新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.554 拡材のポイント制について


投稿者 H.Sさん 新聞販売店専業員 東京在住 投稿日時 2008.4.12 PM 5:18


私の勤めている店では、拡材ポイント制を導入しています。

これは自己負担がきついのですが、無理はしませんとは言えない雰囲気と相俟(あいま)って、結構赤字が膨らみやすいです。

店は部当たりの拡材費を計算しやすいから、計画的な経営がしやすくていいのでしょうが、店員からしたら、結構しんどいです。

店員の中には、「そんなの関係ねぇ!」って感じで、ポイント浮かしまくりで、+ポイント分を給料にて支給されていて、店の為にとはこれっぽちも考えず、割り切っている人も、少なからずおります。(店長はそんな人をまともに相手にしない)

ゲン様はこの拡材ポイント制について、どう思われるのでしょうか。

区域差もあるので、荒れた区域とそうでもない区域で、拡材ポイントの+−に、かなり不平等があるような気が私にはするのですが。

実際の使用拡材ポイントが基本を下回れば+、上回れば−となり、締日までの間のトータルが+ポイントであれば、カード料とは別にTポイント当たり数百円が給料にて支給され、逆の場合は、その分が差し引かれます。

拡材のポイントは、品物によってそれぞれ違います。安い物で0.5ポイント。高い物になると10ポイントというのもあります。

よろしくお願い申し上げます。


回答者 ゲン


『ゲン様はこの拡材ポイント制について、どう思われるのでしょうか』ということやけど、どうもそちらの方では、そういうのが主流のようやな。

ワシらの方では、そういう拡材ポイント制を導入しとる販売店はないと思う。あまり聞いたことがないさかいな。

そもそも、ワシらの方では、拡材というのは、販売店が用意するもので、拡張員は決められた上限は絶対守らなあかんとされとる。それは、店の専業が勧誘する場合であっても同じや。

ワシら拡張員は、販売店が決めた拡材をオーバーした場合、その契約が取り消される可能性があり、最悪の場合、それをした本人の出入り禁止ということもある。

このQ&Aに『NO.514 何とかなんないでしょうか?』というのがあるから、それを見て貰うたらよく分かると思う。

この相談者は東海地方の拡張員の方やったが、客に洗剤を2個余分に渡しただけで、そう宣告されたということや。

確かに、そのケースは行き過ぎやと思わんでもないが、別の見方をすればやむを得んことやとも言える。

どんなことであれ、決まり事は守らなあかん。最初からそれと知っていたわけやからな。決まり事を破ると何を言うても立場も弱く負けになる。

世の中とは、そうしたもんや。

ワシらの方の販売店の多くでは、出入り禁止にならんまでも、その契約の格落ちにはなると思う。どういうことかと言うと、1年契約の場合やと6ヶ月での契約として、引き継がれる(契約の買い取り)わけや。

それには、拡張員への見せしめ的なペナルティというのと、拡材の実質的な損害、および今後のその客との補填のためという意味合いがある。

因みに、従業員がそれをして発覚した場合、軽くて減給、ヘタをすると解雇まであるというさかいな。

それくらい、ワシらの方では拡材の上限には厳しいわけや。

その客の留め押しをする際、客は当然、契約時と同等のサービスを要求する。ところが、拡材の上限を守ることに固執しとる販売店が多いから、当然のようにそれを嫌がる。

最悪、揉めて契約がつぶれることもある。販売店が折れて契約延長した場合は、さらに損害が続くことになる。そう考える販売店が多い。

そういう販売店の多くは、なるべく例外的な客は作りたくないと考えるのが普通やから、そうなりやすい。

一つの例外はさらなる例外を呼ぶさかいな。補填のためというのは、そういう意味がある。

そういうこともあり、拡材厳守が当然やから、それのオーバーを認めるような、あんたの言う拡材ポイント制というのは、こちらでは考えられんということや。

『店の為にとはこれっぽちも考えず』というのが理解しがたいのやけど『ポイント浮かしまくり』というのは、拡材の使用を押さえた結果ということなのやろうと思う。

それが何で『店の為にとはこれっぽちも考えず』となるのやろうか。

ワシらの方では、拡材の使用を押さえて契約を取るというのは、能力があると評価されるがな。販売店にとってもありがたい存在やとされる。店のためにもなると思う。そう考える販売店が圧倒的に多いはずや。

それを『店長はそんな人をまともに相手にしない』というのは、どういうことなのか理解に苦しむ。

『自己負担がきついのですが、無理はしませんと言えない雰囲気』で、拡材の使用量が増えるのが当たり前やということの方が、よっぽどおかしなことやと思うんやけどな。

ただ、そちらの拡張の激戦状態というのは、ワシらの想像をはるかに超える過酷なものやというのは何となく分かる。それを裏付ける報告や情報も数多く届くさかいな。

客の方でも、少しでも条件のええ所と契約したいということで簡単には契約に応じんという話もよく聞く。

部数確保が第一と考えとる販売店では、契約をより多く確保するためには、拡材を多く渡すのはやむを得ないと判断するのも理解できる。

しかし、その負担分を従業員に押しつけるかのような、拡材ポイント制というのはあまり感心せんな。しかも、それを積極的に煽っている風さえあるようや。

『自己負担がきついのですが、無理はしませんとは言えない雰囲気と相俟(あいま)って、結構赤字が膨らみやすいです』というのにそれが集約されとると思う。

言えば、その販売店は契約ほしさのために拡材超過は容認するが、責任や負担は従業員個人が負えと言うてるわけや。

あんたも、うすうすその異常性には気づいておられるとは思うが、人は、その中におるとそれに慣れ、あるいは感化され、端から見ればおかしなことでも、それと認識せず当たり前なことやと考えるということが往々にして起きる。

そのために、拡材の基本(上限)を守っている人に対して『店の為にとはこれっぽちも考えず』と断じ、『店長はそんな人をまともに相手にしない』ということになるのやろうと思う。

実際、拡材の基本(上限)を守っている人が店のことを考えとるかどうかというのは、ワシにも分からんが、結果的には、店のためになっとると思うし、ひいては業界のためにもなっとると考えるがな。

前回の回答でも言うたが、現在、新聞社の多くは、そういう異常な状況を苦々しく捉え、なくしたいと考えとるというのはほぼ間違いない。

その状況を放置したままやと、いずれは我が身にまでその火の粉を被って火事になりかねんさかいな。

火事にならんためにはどうするか。簡単なことや。その火の元、火の粉を消せばええ。

その火の粉には「もう燃えるなよ」と口で言うても無駄やから、水でもぶっかけて消すしかない。

例え、今までその火の粉に、もっと燃えるようにと煽っていたとしても、放火犯の汚名を被りたくなければ、そうするしかないわけや。

つまり、そういう真似を続けとる販売店を切る、つぶせと新聞社が考えたとしても何の不思議もないということになる。

ワシからすれば、そちらの状況は、それくらい末期的で危険やと映るのやけどな。

もちろん、賢い販売店の経営者の方も東京には多く、そういう方々は、きちんと決まり事は守るようにされとるから、そういう愚挙は謹んでいるというのも事実としてある。

東京、関東といえどもすべてが、あんたの所と同じということやないわけや。上は、そういう事実は下には隠すやろうけどな。他でも皆、同じことをやっていると。そうせな、やってることの正当性が揺らぐさかいな。

一般論として、そういう所の従業員へのトップからの通達や話には、ときとして真実が隠されるということがある。

その具体的なことは、まだ言えんが、近い将来、あんたにも、その意味が分かるときがくると思う。

前回で言うたことを繰り返すけど、その販売店のやり方には、あまり同調せん方が無難やで。少なくとも、あんた自身が納得できん事にはな。


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