新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.563 支払わないとダメなんでしょうか?
投稿者 9さん 投稿日時 2008.4.25 AM 4:41
始めてメールします。3月に新聞の契約をした時のことなんですが…
拡張員の方がうちに来られ、『君、町内会費を払ってないよね? それで、一応大家さんに一部負担してもらってはいるんやけど…、地域の親睦とかもあって、マンションの人みんなに新聞取って貰ってるんや』と言われました。
私は1月に自立したばかりで、まだ何もわからなかったので、その言葉を信じ契約しました。
ですが、先日大家さんと話す機会があってこのことを話すと、「そんな話はない!!」と言われました。
今、現在解約の話は進んでるのですが、本来サービス期間である2ヶ月分は支払わないといけないと言われました。
ですが、自分は正直詐欺にあった気分です。
支払いは明日なんですが、払いたくない気持ちでいっぱいです。
やっぱり、支払わないとダメなんでしょうか?
回答者 ゲン
あんたのケースには、微妙な部分がある。
『自分は正直詐欺にあった気分です』『払いたくない気持ちでいっぱいです』というのは良く分かる。心情的にも無理のないことやと思う。
『現在解約の話は進んでる』というのは、あんたの主張をその販売店が認めたということなのかな。
そうやとすると、その契約解除は問題ない。契約時に貰ったものさえ返還すれば、それで終わる。
これは、消費者契約法の「不実の告知」に該当することやから、法的にも契約解除は可能やさかいな。
ただ、契約解除ができるのと、すでに配達済みの新聞代の支払いというのは性質が違うということになる。
『本来サービス期間である2ヶ月分は支払わないといけないと言われました』というのは、契約した3月分と今月の4月分のことやと思う。
その商品自体に問題がなく、それと承知で受け取った商品に対する正当な代金を請求された場合、一般的には支払い義務が生じるとされとる。
おそらく、その販売店は、それを言うてるのやろうと思う。
あんたが、その支払いを拒否できる条件として、考えられることが二つある。
一つは、その新聞が必要でないと断っていた事実があることや。
つまり、嫌がっているのに、騙されて契約したという客観的事実や。もしくは、あんたがそれを強く主張できる状況があった場合やな。
二つめは、それが明らかな詐欺行為と証明された場合や。
今回のケースで言えば『君、町内会費を払ってないよね? それで、一応大家さんに一部負担してもらってはいるんやけど…』の部分に、それが含まれる可能性がある。
その拡張員が『大家さんに一部負担してもらってはいるんやけど…』と言うことで、その支払いを免除する代わりに契約をしてほしいと持ちかけたのなら、これは、あんたへの詐欺行為ということになると思う。
その町内会費との相殺を条件にと言うてるわけやから、その事実のないものは嘘ということになる。
詐欺というのは、金品を騙し取るという行為やが、この場合、あんたは架空の「町内会費」という借金を背負わされ、その返済の肩代わりとして契約を強要されたのであれば、微妙なところではあるが、詐欺罪が成立することになると考えられる。
その販売店が、解約に応じるというのは、その拡張員が明らかな嘘をついていると分かったからやないのかな。
それなら、上記、二つの条件があれば、明日、その集金人が来たとき、「その拡張員さんの行為は、明らかに詐欺行為ですよね。私は、町内会費の未払いがあると言われて相殺を条件に契約したのに、その事実はなかったではありませんか」と強く言えば、販売店次第では免除ということも考えられる。
こういうことで、揉めて、それが新聞本社の耳に入るのは拙いと考える販売店やったらな。
しかし、それでは納得せん販売店もある。その場合は、揉めるのを覚悟で交渉するしかない。
ただ、「納得できるまで支払いはできません」と言うて、明日の支払いを延ばすことは可能やと思う。
あんたの話を聞く限り、その支払いを拒否する根拠は薄そうやがな。
それは、あんたが、その状況を十分回避できたと考られるからや。
『君、町内会費を払ってないよね? それで、一応大家さんに一部負担してもらってはいるんやけど…』と、見ず知らずの他人に言われれば、たいていの人間は、その事実を、当の大家さんに確かめるはずや。
その程度の確認なら、電話一本で済むさかいな。あんたは、大家さんにそれを肩代わりされていると言われて負担になるとは考えんかったのやろか。普通は嫌なもんやけどな。
もっとも、それ以前に、町内会費の支払いというのは、当然やが、その町内会に入会せんと発生せんし、それを例え大家といえども肩代わりすることなんかあり得ん話なんやけどな。
『私は1月に自立したばかりで、まだ何もわからなかったので』ということで、それがおかしなことやとは気がつかんかったのは理解できんでもないが、それでも、身内の誰かには相談くらいできたはずやと思う。
それで、おかしい話やと気づけば、そのときにその販売店に言えばそれで終わっていたかも知れんし、聞き入れて貰えんかったとしても、クーリング・オフという手段もあったわけや。
それを選択せず、『その言葉を信じ契約しました』というのでは、すでに配達された新聞代の支払いを拒否するには弱いと思う。
実際に、新聞という商品を受け取っていて、あんたの正当性を主張できんようやとな。
ワシが、冒頭で『微妙な部分がある』と言うたのは、そういうことがあるからや。
その販売店次第というのはあるが、あくまでも詐欺行為を理由に支払いを拒否するか、受け取ったということであきらめて支払うか、あるいは、その販売店と話し合って、いくらか値引きして貰うように交渉するか、いずれの選択をするかは、あんたが判断して決めるしかないと思う。
その結果で、揉めるようなことがあれば、また相談してくれたらええ。
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