新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.600 この場合、契約は成立したと言えるのでしょうか?
投稿者 S.Kさん 投稿日時 2008.7.19 AM 9:57
はじめて質問させて頂きます。よろしくお願いします。
昨日、うちにも新聞の勧誘員の方が来られました。
出掛けようと思ったら同じアパートの2件隣の部屋の前にいて、勧誘をされました。
しかし、用事もあったためハッキリ断り出掛けたわけですが・・・・・・
用事を済ませて帰ってくるとどうやら近くで待ち伏せしていたようで、玄関に入る前に捕まりました。
そして、ドアに手をかけ、『入れさせねぇよ?』と脅しとも取れることを言われ勧誘を迫られました。
『3ヶ月俺が払うから、お前には何もしなくていい。その後一切勧誘にも来ない。後で金を払えとかも絶対しない。ここに書いておく。俺の名前とケータイ番号も教えておくから、何かあったら掛けてくれ』と必死の勧誘でした。
その勧誘員の話では、『毎月1万5千円ずつ給料が下がるより、3千円自腹切った方がましだ。だけど、このことはお店にも近所の人にも言わないでくれ』と。
1時間以上断り続けましたが、あまりにシツコク・・・何度も今後の勧誘、お金の問題に関して間違いが無いのか確認して、渋々来年の1月〜3月までの契約をしてしまいました。
しかし、どうしてもそんなうまい話があるのだろうか?と、不信感がぬぐいきれず、こちらでみなさんの投稿されたものを読ませて頂きました。
『3ヶ月無料』はたいていの場合、勧誘員の誘い文句でしかないというお話で・・・・どこでもそうなのか、と愕然としました。
これはやはり、解約をしようと思っているのですが、無知でその場を早く終えたかった私も悪いと反省しています。
ドサクサに紛れて、その方の名前やケータイ番号を書いたメモ、そして、契約書を何ももらっていないことに後で気付きました。
普通はお客様控えのようなものをもらって契約が成立するのですよね?
この場合、契約は成立したと言えるのでしょうか?
販売店がわからないのであれば解約の仕様が無いと思いましたが、頂いた景品のカタログの応募ハガキに販売店が書かれており連絡をすることができますが、アドバイスを頂いてから慎重に進めたいと思っています。
それと、契約の際に・・・私はまだ決定ではないですが、来年の1〜3月まで今の場所に住んでいるか分からず、いないかもしれないということも言いました。
そしたら、『それはそれでいい。黙っていなくなってかまわない。だけど、引っ越すかもしれないということは、もし、お店から契約ありがとうございますって電話があったとしても言わないでくれ』と言われました。
『今年中に引っ越すことになっても黙っていなくなっていい』とも言っていたのですが、そんなことでいいのでしょうか?
あとでトラブルになったりしないでしょうか…?
放っておいてもかまわない、無料でいいというのであればこのまま放っておいてもいいですが、待ち伏せをして、脅し文句を言い、契約書の控えすらないという点から、やはり不信感がぬぐえず、来年になってからトラブルになるのも言った、言わないになってしまうと思うので、ハッキリさせた方がいいかな?と思っています。
クーリングオフの説明も少し見たのですが、契約書を受け取ってから8日間ということですが、契約書をもらってない点で法的には契約しているのか、していないのか・・・・どうなのでしょうか?書いてしまった時点でやはり成立なのでしょうか…。
この場合、契約を解除する場合はどのような手順で進めたらよろしいでしょうか?
今後の為お聞きしたいのですが、待ち伏せをされて家にも入れない状態で1時間以上ごねられた場合、どのように断るのが1番いいのでしょうか?
普段はインターフォンで断り、ドアを開けることはないのですが、帰ってくるのをずっと待ち伏せされているとは思わず・・・・。
警察を呼ぶというお話も拝見したのですが、それがいいのでしょうか?
そういうことにも機転が利かず、自分自身情けないです。
無知でほんと情けなく反省しております。アドバイス頂けたら幸いです。
回答者 ゲン
あんたの話を聞く限り、相当たちの悪い勧誘員やなというのが良う分かる。このまま、ほっとくとかなりの高確率でトラブルになるやろな。
あんたは『これはやはり、解約をしようと思っている』と言われとるから、ワシもそのつもりでアドバイスする。
『ドサクサに紛れて、その方の名前やケータイ番号を書いたメモ、そして、契約書を何ももらっていないことに後で気付きました』というのは、その勧誘員は意図してそうしたと思われる。
通常、ちゃんとした契約を交わしたという自信があれば、必ず契約書は渡すもんや。
あえて、そうしたのは、おそらくは、あんたのクーリング・オフを阻止しようという魂胆からやと思うが、それはあまりにもバカげて稚拙すぎるやり方やと言うしかない。
こんなことがまかり通るはずはないのやが、考えの足らんアホはそれが通用すると思うのやろな。
『普通はお客様控えのようなものをもらって契約が成立するのですよね?』というのは当たり前のことや。
しかし、意図して、その契約書の控えを渡さんような人間は、必ずと言うてええほど「確かに渡した」と言い張ることが多い。
「それは、契約者がなくしたか捨てたんやろう」と言うてな。クーリング・オフの期間さえすぎれば、その争いに持ち込む腹なのはまず間違いない。
『この場合、契約は成立したと言えるのでしょうか?』というのは、現時点ではどうにでも解釈できるから何とも言えん。
新聞の場合、契約書を渡してないということは、業者の絶対義務であるクーリング・オフの告知をしてないということになるから、その期間に終わりはないとも言える。
つまり、それが契約成立していたとしても、いつでも解約可能ということや。
契約書を貰ってないと強行に主張すれば、最終的にはあんたに有利になるとは思うが、それやとその真偽を巡って、それが認められるまでには時間がかかりすぎることになる。
もっとも、それでもええなら、その方法もアリやがな。
しかし、せっかく、今がそのクーリング・オフの期間中なんやさかい、それを活かさん手はないと思う。
即決を希望するのなら、多少、意に沿わんかも知らんが、これから言う方法を勧める。
現在、その契約が成立しとるかどうかを、その販売店に直接問い合わせて確かめてみることや。
念のため、その電話をする際、その会話を録音しといた方がええと思う。後で役立つかも知れんさかいな。
具体的には「昨日、そちらのセールスが来られて契約した○○という者ですが、契約書が見当たらなくて分からないのですけど購読開始はいつからになってました?」と聞く。
契約が成立しとれば、「来年の1月〜3月までの契約です」と言うはずや。
普通やったら、ここで、その勧誘員とのやりとりをブチまけたら終いやとアドバイスするところなんやが、あんたのケースは、その勧誘員が、拡張員なのか販売店の人間なのか、もう一つ分かり辛いから、ここは、それだけ分かると「そうですか」と言うて、引き下がった方が無難やと思う。
万が一、その勧誘員が、その販売店の人間やったら、「あれほど内緒にしてくれと言うてたのに何でバラしたんや」と怒鳴り込んでややこしいことにならんとも限らんさかいな。
その契約が成立しとるとなれば、昨日を契約書を受け取った日として晴れてクーリング・オフの手続きをすれば、それですべて終わる。
その詳しい方法は、『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』 にあるから、それを見て貰うたら手順が分かるはずや。
多少、金はかかるが、『あとでトラブルになったりしないでしょうか…?』と気にするのなら、このクーリング・オフの文書を出しておけば、その心配はなくなるからベストやと思う。
万が一、そのクーリング・オフの文書を出した後、その勧誘員が文句でも言うてくれば、そいつはそれで墓穴を掘ることになるさかいな。
「特定商取引に関する法律」の第6条第3項に、
販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
というのがある。
分かりやすく言えば、契約した客がクーリングオフを申し出ているのに、それを防ぐため、あるいは撤回させるために脅したり威圧して困らせるような行為の禁止ということや。
これが適用されると罰則規定は2年以下の懲役・300万以下の罰金が科せられるとある。軽い罪やない。
実際、『NO.108 近所で販売店員が逮捕されました』 で行きすぎた勧誘で逮捕された販売店の従業員がおったが、実際の逮捕容疑がその法律やった。
これは、その当時、テレビ放映もされ、その販売店の名前はおろか、その従業員の名前も放送された。この業界では有名な事件や。
せやから、その勧誘員が来たら、「帰らないのなら警察を呼ぶ」あるいは「新聞社の苦情センターに連絡する」と言えば、ほとんどは大人しく引き上げるはずや。
それでも、ややこしいことを言うようやったら本当に警察や新聞社に通報すればええ。それで終わる。
まあ、その人間が少しでも常識が残っとるような男なら、あるいはその販売店がまともな所なら、クーリング・オフ後に訪問するようなことはないやろうがな。
つまり、文書でクーリング・オフをするのは、それくらい効果のあることなわけや。
可能性は低いが、その販売店が「そんな契約はないですね」と言うた場合は、どうするか。
万が一、その勧誘員が後日、その契約書を販売店に提出せんとも限らんから、その事情を話しといた方がええやろな。というよりか、ないはずの契約の問い合わせがあれば、その販売店の方から事情を聞くわな。
当然、その会話があるだけで、その契約がなかったという証拠になる。それを確定させるためにも、その会話の内容を録音しとくのは意味があるわけや。
『3ヶ月無料はたいていの場合、勧誘員の誘い文句でしかないというお話で・・・・どこでもそうなのか、と愕然としました』というのは、事実、タダやったということもある。
但し、その場合は、その場で、その新聞代に匹敵する現金を渡すということがある。それが後からやというのは、嘘やったというケースが多いということや。
もっとも、中には、後からでもそれを守る人間もおるようやから、その勧誘員が絶対に嘘をついとるとは断言はできんがな。
それに関連した話は『第5回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■懲りない勧誘の手口 その1 タダ売りの果てに』にあるから、暇なときにでも見てくれたらええ。
『今年中に引っ越すことになっても黙っていなくなっていい、とも言っていたのですが、そんなことでいいのでしょうか?』
それがあかんというのは、あんたには良う分かっとることやと思うが、くれぐれもこういう口車には乗らんようにした方がええで。
これは、モラルとか正義という問題だけやなく、それにうっかり乗ることで、詐欺の片棒を担ぐことになるからや。
引っ越すことが分かって契約するということは、当然やが、その新聞を初めから購読するつもりはないということになる。
実質的な架空契約や。
それにより、その勧誘員は、その販売店から拡張報酬を騙し取ることになるわけや。
加えて、あんたがそのとき、タダやという他にカタログの景品でも貰うてたら、それも騙し取ることになる。
厳密に言えば、それは詐欺罪になるということや。まあ、こんな程度で検挙されたという話は聞かんがな。
ただ、うまい話には、そういう大きな落とし穴があるということは分かってほしいと思う。
『今後の為お聞きしたいのですが、待ち伏せをされて家にも入れない状態で1時間以上ごねられた場合、どのように断るのが1番いいのでしょうか?』
これは何も難しく考える必要はない。「帰ってくれ」の一言でええ。
刑法第130条に不退去罪というのがある。
不退去罪と言うのは、帰ってくれ、出て行ってくれと要求されたにも関わらず、それらの場所から退去せん場合の罪ということになる。
これに違反すると、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処するとある。
それでもしつこく粘るようやったら「帰らんかったら、不退去罪になるから警察を呼ぶで」といえばええ。
今回のように、ドアに手をかけ、『入れさせねぇよ?』と脅したということなら、脅迫罪も加わると考えられる。
『警察を呼ぶというお話も拝見したのですが、それがいいのでしょうか?』というのは、ワシはええとは思うけど、それはあんた次第や。
その場のトラブルを恐れられるのなら、無理にそうしろとも言えんしな。
ただ、これだけは分かってほしいが、その勧誘員がそういう態度に出るのは、あんたがそうすれば落ちる、あきらめて契約すると考えるからや。
つまり、甘く見られたからということになる。当たり前やが、そういうことをする奴でも誰にでもそうするわけやないからな。
甘く見られたくないのなら毅然とすることやし、それができんというのなら、今回と同じことを繰り返さな仕方ないわな。
勘違いせんといてほしいが、それは選択の問題で毅然とせん方が悪いと言うてるのやないで。揉め事は極力避けるというのも立派な処世術やさかいな。
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