新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.615 拡張員を辞めた後の事故カードについて


投稿者 otoko さん  拡張員  投稿日時 2008.8.22 AM 2:30


いつも拝見させていただいております。

事故カードについて。拡張員を長く続けていれば必ずと言っていいほど、事故カードは、多かれ少なかれ付き物だと思います。

拡張員として働いている分には、事故カードになった分、給料から引かれていますが、拡張員を辞めたら、一体どうなるのですか?

不安で仕方ありません。


回答者 ゲン


ワシらの世界の事故カードというのは大きく別けて2種類ある。

一つはやむを得ないもの。

例えば、契約後に客の都合で、その販売店の営業区域外に急に引っ越しして契約を解除、またはそのままおらんようになったという場合や。

拡張員が事前にその事実を知っとるのやなかったら、それについてはどうしようもない。

客が、その理由を言わず、クーリング・オフをした場合も、そうなる。

クーリング・オフというのは法的にもその理由を伝える必要がないとされとるから、そう主張されると仕方ないわけや。

独居契約者が購読開始前までに死亡するというケースもそれになる。高齢者からの契約で、数年先の先付け契約を貰っている場合には、そういうリスクがある。

あんたが『拡張員を長く続けていれば必ずと言っていいほど、事故カードは、多かれ少なかれ付き物だと思います』というのが、それらのケースの場合、それで貰った拡張報酬は、言われておられるとおり、『給料から引かれています』ということになる。

やむを得ない場合は、特にペナルティというのはなく、それでたいていは決着が着く。

もう一つは、契約者と交わした契約が不正行為の発覚により解約になった場合。

もっとも、これは事故カードというより、不良カードと呼ぶケースの方が多いがな。

てんぷら(架空契約)カードなど、その販売店が禁止行為に指定しとる契約を取ってきて、それが発覚した場合は、その拡張報酬の返還プラス罰金などのペナルティが科せられるのが普通や。

ただ、これらのシステムは、その新聞拡張団毎でかなり違う。また出入りする販売店の判断によってもいろいろ変わってくる。

契約後、1ヶ月が経過すれば、その拡張員に責任が問われんという所もあれば、実際に購読が開始されるまでは、その責任から免れられんという所もある。

それによるペナルティの程度もいろいろや。統一された決まりというのが一切ない。

きついケースやと、その不良カードに対して『販売店謝罪費用』などという名目で罰金を徴収しとる拡張団もあると聞く。

あんたの質問は、それらの可能性を残して『拡張員を辞めたら、一体どうなるのですか?』ということなのやろうと思うが、それについてもその拡張団毎で違う。

その金額次第では、あきらめてそのままという所もあれば、『NO.449 裁判にすべきでしょうか?』 のケースのように、東京から関西の身内の方にまで、わざわざその請求をしにやって来る拡張団もある。

この場合は、借金という名目やったが、このペナルティの不払いというのもたいていは、その借金扱いにされることが多い。

もっとも、法的には、そのケース毎で、それが果たして借金に当たるのか、妥当な請求なのかどうかの問題は残るがな。

一般的には、辞めた後、その拡張団があんたの居場所を知っていれば、事故カードによる拡張料の返還請求は普通にしてくると思う。

ペナルティとしての罰金も加算されるかも知れん。

しかし、あんたの居住地が分かん場合で、その金額が数万円程度というのであれば、あきらめるケースもある。

但し、昨今の拡張団は『NO.449』のように雇用する場合、保証人を必要とするケースがあるから、それやとその保証人にその請求が行くやろうと思う。

あるいは、あんたが行く先不明の場合、その拡張団次第では、新聞セールスインフォメーションセンター(旧・新聞セールス近代化センター)に、「借金あり」という登録をするということも考えられる。

その場合、それを成算せん限りは、あんたを雇う拡張団は少ないのやないかと思う。

一般的には、あんたに不正を働いているという心当たりがなければ、契約者の急な引っ越し、クーリング・オフ、独居契約者の死亡などというケースは少ないはずやから、辞めた後の請求も知れとるさかい、それほど心配する必要はないのやないかな。

あんたに不正行為で契約があって、それが発覚するので『不安で仕方ありません』というのなら、その不安を払拭してから辞めることや。

例えば、てんぷらカードのような不正行為の場合、それの該当する販売店に入店した折り、そこで正規の契約を上げて「以前の○○さんの契約はキャンセルになりましたんで、この契約と交換してください」と言えば、たいていは何も言わず応じるはずやと思う。

俗に言う「差し替え」といういやつやな。

そうやって、できる限りそういうのを少なくしておけば、その分、心配も少なくて済むのやないかな。

後日、辞めてから発覚した事故カードの場合、すでに受け取っていた拡張報酬は返還せなあかんと思うが、それに付随する『販売店謝罪費用』などという名目の罰金に対しては、あんたが納得できんかったら、弁護士などに相談するというのも手やと思う。

その請求金額次第では、その方が安くつく場合もあり、後腐れも少なくて済む可能性が高い。

ベストなのは、その憂いをなくしてから辞めることやとは思う。

ただ、大きな借金をしとるのやなく、また、その事故カードが大量に発生するおそれがなければ、請求されたところで、大した額にはならんのと違うかな。

ただ、それについては、あんたの方にも事情があるやろうから、これ以上のアドバイスが必要な場合は、その詳しい事情と状況を聞かせて貰うしか何とも言いようがない。

結論として、今回のワシのアドバイスで良ければ、良う考えられた上で、あんた自身がどうするか決めたらええと思う。

また、さらに質問されてもええがな。相談はいつでも受付けとるさかい。


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