新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.574 卑怯者の弁護をするのでしょうか


投稿者 HSさん 関西在住 投稿日時 2008.5.18 AM 1:55


ハカセ様

長く? 意見を拝読しましたが、真実を求めているなら新聞勧誘は否定するべきです。

時代の流れもあり、また現在過去において非社会的な勧誘。未来に必要はまったくありません。

人情的な問題は、関係のないお話です。

それぞれの人が生きていく為に、努力するのは必然ですが、マスコミというバックの元に生きていくのは卑怯です。

ルールを守らない者に、意見を言う資格などあるはずは無いです。

卑怯者の弁護をするのでしょうか。今一度、ご一考下さい。


回答者 ハカセ


ハカセです。

かなり厳しいご意見のようですが、私の考えをお伝えします。

その前に、HSさんとよく似たご意見がQ&Aの『NO.573 物事へのとらえかたが急に変わるものでしょうか』にありますので、まずそちらをご覧ください。

私自身の回答として、その考えを記していますので。

『長く? 意見を拝読しましたが、真実を求めているなら新聞勧誘は否定するべきです』

ということについてですが、私には、その行為が明らかに具体的な不正行為と思われる事柄であればそうしますが、それ以外では、新聞勧誘に限らず、すべてのことについて否定する考えはありません。

また、私ごときにその資格を有しているとは思っていませんし、そこまで思い上がってもいませんから。

『人情的な問題は、関係のないお話です』

これについては、私は納得しかねます。私たちが、このサイトで訴えたいことはまさにそれですから。人情を否定するのは、人間そのものを否定するに等しいことだと思いますので。

私も、最早、古い人間に属してきたのかも知れませんが、せめて命の続く限り、人情のすばらしさは訴え続けていきたいと思っています。どんなことがあろうと人が失ってはいけないものだと考えますから。

『それぞれの人が生きていく為に、努力するのは必然ですがマスコミというバックの元に生きていくのは卑怯です』

これは、私どもに対して言っておられるのでしょうか。もし、そうだとすれば、大変な誤解をされています。

私どものサイトは、歯に衣着せぬという姿勢で、新聞社に対しても数多くの苦言を呈しているためか、煙たがられているというのが実状です。

そのマスコミが私どものバックに着いていることなど決してありません。もし、そうなら、新聞やテレビで私たちのサイトが取り上げられているはずではないでしょうか。

自分で言うのも何ですが、今やこのサイトは多くの方に知られた存在ですからね。もちろん、新聞社で、このサイトを知らないという人もほとんどいないはずだと思います。

ですから、新聞社を含むマスコミの後ろ盾など、私どもにあろうはずがありません。私たちの姿勢がこのまま続く限り、これからもそれはほぼないでしょう。

バックにつくどころか、おそらく私たちのサイトが潰れるのを心待ちにしているのが、その新聞各社ではないかとさえ考えます。考えすぎかも知れませんが。

これが、ゲンさんたち拡張員に向けられたご意見であるのなら、それも違うと言うしかありません。新聞社は、拡張員を庇護することなどまったくありませんし、ゲンさんたちも、そんなことをアテにはしていません。

仕事として、それをしているわけです。そこにあるのは、需要と供給ということだけで、それ以外のつながりはないと思います。

新聞社にとって、拡張員の必要性や需要がなくなれば切られる、それだけの関係でしかありません。

『ルールを守らないものに、意見をいう資格などあるはずは無いはずです』

確かに、それは言えるでしょう。しかし、すべての拡張員がそうだと決めつけられるのであれば、はっきり申しますが、それは大きな間違いとしか言いようがありません。

失礼を承知で、敢えて申し上げれば、HSさんの周囲ではそうなのかも知れませんが、それですべてを論じるのは暴論以外の何ものでもないと考えます。見えるものだけがその世界のすべてではありませんから。

もし、そうだと断言されるのであれば、それなりのデータをお示しされない限り、私には納得できません。

私がこれだけ、はっきり言えるのは、それなりの多くの取材と調査、資料を集め、また、多くの一般読者の意見を聞いているからに他なりません。

サイト上において、単に個人的な意見を羅列しているわけではないのです。

『卑怯者の弁護をするのでしょうか。今一度、ご一考下さい』

HSさんから、その言葉を聞くとは意外でした。それは、このサイトを良く見て頂いているのなら一目瞭然で、そうではないと分かって貰えることだと思うのですが。

ただ、ゲンさんがその専門家として、その立場で話していることが弁護と考えておられるのなら、非常に残念です。

それは、あくまでも、この業界の事情を知らない人への情報提供の一つにしかすぎないのですから。

卑怯者というのが悪質な拡張員ということであれば、そういう拡張員や販売店の人間の行為については、Q&Aにおいて、常に手厳しくゲンさんは言及し、その対処法やアドバイスも数多くしています。

そういう悪質な拡張員の弁護など、私たちは一切した覚えはありませんし、これからもするつもりはありません。しかし、その対極にいる真面目な拡張員の方々の応援なら惜しむつもりはありませんが。

その姿勢は、このサイトの開設以来、終始一貫しています。そして、それはこれからも変えるつもりは私たちには毛頭ありません。

何か反論に終始したような観がありますが、HSさんのご意見は、ご意見としてありがたく思っていますので、お気を悪くされたら謝ります。

ただ、私の考えということでしたら、そういうことですので。

それでは、今後ともよろしくお願い致します。


返信 HSさん 関西在住 投稿日時 2008.5.20 AM 0:20


ハカセ様。ご返信有難う御座います。

私が何故、これほどまでに新聞勧誘を否定するのかと思われる理由ですが、これまで2回、刑事事件にまで発展する被害にあっています。

1件については正式に 障害致傷で告訴をしました。

ただし、相手が謝罪をしたので取り下げました。医療費を考慮すると、私の赤字でした。

しかし、若い人だったので、前科者にする事を考え、気持ちを抑えました。これは、私の人情です。

そこの責任者と話しましたが、この責任者では、若い人を教育できない人を育てるという考えなどまったくなく、使い捨てで若い人を駄目にしているように感じました。

又、勧誘にこられる方の半分以上は礼儀を知らない行動をします。

私はもともと、どこの新聞であれ サービスであれ必要は無いのです。そういった方が多いと思います。

ゲンさんは何故に、そのような無法者の多い世界で生きるのでしょうか。営業なら、いくらでもあるのではないですか。

悪い世界に入って、なかには良い人もいるんだよ。なんてことですか?

私なら、やめて違う自分を大切に出来る世界に移動します。

最後に、私は職業に差別をする意識はまったくありません。つまらない仕事に見えても、社会に大きく貢献している人も沢山いると思います。

必要の無いものは必要が無いと申し上げるだけで、そこで、働く人がいるから存続させるのはなにか違うのではないでしょうか。


回答者 ゲン


今回の質問は、ワシにということのようやから答えさせて頂く。

『私が何故、これほどまでに新聞勧誘を否定するのかと思われる理由ですが、これまで2回、刑事事件にまで発展する被害にあっています』ということで、勧誘員を嫌うというのはよく分かるし、無理もないとは思う。

『勧誘にこられる方の半分以上は礼儀を知らない行動をします』というのも、あんたにとっては事実やから、嫌う理由としても理解できる。

しかし、言うて悪いが、それは、あくまでもあんたの周りで起きた個人的な出来事でしかないことやと思う。

一事をもって万事を知る、ということもあるが、それは個人的な印象、意見の範囲内ということで、『新聞勧誘を否定する』のは自由やから、それはそれでええ。

あんたが、そう考える分には何の問題もないし、それがあかんと否定するつもりはない。また、このHPを長く見ても、その考えを変えられんというのであれば、それも仕方ないと考える。

ただ、それで『ゲンさんは何故に、そのような無法者の多い世界で生きるのでしょうか。営業なら、いくらでもあるのではないですか』と、勝手に決めつけられても困る。

ワシには、ワシの確固たる信念のもとにしとることやし、それなりに意義を見い出してやってることでもあるさかいな。

もちろん、人からは評価されにくい仕事やというのは百も承知やが、それで引け目を感じることはまったくない。

少なくとも、ワシ自身、人に後ろ指さされる覚えはないと自信を持って言える。そういう生き方をしてきたつもりや。

『私は職業に差別をする意識はまったくありません』ということやが、『営業なら、いくらでもあるのではないですか』と、ワシに辞めた方がええと言わんばかりの言い方というのはその根底に、勧誘の仕事に対して差別意識があるからやないのかな。

少なくとも、ワシにはそういう風に聞こえる。

はっきり言うとくが、世の中に『つまらない仕事』というのは存在せん。またそう『見える』ものがあるとすれば、それは、その人の主観でしかないことやと思う。

新聞勧誘というのは、社会的な評価は別にして、仕事自体は法的にも公認されとる立派な職業なわけや。

『必要の無いものは必要が無いと申し上げるだけ』と言われるが、それが必要か必要でないかは、あんたが決めることでも、ワシが決めることでもない。

『そこで、働く人がいるから存続させるのはなにか違うのではないでしょうか』というのは、その意味が分かり辛いが、存続するかせんかも時代と社会が決めるものやと思う。

誰がどうしようと関係なく、本当に必要でないものは自然淘汰され消えて行くもんや。

しかし、新聞の勧誘を生業とする拡張員というのは、その起こりからすでに60数年が経過していて、今なお、一般紙と呼ばれる日本の新聞社には2万人ほども従事しとる仕事なわけや。

それは、必要やから存在しとるのやとワシは考える。

戦後、急速に新聞が普及したのは、間違いなくワシら拡張員の功績は大やと断言してもええ。

NO.241 新聞社が販売店を直轄化するという方向性についてどう思われますか』 の中で、新聞記者の方が言っておられた印象的な話がある。

『あるとき酒の席で先輩の記者から、「拡張のおっさんがおらんかったら、わしらオマンマ食えへんのやから、足向けて寝られへんで」と言われたことがあります。私もその通りだと思っています』と。

つまり、新聞社の方にとっても、それだけ重要な仕事やと認識されておられるわけや。

新聞は、日本の社会にとって歴史的な貢献をしてきたものや。それを根底で支えてきたのは、ワシら勧誘員やと言うても過言やないと思う。

ただ、その手法に問題があり、悪質な勧誘があるというのは、ワシも認める。改めなあかんことやとも痛感しとる。

せやからこそ、このQ&Aでも、その悪質な勧誘に対して数多くのアドバイスをしとるわけやしな。

しかし、それを持って新聞の勧誘員の仕事すべてを否定するという意見には、ワシは納得するわけにはいかん。

悪いことをする人間がその業界におるから、その仕事はあかん、無法者の集まりやと言うのなら、この日本には、まともな仕事なんかないと考えるがな。

裁判官、弁護士、警察、教師、医者、政治家など本来、どんな悪さもしたらあかん職業でさえ、犯罪を犯す人間は数多く発生して後を絶たんわけや。それがおらんという職業をワシは知らんし、存在せんと思う。

その職業が悪いというのやなく、悪い人間がその職業を選んどるというのは、ワシが終始一貫して言うてることや。それに一切の例外はないと確信しとる。

それに、勧誘員と簡単に一括りにして言われるが、その勧誘員にしても元はたいてい、あんたと同じ普通の人が大半なわけや。生まれながらの勧誘員なんかおらんさかいな。

勧誘員の中には、元会社の社長というのもおるし、銀行員やったというのもおる。一流商社に勤めていたエリートもおれば、元公務員をしてたというのもおる。ありとあらゆる業界の経験者の集まりでもあるわけや。

確かに、一部にはヤクザまがいの人間や犯罪者がおるというのは否定せん。どうしようもないという者がいとるのも事実や。

しかし、その犯罪者やと言うても、メルマガの『第54回 ■それぞれの事情Part1 飲酒運転の果てに』や『第62回 ■ それぞれの事情 Part3 犯罪者と呼ばれし者』 のように、元はまじめな人間やったのが、はずみで人殺しの汚名に甘んじることになり、そのために償いの日々を続けとるというケースも実際にある。

この業界は、数年前までは、そういう人間の受け皿であり、更正を誓う者にとっては最後の拠り所のような仕事でもあったのは確かや。

それを理由に、無法者の集まりと言われた時期も長く続いていたのも事実や。

しかし、現在、この業界には、そういう人間を雇わんというのが基本的な流れとしてある。また、勧誘経験者は採用せんと広言しとる拡張団も実際に数多く存在する。

その採用時、住民票は当然としても、保証人を必要とする拡張団も増えとるというのが現状なわけや。昔ほど、誰でも雇うという業界や最早なくなったと言うてもええ。

これは拡張団だけやなく、新聞販売店でも同じことが言える。

もっと言えば、拡張団が、ヤクザと関わり合いを持ったというだけで、新聞社から契約解除、つまりつぶされるということも現実に起きとる。

一般の会社と同じか、それ以上にそういう面で厳しいところも数多くあるということや。

もっとも、一口に新聞拡張団と言うても、全国に千社程度存在すると言われ、新聞販売店に至っては2万店舗あるとされとるから、それも一概には言えんがな。

いろんな所が存在するのも確かや。あんたと問題を起こした程度の悪い拡張員、及びその団長というのもその中にはいとる。

しかし、何度も言うが、それがすべてやないということは分かって頂きたい。

あんたはあんたで納得できんこともあるやろうから、その考え、意見はそれでええと思うが、その考えをワシやハカセに押しつけられても困るということや。

基本的なことやが、人にはそれぞれ考え方、生き方というのがある。まずは、それを尊重してほしいと思う。

あんたも、自分の生活、仕事というのを持たれておられるやろうから、それについて干渉されたら、ええ気はせんやろ。よけいなお世話やと考えるはずや。

それと同じことやと思うてほしい。

ただ、あんたの意見を主張されたいというのなら、ワシらは聞く耳くらいは持っとるし、黙殺するつもりはないから、そうされる分には一向に構わん。

疑問に思われることがおありなら、それについて、ワシらなりに答えるのは、やぶさかではないさかいな。


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