新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.59 自転車を盗まれました
投稿者 匿名希望 男性 投稿日時 2005.1.11 AM2:41
私は一人暮らしをはじめてから10年で止め押し時の契約を除いても14回以上の新聞契約を行っているものです。
一人暮らし3年目が終わろうとしていた頃のことです。ある日、A紙をとってほしいという勧誘の方が来ました。
しかし、そのときすでに引っ越しが決まっていて、大家さんにその連絡を入れていました。そのことを、その勧誘の人に伝えると「実は、大きな声ではいえませんが、転居の場合は規定により契約解消になりますので、ビール券サービスしますので3ヶ月契約してもらえませんか?。」と言います。
当時の私は人を疑うことを知りませんでした。規定に沿うということでビール券が3枚もらえると考えてラッキーであると思っていました。
本当に引っ越すのであるからトラブルは起こらないだろうと思い、そのまま3ヶ月契約しました。契約後、「あとで販売店の方から確認の電話があるはずですが、引っ越すと言わずに、3ヶ月契約しましたと言ってくださいね。引越しの連絡をすると追跡調査が入ってトラブルになりますので。」とやさしく言われて去っていきました。
その通り電話があり、ちょっと遠慮がちに販売店の人が言っていましたが、勧誘の方に言われた通りの対応をしました。
引越し日は24日でした。当月の家賃は全額払っていました。Y紙の契約が31日まで残っていましたので、残りの日の分を配達してもらおうと思い、玄関に「Y新聞」と書いた箱を用意して、ドアのところに「引っ越しました。月末までのY新聞はこちらの箱に入れてください。」と張り紙をして引っ越しました。
それほど離れたところではなかったので、荷物のほとんどは自分で運んだのですが、自転車は運ぶのが面倒で24日まで残しておきました。Y新聞への購読停止の確認は、契約がその月で終了なので引っ越した後でかまわないと思っておりました。
引越し数日後、自転車と箱の中のY新聞を取りに前の家まで戻ったのですが、自転車が盗まれてます。新聞を入れてあるはずの段ボール箱がありません。勧誘の人の言われた通りにしたのに何でこんなことに?と思いました。
世間知らずの私でも、さすがに販売店の方が無連絡の購読キャンセルに困って自転車とY新聞を盗んだのではないかと疑いました。
こんな盗みが疑われる販売店から過去A紙を18ヶ月ほど購読していた自分が恥ずかしくなりました。ただビール券をサービスしてもらっていたので(販売店からではなく勧誘の方からサービスしてもらっていただけなのですが、拡張員の存在を知りませんでしたので、その違いが意識できませんでした)、自転車を取られたことをA紙の新聞店に訴えようとは思いませんでした。ただ、A紙は二度と取りたくないと思いました。
どうして、こういうことをするのか、その理由を知りたいので、ゲンさんに教えて頂けたらと思います。
回答者 ゲン
その自転車が販売所に盗られたという証拠が何かあるのなら別やが、状況を聞く限り、その可能性はかなり低いと思う。
販売所がそうするメリットが何もない。むしろ、リスクの方が圧倒的に高いから、普通はそんなことはせんはずや。
どんな理由があるにせよ。あんたの自転車を持って行けばこれは立派な窃盗や。販売所の人間が持って行ったとしたら、当然のことやが、その時はその現物が販売所にあったことになる。
何のために持って行ったのやろ。使うためやろか。しかし、そんなことをすれば、すぐ分かるわな。店にあるんやから。
或いはあんたの自転車が高級品のため売り飛ばすのが目的やろか。しかし、それなら、あんたは黙ってなかったと思う。それより何よりそんな大切なもんやったら先に引っ越しの際に持って行ってたはずや。
失礼やけど、どうでもええくらいの、客観的に見て古い自転車やと、リサイクル屋に持って行っても売れん。下手すると処分費を取られるくらいや。古自転車が金になるんやったら、駅前の放置自転車はかなり減ると思うがな。
しかし、そんな自転車でも、無断で持って行けば窃盗や。もし、あんたが騒ぎ立てて、その自転車を販売所で見つけた場合、いくら、契約を残して無断で引っ越したから差し押さえたんやと言うても通らん。
あんたが自転車をなくした時点では、まだ販売所には具体的な被害が発生してない。その後、発生したとしてもそれは民事的な契約不履行に過ぎん。
しかし、自転車泥棒は立派な刑事事件や。そんなことを新聞販売所が引き起こしたらどうなると思う。それが、本社にでも知れるか世間から悪評が立ったら、その販売所は下手したら改廃(強制廃業)になることも考えられる。
いくら、法律に疎い新聞販売所でも、その程度は誰でも分かる。発覚しやすい犯罪は誰も犯さんと思うんやがな。もっとも、販売所にもいろいろな人間がおるから絶対とは言わんが、可能性としたら低いというのが、ワシの見方や。
一番、可能性が高いと思われるのは、大家さんか賃貸業者やと思う。あんたは、引っ越し後も部屋の権利はあると思うてるやろけど、その時、鍵は返してたんやろ。
あんたの部屋が空室になれば、大家さんは当然のことながら、賃貸業者に次の入居者確保のため連絡を入れる。実際は、あんたが引っ越しを宣言した時点で、賃貸業者は次の入居者の募集をしとるのが普通や。
早ければ、あんたの引っ越し直後に、次の入居希望者が部屋の確認に来るかも知れん。部屋の清掃、補修が必要な時は、その前に、リフォーム業者が入る。
その時、あんたの部屋の前に、段ボールに入った新聞や、古い自転車が放置されてたら、大家さんや賃貸業者はどう思うやろ。
次の入居者には少しでも綺麗に見せたいのが人情や。段ボールの新聞紙は片づけるやろし、張り紙も取る。自転車も、引っ越した後やから、もう取りに来んと思うかも知れん。
せやから、自転車を処分したのは、大家さんの可能性が一番高い。実は、ワシは以前、住宅リフォームの仕事をしていたから、家主からそういう依頼を受けて、前の住人の残した物を良う処分していたから分かる。
このことを、大家さんに確かめたのかな。大家さんやなかったら、あんたの引っ越しを知った誰かということになる。近所の人間かも知れん。
自転車窃盗の一番多い動機は、ちょい乗りや。例えば、朝寝坊した奴が、駅まで間に合わんと思うてそこらの手頃な自転車を拝借して行く。引っ越しで、持ち主がおらんと知っていれば、そんな時、罪悪感も薄いわな。
せやから、ワシとしたら、自転車を持って行ったのは、新聞販売店の人間やない可能性が高いと思うということや。
最後に苦言を一言。人を疑う場合は、確かめてからにした方がええ。例え、九分九厘、その疑いが強くてもや。残りの一厘が冤罪やった場合どうする。
後に冤罪やということが分かれば、あんたも心苦しい思いをせなあかんやろし、確かめずにそのままやと、疑いが確信に変わるのが人間や。
相手が気の毒なということだけやなく、あんたがその思いを持ったままというのは、大きな不幸や。あんたも言うてる通り、その相手の対象すべてが信じられんようになるからな。
あんたは、メールの文面を見る限り、真面目で実直そうな人やと思う。そのあんたが、不確かなことで疑念の念を持つことの不幸をワシは畏(おそ)れる。
ことわざに「七度(ななたび)尋ねて人を疑え」というのがある。そういうことを畏(おそ)れた昔の人の教えであり知恵や。心しといて損はないと思う。