求人広告にそれを謳っているケースが多いから、それやないと人が集まらんということで、そうしとるだけやと思う。
その証拠に、ワシらの方やと、あんたのように特別に物件を探して借りる場合、入居初期費用は、その従業員に貸し付けるというのが一般的やさかいな。つまり、借金になるということやな。
販売店が、寮として所有している物件に入居する場合の寮費は、光熱費込みで、たいていは実費以上やということや。
その点で言えば、あんたの方がまだ恵まれとると思う。
『また、そのペイラインは明確になってるのでしょうか?』というのも、ないはずや。
『例えば新聞社本体から助成金が出るから採算取れる』というようなものも聞いたことはない。
まあ、普通に考えて、新聞社にとって、形式上、販売店は他企業なわけや。そこが、従業員を雇うのに新聞社が助成金を出さなあかん、いわれはないわな。
新聞社から、販売店にでる助成金というのは、あくまでも新聞を販売するためという名目がある。実態は、押し紙のための補填やと言う者が多いがな。
いずれにしても、新聞社からの助成金は、マイナスがあることへの補填なわけで、従業員を雇えば、結果として、その販売店の利益にちながるのやから、どう考えても、そんな助成金は考えられんわな。
ただ、あからさまやないにしても、新聞奨学生を雇えば、それに対しての便宜的なものはあるとのことや。それ以外ではないと思う。
『事前に詳細を確認しなかった自己責任』というのは、あまり関係ないやろ。初めに労働契約を交わしとるはずやから、労使条件などはそれに記されている。
それに違いがあれば争えるし、なければ、それに従うしかないということになる。
それに、どんなに確認していても、口頭でのものはアテにはならんしな。必要なことは文書で残すしかないと知っておいてほしい。後に争いの材料にするのなら、尚のことやと思うで。
『弁護士雇って訴訟を起こせばいいやろ』というのは、あんたのケースで言えば、その弁護士を雇う必要は少ないと思う。
あんたが、訴訟を起こすとすれば、最後の給料から、その「ルームクリーニング代」とやらを差し引かれた場合のものやと考える。
それなら、少額訴訟で十分や。
因みに、それの方法については『NO.515 代金を回収するのは不可能ですか?』 の中で詳しく説明しとるから、それを参考にしてほしい。
これなら、あんた一人でもできると感じるはずや。もっとも、弁護士を雇うたら悪いということやないから、最終的には自分で判断してほしい。
最後に、訴訟まで考えておられるのなら、そのための証拠はしっかり集めとくことや。まあ、あんたなら、そのくらいのことは分かっておられるとは思うがな。
書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』好評販売中