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NO.599 新聞配達終了後の電話当番とタイムカード打刻について


投稿者 tama さん 新聞販売店従業員  投稿日時 2008.7.18 AM 7:03 


私の販売店では週に一度くらいで朝刊配達業務終了後、朝9時までの電話当番業務があります。(ほかの販売店でもあると思いますが)

で、自分としては朝1時頃からこの電話当番が終了するまでの間は仕事という認識があるためにタイムカードの打刻は電話当番が終了するときに打刻するのですが、朝9時に出勤してくる店長が自分が9時間際で打刻するのを見て「電話当番の日でもタイムカードの打刻は朝刊配達が終了した時点で打刻するように。配達終了時間を把握するため」というのです。

自分以外の店員は電話当番の日でも朝刊配達終了時に打刻しているのですが、これっておかしいのでは?と以前から思っていました。
 
もし当番中に新聞を届けに行った時に事故でも起し、配達終了時に打刻していてこの事故が業務外のこととして片付けられてしまうのではと思っています。
 
どうかアドバイスお願いします。


回答者 ゲン


あんたのところの就業規則にもよるから一概には言えんが、一般的には早朝の電話当番に対しては「手当」が出とるはずやから、「電話当番の日でもタイムカードの打刻は朝刊配達が終了した時点で打刻するように。配達終了時間を把握するため」というのは、それなりの整合性がありそうや。

これが、残業手当に該当する時間外労働の記載を阻止する、あるいはごまかすための指示やというのなら問題はあるやろうがな。

もっとも、新聞販売店には、その残業手当という概念自体がほとんどないから、その意味で言うたというのは考え辛いがな。

ただ、その残業手当ということに関しては、これはこれで問題は多いがな。それについては『NO.145新聞購読料金の切り取り行為は違法なのでしょうか?』 を見て貰うたら分かると思う。

『もし当番中に新聞を届けに行った時に事故でも起し、配達終了時に打刻していてこの事故が業務外のこととして片付けられてしまうのではと思っています』というのはそれほど心配せんでもええと思うがな。

『新聞を届けに行く』というケースは、顧客から電話で不配の苦情があってのことやから、それは調べればすぐ分かることや。それは業務以外の何ものでもないさかいな。

また、販売店がそうするメリットというのが考えにくい。

あるとすれば、事故が起きた際に労災の申告を拒否するくらいのことやが、明らかにそれと分かることをすれば、その販売店、および経営者の立場自体が拙くなる。

あるいは、ごくまれに労災保険に加入してないからというケースも聞くが、これもあかん。

労災保険は強制適用が法律で義務付けられとる。

この労災保険は労働基準監督署の管轄やが、ここは労働法上における警察権を行使することできる。

今回のあんたの危惧するケースを労災隠しと認定されたら、その罰則は非常に厳しく、ヘタしたら懲役までくらう可能性すらあるということや。

新聞店は適用除外業種やないから、従業員に労災事故が起きたら速やかにその申請をする義務がある。それに対しての一切の言い逃れはできん。

その際、従業員から保険料は一切徴収されず100%事業主が支払うものということになっとる。バイトも含め全従業員に適用される。不法就労の外国人すら労災法上は保護される。

さらに、事業主が保険料の納付いかんに関わらず、また未加入であっても労働者は当然の権利として労災を申請できる。治療費は自己負担ゼロ。全額保険で出る。

休んだ場合の休業補償は、4日以降から法律上では60%、また他の制度から20%支給され実質80%の保障が受けられることになっている。

保険がおりない最初の3日間の休業補償は、労働基準法により事業主が支払うよう義務付けられてもいる。

また、その事故で相手に人的被害を与えた場合、その販売店が任意保険に加入していなくても、ある一定までは、そのバイク自賠責保険から出るから、それほど心配することはない。

その事故と保険に関しては、当メルマガの『第6回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■事故と保険の話』 というのを最近発行したばかりやが、その中に詳しい記述があるから参考にしてくれたらええ。

ただ、それでも『業務外のこととして片付けられてしまうのではと思っています』という危惧がぬぐい切れんのなら、そのタイムカードに、言われたとおり打刻したあと、当番と書き添えといたらどうや?

もちろん、それをコピーしとけば後に、それに関して争いになった場合有利になる。

その記載も認めんということであれば、そのタイムカードの控えをすべて書き留めておくのは面倒でも、せめて当番日くらいは克明に手帳なんかに記載しとくことや。

今やったら、自分のパソコンにデータとして残すのでもええ。もちろん、携帯電話の保存機能を使う手もある。

後日、裁判などになっても、それらは結構、有力な証拠として扱われやすいさかいな。

まあ、客観的に見て、今回のことでそんな心配をする必要はないとは思う。

ただ、信頼できん所で働いているという思いがあるのなら、万が一のために証拠やデータを残しとくことは身を守る有効な手だてではあるがな。


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