新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.597 時期待ちのお客様についての対処方法やトークについて
投稿者 lick さん 新聞拡張員 投稿日時 2008.7.15 AM 6:28
はじめまして。私も新聞拡張員をしています。
田舎の区域を廻る事が多く、他社の購読契約が長すぎて、三年先とかの契約が非常に多く、断り文句に『その時期になったら契約するから』と言われて断られてしまう事も多いです。
今のところ、自分なりの判断で本当に契約してくれそうなお客様は手帳に記録して、時期を待って訪問してカードにしてますが、コレを早期に契約出来れば…と、ここ数年色々試行錯誤してますがどうしても拡材に頼った拡張になりがちです。
ゲンさんの場合、こういった時期待ちみたいなお客様はどういった方法やトークでカードにしてますか?
お客や状況によりけりで一概には言えないでしょうがアドバイス頂けると幸いです。
よろしくお願い致します。
回答者 ゲン
『ゲンさんの場合、こういった時期待ちみたいなお客様はどういった方法やトークでカードにしてますか?』ということやが、そういうケースで僅かでも脈がありそうやと判断したら、その客と人間関係を築くことをまず考えるな。
それが、ワシの基本的な勧誘営業の考え方でもある。
まあ、平たく言えば、心やすくなるということやな。
『断り文句に『その時期になったら契約するから』と言われて断られてしまう事も多いです』と、あんたの言われるとおり、それが断り文句の一つというのはこの業界では常識でもある。
ただ、そういう客は応対することはするわけや。少なくとも、インターフォンキックや門前払いということはできにくい性質の人やと言える。
せやから再度の訪問にも比較的応じて貰えやすい。あしげく通えば、その分、心やすくなる確率も上がると考えられる。
しかし、ここがポイントで難しいところなんやけど、あまり通いすぎると「しつこい」と思われ逆効果になる。
特に『どうしても拡材に頼った拡張になりがちです』ということで「サービスしまっせ」と言うだけやと、うっとしいと思われることもある。
こういうのは、逆の立場で考えたらすぐ分かりそうなもんやが、勧誘に一生懸命になるあまり、それに気付きにくくなるんやな。
普通に考えて、3年先まで契約が残っていれば、今すぐ必要ない、まだ早いと考えるのが自然やし、そのときにしてくれというのは当たり前のことやと思う。
ただ、そうかと言うて、3年先のそのときになってそれをアテにして行っても相手がそのときのことを覚えているとは限らず、同じ販売店と更新したとか他紙と契約した後やということも十分考えられる。
実際、それを真に受けとったらそうなりやすいのも事実や。
つまり、しつこいと思われず、さりとて忘れられん程度には通うとく必要があるということやな。
具体的にはどうするか。
その相手とあんたの都合を上手く噛み合わせることを考えることや。
『今のところ、自分なりの判断で本当に契約してくれそうなお客様は手帳に記録して』というのはええ方法や。
当たり前やが、この仕事はそういう客ばかりをアテにするわけにはいかん。
もっとも、そんな客ばかりが数千人もおるのなら、いくら3年先やと言うても順番に廻ればそれで十分やけど、そんなことがあるわけはないわな。
まあ、一つのバンク(販売店の営業区域)に4、5人程度そういう客がいとればええ方と違うかな。
そのバンクに入る頻度にもよるが、あんたの手空きの日や時間帯に、そういう客を廻るようにしたらどうかなと思う。
それも、わざわざ来たというのやなく、近所に来たからついでに顔を出したとい形にすることや。
できれば、そのときには勧誘の話は避けた方がええ。特に、最初の段階ではな。
その際に、捨て材(映画や遊園地の割引券などの金のかからないサービス品)を渡してご機嫌伺いするわけや。単なる世間話だけでねええがな。
あるいは、その家の近くに行って、その客が表に出ていれば、軽く挨拶を交わすだけでもそれなりに効果的やと思う。
田舎ということで、そこの家が農家、あるいは家庭菜園などをしとるのやったら、その現場まで行って挨拶するのも手や。
これなら、数を重ねてもしつこいと思われることは少ない。熱心やな、またええ人やなと好意的に受け取って貰えることの方が多いと思う。
調子の悪いときに廻るのでもええ。
そのときの状態にもよるが、ワシは、インターフォンキックなどが多くて気分の滅入るときに気分転換も兼ねてそうすることが多い。
こういう客は、先に言うたように門前払いというのは少ない。というより総体的に気のええ性格の人が多く話くらいは聞いてくれる。
つまり、雑談相手には持ってこいの客ということになるわけや。
ワシの経験から言うても、しつこく勧誘するようなことをせんかったら確実に心やすくなれる。
そうなれば、あんたの狙いである『早期に契約』ということも可能になる。
例えそうはならんでも、その契約時期になれば、その客もあんたのことが気になり、他と契約することも少なくなるはずやと思う。
ワシら拡張員にとって、この話を聞いて貰えるというのは精神的にも有り難いわけや。
直接、そのときにカードにならんとしても自分の気持ちをリフレッシュさせ、次に向けて気力と意欲をかき立てることができるさかいな。
適度に切り上げられるのなら、ちょうどええ休憩にもなるわけや。
それに今時分のように暑い日が続くと、慣れてくると客によれば「冷たいお茶でも飲んでいって」と言うて貰えることもあるから、ある意味、一石二鳥にもなる。
もちろん『お客や状況によりけりで一概には言えないでしょうが』というのもあるから、すべて上手くいくとは限らんがな。
あんたには、今更やとは思うが、やはりその客の見切りというのも必要になる。その脈があるかないかの判断が結果にも大きく左右するさかいな。
これについては、あんたとその客との間のことやから、ワシがいくらこうしたらええやろうと言うても意味がないと思う。
ワシとその客が上手くいって、そのとおりしたからというても、あんたがそうなるとは限らん。また、その逆もある。
人と人との機微については口で説明できんさかいな。
ただ、少なくともこれだけは言える。接触可能な相手とは、持っていき方次第で人間関係を作ることは可能やと。
その人間関係を作るコツをあんたなりに会得できたら、ええ財産になると思うで。
この人間関係というやつは面白いもので、その輪が拡がりやすいという利点がある。客が客を呼ぶということが実際にあるさかいな。
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