新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.618 不着を少しでも減らす方法はありますか?
投稿者 ya さん 新聞販売店従業員 投稿日時 2008.8.29 AM 7:33
不着について、どう思われますか?
自分が働いている店では学生の不着があまりにも多過ぎます。週に少なく見ても3回はあります。
ゲンさんが言われるとおり人間には絶対にミスがある! そのとおりだと思いますが、多過ぎると思いませんか?
自覚の問題だと思いますが、少しでも減らす方法はありますか?
回答者 ゲン
『不着について、どう思われますか?』ということやが、配達員が絶対したらあかんのは言うまでもないことやと思う。
新聞販売店において客からの苦情が最も多いのが、この不着(不配)やさかいな。しかも、これは単に苦情だけに止まらんケースもある。
拡張で廻っとると良く分かるが、長期購読者が新聞を変更する理由として一番多いのがこれや。
たまたま、不着のあった家に勧誘に行った折り、客がそれをぼやけば、ほぼ100%に近い確率で成約になる。
新聞販売店にとっては最悪の結果を招くこともあるわけや。
それが、『週に少なく見ても3回はあります』というのは異常なレベルやないかと思う。
確かに、ワシは常にミスはつきものやとは言うてるが、それには限度というものがある。
このQ&Aに『NO.208 配達人の罰金制度について』というのがある。
これは、全国の販売店関係者から寄せられたアンケートなんやが、この中にあんたの疑問についての答えが多く含まれとると思う。
例えば、四国のある全国紙の店長さんからは『遅刻、不配、誤配が目立ったりして、改善が見られなければ、解雇します。月に5回以上、こんなことが続けば、解雇も止むなしと考えています』という厳しい意見が寄せられとる。
さらに『各配達員、月に不配は3件あれば異常です。よっぽどの理由があれば別ですが。3回を何ヶ月も越えるようだと、配達部数を減らす通知をします』とのことや。
関東のある全国紙の店長さんからは『不着=1ヶ月に5件までセーフ!6件から罰金500円、11件目から罰金1000円です。誤配=も一緒です』というのがある。
また、九州の全国紙の所長さんは『私の所にも、今30名ぐらいの配達はいますが、その中で1名に対してだけ、2度以上の不配に対して罰金を取るようにした時期はあります。何度注意しても、またやるもんですから、言っても自覚してもらえないと判断したからです』と、特定の人間だけがそうやという。
これらからすると、その販売店次第で違うというのは多少あるようやが、不着(不配)が許される限度というのは概ね月5回くらいまでのようや。
それ以上は多いということになる。
それから言えば、あんたの言う『週に少なく見ても3回はあります』というのは論外の多さということになるわな。
『自覚の問題だと思いますが、少しでも減らす方法はありますか?』ということやが、これについても様々な意見が寄せられとる。
参考になりそうなものを抜粋して紹介する。
1.不配しやすい家は、帯び付けをしたりして、未然に防ぐ指導から始まりますし、予備紙は1部しか持たせません。
2.手板(仕訳表)の裏に、不配リストを作っておいて、余ればその家を中心に折り返したりさせます。留守止めも含め、毎日の部数調整をする事も大事です。
3.基本的に気持ち良く仕事をしてもらう環境と、ルールの徹底を配達人に遵守させる事が、不配の減少につながると考えます。
4.新聞店はえてしてどうしようもない人間が集まりがちです。そんな人間を甘やかすとろくなことになりません。募集費を多くかけ、不適格な人間は切っていく。それをやらないと新聞業界はいつまでも同じです。
5.結果論として不配はなくならないと思っているので、不配が起きた時点で配達員さんにありのままを報告、次にどのようにすれば同じ問題が起こらないか話し合って配達の工夫をする。それを店内会報のような形で翌日直に従業員全員にナレッジ(情報共有)しております。
6.注意の仕方や、配達の順番や、一件の不配に対する話がきちっとできれば、直ることが多いと思います。1回あることは仕方ないこととして、2度目が起きないようにどうするか、お互いに工夫できることを話すことですかね・・。時には罰金もありえるということですかね・・。
7.配達新聞の上に「お客様が怒っています」「不着がないよう十分注意して下さい」とコメントが書いてあるA4サイズの紙が必ず置かれています。
8.ノートにいつ、だれが、どこの区で不着したか記載しています。店でどんなに注意してもあとは配達人1人1人の注意力がものをいうのじゃないかと思います。
9.私の考えとしては罰金課しても不着はなくならないと思います。かえってよく罰金払ってるものが他の人の足をひっぱるような行為を助長しないか心配です。ですから、何度でも個人の注意をうながす努力を粘り強くやっていくことが重要ではないかと思います。
10.僕の考えでいうと、月5件くらいまでは考慮してもらって罰金はそれ以上にしたらと思うんですが。まったく廃止というのも、意識が低下するかも知れませんし。
11.罰金で妙なプレッシャーがかかったのか、今まで不配しなかったような人まで不配したりとロクな事がなかったので、やめて欲しいです。
12.不着は順路帳をはずして、記憶に頼ることからの個人の過失が大きいです。
13.業務改善報告書みたいなものを作って、反省と対策を促すような方法をとっていました。
14.他の販売店では、次の月1件でも不着したら解雇するというような、恐喝みたいなやり方をしていました。高齢のバイトを解雇するために、不着を理由にするというえぐいやり方もあります。
15.不着の予防については、順路帳の作り方、留守止めの方式、増減簿の精度、連絡の申し送りなど、そういう細かいことを的確にやることが効果的だと思います。
16.たかが新聞配達と捉えず、配達の精度、速さ、などなど技術的なものに誇りを持って、そういう意識で従業員が取り組んでいる場合は、不着は恥だという意識が芽生え、自主的に1件の不着を配達が終わってから1時間も探すような、そういう意識下で業務が行われれば、望ましい状況にもなります。
17.数え紙も大事なことだと思います。把握しているかいないかというのは大事で、積む数まで俺はいちいち数えて、回戦ごとに数からたどってどこで不着したか推理して短時間で発見したりします。探すとそういう「勘」も養われると思います。
18.口で銘柄と名前を言いながら配るというようなこともかなり有効で、俺自身、やっています。
19.ペナルティや罰金よりも必要かもしれませんが、クレームを受けた時点での、その配達員自身のお客様への対応を徹底させることも効果的ではないかなあと思います。
これ以上は、ワシが付け加える必要もないやろ。その道の専門家の方々が言うておられることやさかいな。
あんた自身、共感されるものも多いはずやと思う。
ただ、その学生さんの場合には当て嵌まるのかどうかは分からんが、不着する環境や事情は考慮せなあかんとは思うがな。
それも、アンケートの中で指摘されとる。
1.「不配」と言っても後で「家人が先に取り込んでた」などの配り忘れとは限らない事で電話が掛かってくることもあります。
2.部数が多いところから、区域の構成によっては明らかに不着の危険が高い区域というのはやはりあると思います。
3.不着といっても明らかに抜かれていたり、悪意のあるお客さんが、新聞が入っていない振りをして電話をかけてきて、吹っかけてくるという場合もあります。
4.新しく入られた配達員さんや、急病等で人が足りなくなり急遽別の地区の配達を任された時はどうしても不着・不配はでてしまうのは仕方ありません。
というものや。
その不着が多いという学生さんに、ここにあるようなケースをちゃんと説明すれば、分かって貰えるのやないかな。
叱ったり、慰めたりするだけやなく、それを監督する立場の人間もそれなりに心配りをせなあかんということやと思う。
それをした上で、どうにも変わらんのやったら、どうするかの判断は、あんたの店のトップに任せるしかないやろな。
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