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NO.583 青少年ネット規制法案について


投稿者 Jさん  投稿日時 2008.6. 2 PM 10:33


Jです。

飛び込みセールスを禁じた秋田県の条例案の話題について、最近、「青少年ネット規制法案」が話題になっています。

双方とも根っこは同じだと思いますが、いかがでしょうか?


http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/computer/juvenile_internet_regulation/ より引用

<サイト規制>「有害」民間が判断…自民と民主が法案合意


 自民党と民主党は2日、18歳未満の子供をインターネットの有害サイトから守るための議員立法の共同法案の修正協議で合意した。両党の党内手続きを経て、今週中に衆院の「青少年問題に関する特別委員会」に委員長提案として提出し、今国会で成立する見通し。有害情報の選別をめぐり、「国の一定の関与が必要だ」とする自民党と、「民間の自主的な対応に委ねるべきだ」とする民主党の間で意見が対立し、調整が難航したが、最終的に国が関与せず、民間の第三者機関に任せることで自民党が妥協し、決着した。

 法案は携帯電話会社に対し、子供がネットで有害情報を閲覧できないようにするフィルタリング(閲覧制限)サービスの提供を義務づける。パソコンメーカーには、フィルタリングソフトの組み込みを義務づける。出会い系サイトなど有害サイトに絡み、子供が事件に巻き込まれるケースが全国的に多発していることから、与野党が共同で法案を提出し、今国会で成立を図ることで実効性のある対策を目指す。ただし、罰則は設けない。

 焦点となった「何が有害情報に当たるか」の選別基準は、憲法が定める「表現の自由」に配慮し、民間の第三者機関が策定する。当初の自民党案では、国が指定した民間の第三者機関が選別基準を作るとしており、国の規制色が強かった。しかし、ネット関連業界が「実質的に国の情報統制にあたる」と強く反発したことから、修正案では国の関与を排除した。

 ただし、フィルタリングの機能向上や技術開発などについては、民間団体が国に登録し、情報交換を円滑に進めることなども盛り込んだ。

 同法案は有害情報について(1)著しく性的感情を刺激する(2)著しく残虐性を助長する(3)著しく自殺や犯罪を誘発する−−などを例示したが、何が有害で健全かの判断は第三者機関に委ねる。


こちらはどうやら、「国による言論の自由の統制」を避けて、業界の自主規制に任せるべきという流れになりそうです。


回答者 ゲン


『双方とも根っこは同じだと思いますが、いかがでしょうか?』と言われとることやが、ワシもそう思う。同じ発想から出とることやと。

今回の『有害サイト規制』でもそうやが、『飛び込みセールスを禁じた秋田県の条例案』にしても、日本の行政は何でこれほどまでに規制、法律作りにやっきになるのやろうかなというのが印象としてある。

国のまさに亡びんとするや、必ず制多し。

という教えが、今から2800年ほど前の中国で書かれた『春秋左氏伝』にある。

国が亡び去ろうとするときは、必ず法律による締めつけばかりが多くなるという戒めの言葉とされているものや。

今の日本の現状が、まさに、そうやと思えてならん。

法律というのは、本来、民衆にそれとすぐ分かるものやないとあかん。

それを、日本の法律は、わざとそうしとるのかと思えるほど難解な言語を駆使して無理に分かりにくく書かれている。そう思えてならん。

まるで、理解して貰っては困るとでも言いたげにや。しかも、その受け取り方で、どうとでも取れるようなものも数多い。

法律の専門家ですら、異なった解釈をすることがいくらでもあり、裁判ですら、同じ事件やのに、裁く裁判官次第ではまったく違った判決が下されるというケースも、それほど珍しいことやない。

それについて、おかしいやないかという声がなぜか聞こえてこん。どこかで誰かが、それを憂いて言うてるのかも知れんが、現実として、それがまかり通っている。

法律が悪いとは言わん。なければ、悪人のやりたい放題の世界になるさかいな。

ただ、法律を作ればそれで良しという考えには賛同できんというだけのことや。

現在の日本、特に行政や政治に携わる人間は、とにかく法律を作りたがるように見える。

ワシには、それで民衆を守ろうとしとるのやなしに、法律を作ること自体が目的になってしもうとるように思えてならん。

法律を作れば、それで終わり。そんな風潮すら感じる。

これは、ある意味、危機的状況やと言えるのやないやろうか。

今回の『有害サイト規制』にしても、18歳未満の子供をインターネットの有害サイトから守るために法律が必要ということのようやが、その法律を作ったとして、本当にそれで子供らが守られると本気で考えとるのやろうかと疑いたくなる。

その法律を作って、運用、取締りが100%できれば、ある程度の効果も見込めるやろうが、日本の場合は、垂れ流しとまでは言わんが、あまりにも法律が氾濫しすぎて、それらを取り締まることができんようになっとる。

警察官などの取り締まる人員不足を理由に、満足に機能してないのが実状やと思う。

つまり、法律を作っても肝心な運用や摘発が追いついてないわけや。もっとも、見せしめ的にそのうちの氷山の一角程度は捕まえとるようやがな。

しかし、それではどうしようもないやろうと思う。

法律を作るのなら、それとセットで具体的な摘発手段も構築せな意味がない。

はっきり言うが、法律ができたことで悪さを止めると期待するべきやない。もし、その意図があってそうしとるのなら甘すぎるという外はない。

悪さをする連中は、どんな法律があってもそれを無視するか、くぐり抜けようとするもんや。法律なんか屁とも思うてないわけや。また、そういう連中にしか悪さはできんと思う。

その法律を守ろうとする者は、どちらかと言うと良心的な人間が多い。そして、そういう人間は、そんな法律を作らんでも悪さをすることはない。

今回、問題とされとる有害サイトと言われとるものがそうや。

もっとも、何をもって、あるいは誰にとっての有害サイトとするのかという問題はあるが、それは、この際おいといて、ここでは、人に害して仇なすものとした上で話を進める。

有害サイトなるものを作る人間の心理は、まずは金儲けをするためやろうと思う。

これが、その理由、動機の大半を占めとるはずや。悪さをするという感覚より、それで金儲けができるからということの方がウエートとしても大きいはずや。

もし、その有害サイトを作ることで何の利益もないのやったら、そんなものからはあっと言う間に手を引くと思う。

つまり、そうなら、それで儲かる仕組みを断ち切るようなことを考えたらええわけや。

今回の有害サイト規制は、結局、民間に委ねられたわけやから、その代表の大手ポータプルサイトなどには、その儲かる仕組みを断ち切ることができるよう期待したいと思う。

しかし、それだけではあかん。それで儲かる者がおるということは、それに金を出す人間がおるということや。

そうする人間は、ほとんど何の罪悪感も感じてないのが普通や。児童ポルノにしても単なる趣味やという人間も多いはずや。

その趣味を満足するために、それによって虐げられとる子供のことまでは考えようとせんわけや。

自分さえ満足できたらそれでええと考える。そのためなら、他者の犠牲はやむを得ん、またはそれを犠牲とは考えんということやと思う。

残念ながら、例え一部にしても、そういう人間のはびこる社会に日本がなってしもうたのは間違いない。

それなら、それをどうするかということを問題にして、考えるべきやないやろかという気がする。

それは、人の心のあり方まで踏み込まなあかんことやから、法律ではどうにもならんやろうと考える。法律は、人の心を変えるようにはできてないさかいな。

一番ええのは、そういう有害サイトをみんなが無視することやが、そのためには、子供らにそのどこにどんな問題があり、危険があるのか、きちっと分からせる教育が必要やないかと思う。もちろん、それの必要な大人にもや。

ネット全体に言えることやけど、あまりにも急激に成長というか膨張しすぎたために、そのモラルが追いついてないわけや。それを追いつかせるようにせなあかん。

ただ、それは国や行政、さらには大手ポータプルサイトが考えるだけではあかん。

ワシらのようなサイトやブログでそれをアピールするのも大切やし、有害サイトを排除するよう警鐘を鳴らす姿勢も大事や。

これは別に褒めて貰う思うて言うてるのやないが、ハカセは、このサイトを立ち上げる初期からそれを考えいて、そのためにいかがわしい所からの広告依頼はすべて断ってきとるということがある。

リンク依頼にしても、僅かでもそういうものを感じたら掲載せんようにしとるという。

一歩ずつやが、そういう姿勢から変わっていくのやないかと思う。それは、サイトやブログの運営者だけやなく、それを見る訪問者にも言えることや。

最終的には、サイトやブログにそういういかがわしい広告があること自体が恥じとなるような風潮になれば、自然と有害サイトというのも下火になっていくのやないかと考えるのやがな。


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