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NO.581 拡張員のボーナス、年収についてはどうですか


投稿者 Jさん  投稿日時 2008.6. 2 PM 6:19


NO.577 拡張員の平均月給は、どれくらいですか?』で「月給」については分かりましたが、賞与(ボーナス)についてはどうですか。

また、年収ベースの平均収入はどのくらいですか。

おそらく、従業員という雇用形態でなければ、定期的な賞与は存在しないかと思いますが、逆に、がんばった人に支払われる報奨金のような一時金が存在するのでは?


回答者 ゲン


『従業員という雇用形態でなければ、定期的な賞与は存在しないかと思いますが』ということやが、ボーナスに関しては、固定給制、フルコミ制に関わらず、たいていの拡張団で存在すると思う。

一例としてワシが所属していた過去3ヶ所の拡張団のケースで言うと、そのいずれも、年4回ボーナスの支給があった。3ヶ月に1回のペースや。

と言うても、拡張団の場合は、名目は一応、賞与、ボーナスやが、一般の考えるものとはかなり違う。人によれば寸志やと言う者もおる。

このボーナスに関しても、月収と同じく上げた契約数に比例して増える仕組みになっとる。

3ヶ月に1回ということで、その周期の成績で算出される。

ワシが在籍していた拡張団で言えば、3ヶ月の総数が150本以上が、そのボーナスの対象となっていた。その場合、1本につき200円の計算で支給される。

つまり、200円×150本=30000円という計算になる。これが最低ラインで、これ以下の成績は何も支給されない。

反対に、これ以上やと、その上げた本数次第ではどんどん増えていく仕組みになっとる。

例えば、3ヶ月の契約総数が200本やと1本300円で60000円。250本以上になると1本500円となり、125000円になるという具合や。

また、このボーナスの制度や仕組みというのは、この業界には多種多様なものが存在するから、その拡張団毎で違うのが普通や。

ある拡張団では、毎月の月収からいくらか差し引いて、そのボーナス月に加算するという所もあるようや。その額を少しでも増やすことで、団員を鼓舞する狙いがある。ただの数字のマジックやがな。

せやから、ワシの示したものがすべてやということやない。言うたように、ほんの一例や。もっとも、聞く限りは似たような所が多いようやがな。

『年収ベースの平均収入はどのくらいですか』というのは、平均月収を示すよりはるかに難しい。

この業界は、他と比べてその定着率が恐ろしく悪い。この世界に飛び込んで1年続く者は、その拡張団にもよっても大きく違うやろうが、ええとこ1、2割程度やないかと思う。

たいていは、こんなはずやなかったとか、さっぱり儲からんと言うて辞めるか、逃げ出す者が多い。

もっとも、それには、単なる急場凌ぎの仕事、腰掛けとして飛び込む者が多いから、そうなるのやがな。

まあ、この世界に夢と希望を持ってやってくる人間は皆無とは言わんが少ないのは確かや。

ただ、このサイトを見て、面白そうやから頑張りたいと言う人もまれにおるが、そういう人には、甘い考えでするのやったら止めとけとは常に言うてるがな。

このHPは、読み物としての側面もあるから、それなりに面白いと感じて錯覚するのかも知れんが、現実はそんなに甘いもんやないさかいな。過酷な世界や。

そういう定着率の問題で、その平均を取ろうにも、1年も続かん人間が8割以上もおるようでは、取りようがないわな。

1年以上在籍している者という限定でならそれは可能かも知れんが、それが果たして拡張員の平均年収と呼べるものになるのやろうかというのもある。

このことを全国の拡張団関係者に問い合わせてみようかとも考えたが、そうしてもおそらく、すべてで違う回答が返ってくるのは目に見えとるから、あまり参考にならんやろうと思う。

一言で言えば、千差万別、いろいろやというしかないさかいな。

せやから、どうしてもということであれば、ある特定の狭い範囲で話すしかないわけや。

ある特定の拡張団での平均年収ということなら、そこの上層部は把握しとるやろうがな。分かってもその程度や。

それでも良ければ、これもワシの経験の範囲内ということで話す。

因みに固定給プラス歩合の場合は、ワシには良う分からんが、それほど大差ないものと思う。いずれにしても、その契約獲得数次第で収入が決まるのは同じやさかいな。

この業界で1年以上、続けられるのは、そこそこ成績のええ人間やと考えてええ。それでないと、本人も続けられんやろうし、団も在籍させんと思う。

もっとも、借金漬けで長年在籍しとるというケースもなくはないが、そういう人間でも、その借金返しに追われていて金を持ってないだけで、たいていはそこそこ成績を上げている者の方が多いから、売り上げ総収入額としてはある方やと思う。

拡張員の収入は、その拡張料の他に、プレミアと呼ばれる報奨金がある。月決めで貰えるものには、月収としてそれも含まれとるが、それ以外でも不確実な収入というのが結構ある。

例えば、毎月のその拡張団内でのコンテストと呼ばれとるものなんかがそうや。

その拡張団にもよるが成績上位数名に与えられるのが普通や。1位、10万円、2位5万円、3位3万円……10位5000円という具合やな。

1年続くような者はたいてい、これを手にすることが多い。

これに加えて、新聞社主催のコンテストというのもある。それぞれのコンテストの条件にもよるが、かなり高額の賞金が出るケースも珍しくない。

また、拡張団単位で新聞社から示されたノルマを達成できれば、それも拡張員に還元されるし、その団の班単位でもノルマによる歩合増も見込める。

販売店毎にしても、そこでの契約総数がクリアできれば、「まとめ」と称する上乗せ報奨金が1本につき500円〜1000円程度あるのが一般的や。

しかし、それらはいずれも不確定要素の強い収入や。それを平均収入に組み込むというのも無理があるとは思うが、その無理を押してあえて計算してみることにする。

1年以上在籍しているベテラン拡張員の平均契約総数は、50本程度や。そして、その拡張料も新人の拡張員より1本平均1000円程度高い。

つまり、ベテランの平均拡張料は、1本につき普通の拡張員が6000円やとしたら7000円ということになる。

50本×7000円=350000円。

すべてのプレミヤ、賞金獲得額の平均を無理に算出したとして、1本あたり1500円とする。

50本×1500円=75000円。

1ヶ月の収入を350000円+75000円=425000円と見込む。

450000円×12ヶ月=5100000円。

これにボーナス、

150本×200円×4回=120000円を加えると、

5100000円+120000円=5220000円。

これが、1年以上、在籍する拡張員で1ヶ月50本、年間600本程度、上げる者の平均総収入額ということになる。

これから、経費や税金、年金、国民健康保険料などの支払いも必要になる。社宅住まいの拡張員は、家賃と光熱費も必要や。実質の手取りは、それこそ、その拡張員次第で大きく違うというのは承知しておいてほしいと思う。

良く収入の話をする場合、その手取額を言う者がおるが、それを月収、年収とは言わんさかいな。月収、年収はあくまでその総収入を指す。

これは、『NO.577 拡張員の平均月給は、どれくらいですか?』でも言うたが、予想平均やから、これを上回る者もおれば下回る者もおる。

感じとしては下回る者の方が多そうやがな。

と、まあ、無理にその数字を挙げたらこういうことになるということや。

実際にも近い数字かも知れんが、前回でも言うたように、この業界も今は冬の時代になりつつあるから、過去の実績が、これからもそのまま当て嵌まるかどうかは何とも言えん状況やと言うのは確かやと思う。

ここまで見て、なかなかええなと勘違いする人も現れんとも限らんから、もう一度、はっきり言うとくけど、この世界は机上の計算ほど甘いもんやないというのは分かってほしいと思う。

それでもやるというのなら、あかんかってもワシに文句は言わんといてな。自己責任でやってや。


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