新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.60 拡張員の、給料って、どんなふうに、誰が決めるんでしょうか
投稿者 匿名希望 女性 投稿日時 2005.1.15 AM11:14
拡張員の妻でした。給料によるイジメを受けた主人を、退職させました。ヒドイ時は10000円もない給料だったり、新規契約しかカウントしなかったり、基本給も、もらえない状態が多すぎました。
基本給のいみが解らないんですが。本社の規定だからとしか言わないで、文書などによる説明なんか、なにもしてもらえませんでした。拡張員の、給料って、どんなふうに、誰が決めるんでしょうかね。
回答者 ゲン
拡張員の収入形態は、その団それぞれで違う。すべての団で統一されとるということもない。ただ、大きく分けて2種類ある。
一つは、ワシとこの団のように、完全フルコミというやつや。完全歩合給。上げたカードでしか収入はない。プレミヤもそれに付随して上下する。
ワシらは実質は雇われやが、表向きは自営業者ということになっとる。税金も自分で申告して払わなあかん。
もう一つは、基本給プラス歩合給というのがある。こちらは、表向き団という営業会社の会社員ということになる。
この二つは、システムが若干違う。いずれにしても、拡張員はカードを上げな金にはならんようになっとる。良うカードを上げる者にはええシステムやが、そうでないと辛い仕組みや。
ご主人が勤めてた団は、話を聞く限り、基本給プラス歩合給のある会社やと思う。
あんたの言う基本給というのは、このケースでのことやと思う。一見、基本給というのは、成績に関係なく支給されるという認識が強いが、拡張会社の場合は、上げるカードに制約を設けとる所が多い。
例えば、新勧(新規勧誘カード)30本で基本給15万円という具合や。因みに、拡張員は新勧、新規契約分しか契約とは認められんのが普通や。越しも、認める販売店なら、新規契約扱いになる。
拡張員に止め押しを依頼する店もあるが、その扱いはいろいろや。新規契約分のカード料を払う所もあるし、極端に少ないこともある。どちらかというと、後者の方が多い。
基本給云々を言う場合は、新勧が対象のはずや。その条件が満たされん場合は、その基本給も上げたカードに比例して少なくなるというシステムを採用しとる所がある。
せやから、場合によれば「基本給も、もらえない状態が多すぎました」という状況になることもあるということや。ただ、その説明をちゃんとせんというのは、あんまり感心する会社やないな。
実質はフルコミみたいなもんやが、求人の都合上、基本給があるというシステムを採用しとる所がある。基本給のある営業会社というのは、募集するには響きがええという理由からな。
もちろん、ワシを含めて、この世界に浸かり切っとる者は、そんな話は真に受けんけどな。拡張の仕事は契約を上げな金にならんというのは、どこでも一緒やからな。
ご主人が勤められてた団がどういう所か分からんけど、給料のイジメということやないと思う。システムがそうやと言うに過ぎんからな。それとも、そう思う何かがあるのかな。
拡張員の給料は、その団の団長が決める。社長やな。株式会社、有限会社ならその会社の規定のようなものがあり、それで決めることもある。
拡張会社の基本的なシステムはカードを上げる者には優遇し、上げられん者には冷遇ということになる。1本の単価に差が付くだけやなしにあらゆるプレミヤにも差が付く。
働いとる者には理不尽に思うかも知れんが、拡張会社としたら仕方のない面もある。拡張員が上から成績のことで厳しく叱責されるように、拡張会社も専属新聞社から叱咤激励される。
場合によれば、団の再編、団長交代というケースもあるから、並の営業会社よりも厳しいのが普通や。新聞社からの100パーセント出資の小会社のような団は特にそうなる。
並の営業会社なら今年だめでも来年がんばればええということになるが、拡張会社にはその来年が保証されん。思う以上に厳しい世界なんや。必然的に拡張員には甘いことは言うてられんということになる。
断るまでもないやろと思うけど、会社の決める規定で従業員が有利になることはまずない。特に、組合もない拡張員には尚更にな。
本社の規定ということは、ご主人が勤めてた団は、そこそこの規模の会社の支店ということなのかな。
まさか、新聞社のことやないと思う。新聞社と拡張団は表向き関連のない別企業や。せやから、拡張員の給料に関しては、新聞社は一切タッチせんし、出来ん。新聞社が関わり合いを持つのは、その会社の社長である団長だけやからな。
あんたの言う「ヒドイ時は10000円もない給料」ということやが、その認識も何かの誤解があるのやないやろか。
普通の拡張員は、1ヶ月の経費として、寮費、光熱費、団諸経費が給料から天引きされる。
手持ちの金がなければ、上げたカード料の半額程度に当たる「定期」と呼ばれる前渡し金をその都度受け取っとるのが一般的やから、その分も給料から差し引かれる。不良カードが出てれば、その分もマイナスとなる。
即入というて、翌月からの購読契約には1本につき500円〜1000円程度のプレミヤが別に即金で貰えるのが普通や。
「10000円もない給料」と聞けば、そんなひどいことがと思うかも知んが、それは、すべて差し引かれた残りやと思う。
普通、仕事をして給料を貰えば、そこから、家賃や光熱費を支払う。前借り金は、一応、生活費になっとると思うから、その分も給料のうちや。
実質の給料というのは、その総ての経費と貰った金額ということになる。寮費、光熱費、団経費なんかは、その団にもよるし、地域によっても住居の質によっても違う。前借り金も人によってそれぞれや。
せやから、ご主人の給料の金額の断定はワシにも出来ん。しかし、いくらか手元に残るということは、少なくとも借金はなかったようや。
赤字も出しとらんということになる。もちろん、それがええのかどうかというのは、当事者が決めることやがな。
これは、この世界では、ええ方やないけど、それほど悪いとも言えん。特に、未経験者やったとしたら尚更にな。普通、初心者から3ヶ月程度、それで乗り切ったら、この世界ではまずまずやということになる。
その先も同じようやと厳しいがな。拡張の仕事は出来る者と出来ん者が、はっきりと色分けされてくる。出来る者は、かなりの報酬を得ることも可能やが、出来んと辛い。食うに困る者もざらにおる。
営業の仕事は総体的にそういう感じやが、この拡張の仕事は特にそれがはっきりしとる。手軽に勤められる反面、稼ぐのはそれほど簡単なことやない。その人間次第ということになる。
向き不向きが大きく左右する。今更、言うまでもないことやけど、拡張の仕事は人に嫌われとる。稼げたら、それも我慢出来るが、食うのも苦労するようやと誰でも嫌けがさす。
せやから、辞める者も多い。何でもそうやけど、見切りがつけられるのなら、なるべく早めの方がええ。その人間に不向きな仕事をするのは不幸や。ええことがない。
もっとも、拡張団にもいろいろあるから、他ではもうちょっとましな成績やったかも知れん。団やその地域、販売所によっても多少違うこともあるからな。
ご主人は、その団のこの仕事に不向きやったということや。別に、ご主人が能力がなかっということやない。実は、この仕事では、ご主人のような人が結構多い。この拡張で稼げる人間というのは、極一部や。
この拡張の仕事で成功する確率は低い。ちょっとしたコツが分かれば、それほどとは思わんやろけどな。そのちょっとしたコツを教えることが難しい。
時すでに遅しの感やけど、そのちょっとしたコツを拡張員に教えられる団で仕事してれば、どうなったか分からんやろけどな。
嫌な思いをしたやろけど、すべての拡張団がそうやということやないのだけは分かって欲しい。ええとこも悪いとこもあるということを。
ご主人の場合は、今は他の仕事で頑張っておられるということやから、結果的にはそれで、良かったのやないかな。
これは、いつもワシが言うてることやけど、人間悪いことがあってもそれが必ずしも悪い結果に結びつくわけやない。
そういう、理不尽で辛い経験もこれからの人生で必ず役に立つはずや。何より、その境遇をご主人と二人で乗り切ったということは貴重な財産となると思う。少々のことでは挫けんやろ。お二人の絆も深くなったことやろしな。