新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.587 相手の立場で考えるとは?


投稿者 aya さん  投稿日時 2008.6.12 PM 8:43


自分が相手の立場で考える事が出来たら相手を理解できて行くという事ですか?


回答者 ゲン


『自分が相手の立場で考える事が出来たら相手を理解できて行くという事ですか?』というのは、そうできるのなら、そのとおりや。

しかし、実際には、なかなか難しいことやとは思う。

人は、自分が中心の生き物やから、どうしても自己中心的な思考になりやすい。自分が何かの行動をすることでしか物事は動かんわけやさかいな。

『相手の立場で考える事』が、人として理想なのは誰でも分かるのやが、その立場を理解するとなると、ほとんどの人ができんのやないかな。

ワシにしても、それが完璧にできるとは、とても言い難いし、自信もない。

ただ、これが事、営業という仕事の上、限定の話なら、できるとほぼ断言できる。

客に物を売り込む場合、買う客の立場に立って考えなあかんというのは、営業員としての鉄則でもある。それができん営業員は、どの世界でも大した成績を上げることはできんと思う。

当たり前や。買うのはその客やさかいな。その客に納得して貰うためには、その身になって考えるのが最良なわけや。そうすれば、その客には、どう説得すればええかが分かる。

それには、それぞれの見方、考え方というのを知る必要がある。

その考え方を会得する方法として、ワシは、よく「コーヒーカップの見方」という話をすることがある。

喫茶店でコーヒーを注文すると、必ず、コーヒーカップに入れて運ばれてくる。

そのコーヒーカップは、ワシにとっては、コーヒーを飲むための器にすぎん。ワシはコーヒーが旨く飲めるコーヒーカップなら別に文句はない。

しかし、中には、そのコーヒーカップの好き嫌いで店を決めるという者もおる。カップにより旨い不味いがあると言う者もいてる。

店主にしたら、どうやろ。

コーヒーカップは大事な商売道具や。その選択に金をかけて、こだわりや誇りを持つ店主もおれば、経費主体で見栄えさえ良ければ、別に安物でもええという店主もおる。

コーヒーカップを製造している業者はどうか。

これの売り上げいかんによって、その企業の命運を決することもある。勢い、売るため、売れるためにはどうしたらええか、常に必死になって考える。

ここで、コーヒーを飲む者、利用する者や作る者とで大きくその立場の違いが現れる。

コーヒーを飲むワシには、ただの器やけど、それを利用している者や作っている者にしたら、メシの種にもなるわけや。

せやけど、目の前にあるコーヒーカップはただのコーヒーカップにすぎん。それ自体は、それ以上でも、それ以下でもない。

見る者によって、その必要性や重要度がまったく違うてくる。同じコーヒーカップなんやが、全く違う物に見えてしまうわけや。

そして、それはどちらがええとか、正しいかということとは違う。どちらも、間違った考え方やないし、どちらも正しい。

これが、二面性であり、多面性やと思う。相手を知る、相手の立場で考えるということは、この考え方を知るということやないかと、ワシは思う。

その物、あるいはその考え方が、人によって違うのは当然やと認めることが、相手を理解する第一歩やないやろか。

これは、サイトの『ゲンさんの勧誘・拡張営業講座 第1章 新聞営業の基本的な考え方 人間関係構築編 その4 相手を知れ』にも同じ内容のものがある。

ただ、これは、営業をする者の心得について言うたことで、一般論としてはどうかなというところがある。

それが、必要となれば誰でも学ぼうとするが、必要性がなく疑問に思えば、それは説得力を持つ話にはならんさかいな。

つまり、相手を理解する気持ちがなければ、何を言われても聞かされてもそうはできんやろうし、理解したいと強く願うのなら、どんな話もそのヒントにはなるということや。

例えば、あんたが『相手を理解できて行く』というのが、恋人に対してなら、その考えを知る糸口になると捉えられるやろうが、その相手がそういう対象ではなく、敬遠したくなるような人間ならば、そんなことは考える必要もないということになる。

要は、その相手に対して、あんたが理解したいという思いの程度によって違うてくるということや。

それについては、あんたが断を下すしかない。

すべての人間の立場が理解できることもないやろうし、例えできたとしても共感できるかどうかというのは、また別の話やとも思うしな。

ただ、人にはそれぞれまったく違った人生があり、それぞれの生き方、考え方があるということだけは間違いない。

それさえ分かっておられれば、ある程度は相手の立場も分かり理解できるとは思うがな。

そして、例え理想論であったとしても、相手の立場を理解できんより、できた方がええのも確かやわな。


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