新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.560 違約金を払う必要ありますか?


投稿者 sa さん  投稿日時 2008.4.20 AM 5:55


こんばんわ。はじめまして。

私は新聞を2年読んでました。ですが引っ越しをしないといけないため新聞はとれません。

ですから某新聞社に電話した所「解約? 困ります。解約したいなら違約金かかりますよ。3年契約やから」と言われました。

正直2年前に契約したため3年契約なんて言われたのは覚えてないです。しかも契約書もらってません。

この場合違約金はいくらくらいかかりますか? あと払う必要ありますか?


回答者 ゲン


『この場合違約金はいくらくらいかかりますか? あと払う必要ありますか?』ということやけど、あんたの場合は、そんな違約金みたいなもの払う必要は一切ないし、解約するとか、せんというような次元の話でもない。

心配せんでも、引っ越しと同時に自動的に契約解除になる。

但し、それは、その販売店の営業エリア外への引っ越しの場合に限られるがな。

一般論として、他府県、遠方の市町村の移転の場合なら、まず問題はないと考えてええ。同市町村内、近場への引っ越しの場合は、それに当て嵌まらんケースもあるがな。

新聞の購読契約というのは、その販売店と契約者の間のみで有効なものや。

事、購読契約に関しては、新聞社は関係ないというのが、公の立場やさかいな。つまり、あんたは、新聞社とは購読契約を交わしてないということや。

あんたは『某新聞社に電話した所』と言うておられるが、新聞販売店への誤りやと思う。新聞社が、そんな『解約? 困ります』ちゅうなことを言うはずがないさかいな。また、言える立場でもない。

新聞社が言えることは、せいぜい「その販売店と話し合ってください」という程度や。

新聞社と新聞販売店は一体という風に考える一般の人は結構おられるが、組織上は、まったくの別企業、別会社ということになっとる。

メーカーと小売店という関係やと考えたら分かりやすいのやないかと思う。小売店である販売店が、メーカーである新聞社から新聞を仕入れ、それを販売、配達しているということになる。

そして、その新聞の販売、配達には制約が設けられとるのが、この業界なわけや。

宅配制度というのがそれや。その営業エリア、配達範囲というのが厳格に決められとる。それを越えて営業することも配達することも許されとらん。

あんたの引っ越し先にもよるが、その販売店の営業エリア外やった場合、新聞の配達は、実質、不可能ということになる。

新聞購読契約というのは、契約者は、その期間、その代金の支払いをする義務が生じ、販売店は、その期間、遅滞なく新聞を配達する義務を負うものとされとる。

そのいずれかが守られん、できんという状態になれば債務不履行ということになる。

つまり、配達することができんようになるわけやから、必然的に債務不履行になり、契約は消滅し解除となる。

但し、あんたの方にも、不可抗力とはいえ、その契約が守れんようになるのやから、その契約を守ることを条件に貰うた、景品類やサービス品は返さなあかんことになる。

契約が解除されると、お互い、その契約以前の状態に戻すということが必要になる。これを、原状回復義務という。民法の決まりとしてそれがある。

まあ、これに関しては、その法律云々を持ち出すまでもなく、約束が守られんようになったわけやから、その約束を守ることを条件に貰うた物は返すべきやわな。

その景品の種類によっても違うてくるが、通常、同じ商品なら買うて返せば問題ない。もしくは、それに相当する金銭での返還ということになる。

しかし、一般論としてはそうやが、あんたの場合は、それすら返す必要性は少ないのやないかと思う。

その販売店の主張するように3年契約やったとしても、すでに2年購読しとるという場合、通常は、それを返せと要求する販売店はない。返還請求がなければ、当然やが、返す必要はない。

また、請求のある場合でも、『正直2年前に契約したため3年契約なんて言われたのは覚えてないです。しかも契約書もらってません』ということなら、その契約書のコピーを請求して持ってきて貰い、それが納得できたら、その期間の割合分、つまりこの場合、3分の1の景品分の返還で十分やないかと思う。

その契約書を持って来ない場合、また、持って来てもその契約書に覚えがなければ、拒否するのは自由や。そもそも、契約書を渡してないという段階で、その販売店の落ち度は高いわけやし、契約自体、正当に交わされとったか怪しいもんやさかいな。

ただ、物品の景品の場合は、それでええが、無代紙と言うて、新聞代の無料期間がある場合には、少しややこしくなる。

もし、そういうケースなら、また別途に連絡してほしいと思う。ここで、一緒に説明するとややこしくなるさかいな。その場合は、不明の契約書のコピーは必ず必要やから、その販売店から貰うとかなあかんで。

今回は、品物を貰ったケースとして続ける。

その販売店が、あくまでも、解約違約金を請求してくる場合は、それを拒否すればええ。そんなことは、どんな法律を持ってしてもできんことやさかいな。

そういう販売店のことをワシらの方ではヤカラ(無茶なことの意)と言う。相手にする必要すらない。そのまま、無視して引っ越せばええ。もちろん、引っ越し先の住所なんかも教えん方がええで。

あんたは、すっきりとした形で引っ越しをしたかったのやろうが、わけの分からんことを言うてくるヤカラの場合は、運がなかったとあきらめることや。そんな人間とどんな話し合いをしても無駄やさかいな。

この業界では、法律以前の問題として、急な引っ越しと独居購読者の死亡は、あきらめな仕方ないという不文律があるから、そんなことを言うてくる販売店の方が極端に少ないのやがな。

おそらく、今回、その販売店の人間がそう言うてる背景には、あんたに引っ越し先の販売店と継続契約を交わさせる目的があるのやと思う。

たいていの契約書の裏面には、おしらせ事項として「お引っ越しの際」というのがある。

それには「お引っ越しの期日、新住所が決まりましたら当販売所までご連絡ください。当販売店から新住所担当の販売店に連絡します」という内容のものが書かれとるはずや。

販売店の中には、それを法律の決まり事として勘違いしとる所がまれにあるという。それを盾にとってその継続契約を迫るというケースがあると聞く。契約書に書かれとるのやから守れとな。

しかし、これは、単なるお願い事なわけや。あんたが、それを望まなければ、先に説明したような理由で拒否できる。それについての法的拘束力や根拠は一切ない。

但し、あんたがそれを認めたら、その限りやない。どんなものでも、納得して認めれば契約として成立するさかいな。

それが狙いなら、その販売店がそう言うのも分からんでもない。もっとも、それなら、頭から「解約? 困ります。解約したいなら違約金かかりますよ」ちゅうなことは言うべきやないがな。

結論として、まず、その販売店には、急な引っ越しによる契約解除を通告することや。継続契約が嫌なら断ればええ。

その上で、最初に貰った景品分の返還請求があった場合、それについて話し合って折り合える線で返還に応じたらええと思う。

あくまでも、話し合いにならず、平行線なら相手にすることはないから、さっさと引っ越せば終いの話や。あんたの方に、それ以上、誠意を尽くす必要は何もないからな。

あまり、それで揉めるようなことがあれば、また連絡してくれたらええ。いくらでも、その対処法はあるさかいな。


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