新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.57 契約の解除に商品券代+拡張員手数料が本当に必要ですか?


投稿者 タカハシさん 投稿日時 2005.1.8 PM7:06


かなり前に、新聞の契約に来て、商品券を置いていきました。
新聞の購読時期が来ましたが、やはり、今まで講読している新聞の方がいいので、契約の解除をお願いしたところ、商品券代+拡張員手数料(?)を請求されました。
本当に、これだけのものを支払はなくてはいけないのでしょうか。


回答者 ゲン


契約においての一方的な解除は、不法行為などによる正当な理由がない限り法的には認められん。

民法上の原則では、いつでも契約の中途解約は出来るということになっとるが、実際には「中途解約は出来ない」という項目の入った契約を明記しとる契約書が多い。

念のため、あんたの契約書を確かめて見たらええが、普通はこの一文がある。なければ、民法上の原則により契約の解除が出来る。望みは薄いがな。

しかも、今回の場合、あんたのメール内容からは、勧誘においての不法行為もないようやし、解除の理由が自己事由ということであれば契約の解除は難しいと思う。

このような場合、販売所からは、景品の返還と解約違約金が請求されるのが一般的や。その金額の多寡にもよるが、常識的な範囲内なら、契約を解除する側が負担せんとあかん。

貰った商品券分の返還は当然として、常識的な新聞契約での解約違約金の請求は、その販売所や契約期間にもよるが、5000円〜20000円くらいの間が相場とされとる。

あんたの言う、拡張員手数料という名目はどうかとは思うが、販売所にすれば解約違約金のつもりで言うたのやろと思う。まあ、実際に拡張員手数料を販売所が負担しとるのも事実やがな。

あんたにしてみれば、たかが新聞の契約くらいと思うてたのかも知れんが、どんな契約であっても契約というものを甘く考えん方がええ。

特に現代は契約社会とも言うてええくらい、契約書が重要視とされとる時代や。あんたも、単純に約束を破ったらいかんということは分かるやろ。

例えば、あんたが誰かと結婚の約束をして婚約したとする。その相手が、直前になって、やはり前に付き合っていた人間と結婚すると言うて、婚約破棄を申し入れて来たらどうする?

結婚の準備に費やした時間と金銭の負担、精神的な損害を相手に請求したくなるのが普通や。その場合、慰謝料という形で払わなあかんということは分かるわな。

そんなことと、新聞の契約とは次元が違うと思いたいやろけど、契約に大きい小さいはない。関わる人間の捉え方で違う。不法な契約以外はどんな契約もそれに従わなあかん。それが法律やし、社会の決まりや。

新聞契約や訪問販売契約の場合は、それでも、クーリングオフという問答無用の契約解除期間が設けられとる分、まだ、消費者には有利なはずや。

今回のような事由による解除の申し入れは本来、この期間内にするべきやったと思う。それなら、何の問題もない。

今までは、あんたにとっては厳しい回答ばかりやったと思うが、ここからは、どうするのが一番あんたにとってええのかということをアドバイスしよう。

販売所の言う通りの違約金を支払わなあかんのかというと必ずしもそうとばかりは限らん。あくまでも、話し合い次第や。

一番、波風の立たん方法は、その契約した新聞を購読することや。短期間なら、そうした方がええやろと思う。

3ヶ月や6ヶ月くらいなら、すぐやし、その程度の期間でいらん金を払うのもつまらんやろ。次からは、2度とこういうことのないように気ぃつけたらええことやからな。

1年以上契約があって、どうしても嫌やと言うのなら、解約違約金の減額を交渉する方法もある。法律的な違約金の決まりみたいなものはないから、ケース・バイ・ケースや。

それには、まず、あんたが、これくらいなら払うてもしゃあないなと思う金額を提示してみる。

それで、安くまとまれば、あんたも納得出来るからそれでええやろ。販売所にしても、揉め事を起こしたいわけやないから、少々のことやったら飲むケースは多い。

ただ、販売所にしても今回のことを無償で認めると死活問題にもなるから、ある程度、必死になるやろと思う。

あんたのようなケースを無条件に認めてたら商売として成り立たんからな。近所でそういう評判が立ったら大変や。他の人間も簡単に解約やて言い出すかも知れんからな。

あんたの希望範囲でまとまるかどうかは、相手の販売所次第や。双方が合意出来なんだら仕方ない。販売所の出方を待つしかない。

あんたが、販売所の提示する解約違約金が納得出来んかったら、納得出来んとはっきり言えばええ。その場合、多少はトラブルとなり揉めるがそれは仕方ない。

通常、販売所は、あんたの翻意を求めるか、解約違約金の請求に何度か訪れるやろと思う。この場合、勧誘とは違うから来るなと言うことは、弁護士などの介入で法的措置がない限り出来ん。

契約上、販売所はあんたにその請求は出来るからな。もちろん、それに応じるかどうかはまだ、あんたの意志次第や。納得出来ん場合は断るしかない。しかし、そこまで行くとトラブルやから、お互い語気荒く言い合いになる可能性もある。

この時点で、警察に通報しても、ほとんど効果がない。警察も、民事不介入が原則やから立ち入ることは出来ん。もちろん、暴力、脅迫の類があり、証拠があれば刑事事件となるから別やがな。

普通は、この状態が続く。販売所は、あんたを告訴することも出来るが、ほとんどの場合はそこまでせん。中には、する所もあるがな。

告訴というと普通は大変なことやと思いがちやが、民法の契約に関することやったら、それほどでもない。Q&AのNO35でその裁判への対処法も言うてるから、参考にしてくれたらええ。

販売所にも、いろいろな所があるから、それが長引くと、折れて来る所もあれば、諦めることもある。反対に、エスカレートして、頻繁に来ることもある。相手次第や。

あんたにして見たら、理不尽なことかも知れんが、相手の販売所にしてもそれは一緒や。突然のキャンセルは、新聞に限らず、どんな業界でも堪ったもんやないからな。そのキャンセル料を支払わんとなると揉める。

ワシも何度かこういう現場に立ち会うたことも当事者としての経験もある。それに、ある程度、揉め事にも慣れとるから、お互いの妥協点を見つけて解決したことも幾度となくある。

今回の場合、冷静に考えて、立場的に不利なのはあんたの方や。聞く限り正当性がない。まず、それを念頭に置いとかんと話し合いにならん。

ワシなら、まず、あんたの認識を糺して、契約不履行には契約解除金が発生することを認識して貰う。大抵の契約書にもその一文が記されとると思う。

その上で、お互いが納得出来る額を取り決める。どちらも損をするという方が話としてはまとまり易い。これが、一番、大人としての最上の解決法や。

それと、どうしても、解約金などが払いたくない場合は、契約通りその新聞を購読すると言う。それなら、意味がないと思うかも知れんが、そうでもない。

揉めた後の購読はそれなりに有利に働く場合がある。仕方なく購読する代わりに、販売所にも、ちゃんと約束を守って貰うように釘を刺す。

具体的に言うと、不配や不良新聞(濡れ、汚れ、破れ)などが発生する場合は、以後の契約は自動的に解除すると言うてみる。

実際、こういうことが続くと解約される事がある。せやから、配達人にもペナルティとして罰金を課せる販売所が多いくらいやからな。

ほとんどの販売所は、これに異を唱えるようなことはせん。販売所としては面子もあるし当然のことやからな。異を唱えるとしたら、その回数くらいや。1回くらいは多めに見てくれとな。

それが、自信のない販売所なら、交渉の段階であんたの解約に応じるやろと思う。当然、有利な交渉になるということや。

しかし、どちらにしても、今回の場合は、何もなくそのまま契約が解除出来るという確率は非常に少ないと思う。

新聞契約のように一見、取るに足らん契約のように思えても、契約は契約、疎かには出来んということや。どんなトラブルが待ち受けとるか分からんからな。

今度のことで、あんたにも、それが良う分かったやろと思う。次からは、契約ということに対してもっと慎重になった方がええと思う。

そう考えれば、このことも全く無駄な出来事やないと思う。もっと、大きな契約の危険にも用心するようになるやろしな。


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