新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.622 行き詰まりについて


投稿者 otoko さん  拡張員  投稿日時 2008.9. 4 AM 0:12


質問宜しくお願いいたします。

今、自分がいる拡張団は毎月、約20の販売店に入って仕事をしています。

団員の数は約20名います。

各、班ごとに、だいたい約4、5名程度に分かれて、1日に4、5店程の販売店に入店して仕事をしています。

そうすると必然的に月に何回かは、同じ販売店に入る事があり、少し行き詰まりを感じています。

何回も同じ販売店に入ることを逆手にとり、見込み客などを作り行き詰まりを無くそうと試行錯誤しています。

そこで質問です。

こういった場合、ゲンさんなりの考えを教えてください。

必要な事とは何でしょうか?


回答者 ゲン


『必然的に月に何回かは、同じ販売店に入る事があり』ということやが、この仕事は基本的には自分自身のモチベーションの有無といった精神的なものが左右すると考えとるが、それ以外の外的要素が深く関係するのも確かや。

ワシは、なるべくなら販売店の所為(せい)にはしたくないのやが、旧メルマガの『第82回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■それはないやろ』に登場する、どうしようもない店も存在する。

その販売店の評判が悪く、またええ加減な所やと客の反応が悪いだけやなく、例え契約が取れてもすぐポシャる(解約)というのも珍しいことやない。

その手の販売店では、こちらがいくら客との人間関係を作って気に入られようと、その信頼を片っ端から壊すようなことを平気でされることが多い。

こちらが誠実であればあるほど、客からは嘘つきと思われることすらある。はっきり言うて、こういう所ではいくら頑張ってもどうにもならん。

そんな販売店があるのは残念ながら事実や。

そして、その地域での新聞のランクというのも勧誘する上で影響が大きい。

例えば、都市部では絶大な勢力を誇る日本最大のY新聞も、ある地方では、そのシェアが5%にも満たない三流紙扱いにされているというのが現実としてある。

そういう所では、単に人気がないだけやなく総体的にチラシの量も少ないから、少々の頑張り程度では、しんどいと思う。

それらの外的要素を除外して考えるのなら、そのやり方はいくらでもある。

それを言う。


限られた範囲で役立つ営業法


1.挨拶を徹底する。

実際の営業の現場で、その挨拶を実践しとる者は意外に少ないと聞く。

はっきり言うが、人間関係の基本はこの挨拶から始まると言うてもええくらい大事なものや。理屈では、たいていそれくらいは分かっとるのやが実践となると、それが途端に分からんようになる者がいとるようや。

ワシはバンク(販売店)に着いて解散したら、当然のように営業モードに入る。

訪問する客に挨拶するのは当たり前として、道ですれ違う人間にでも「こんにちは……ですね」と必ず声をかけられる状態ならかけるようにしとる。

「……」の部分は気候のことなどを言う。

「こんにちは、寒いですね」「こんにちは、暑いですね」といった具合や。

道でこんな風に声をかけられたら「ほんとですね」とほとんどの人が挨拶を返してくれる。

見知らん人間やと思っても、近所の知り合いと勘違いするんやな。これを長く続けとるとプラスになることはあっても、マイナスになることはない。

何度か同じ人間とそういう挨拶を交わしていると本当に知り合いになれることも多い。

この何度も会うということについてやが、限られた範囲を拡張するわけやから、同じ人に出会すことも多くなる。

上手くいけば、訪問した家からそういう人と出会うことがある。

新聞を断ろうと思うてても、普段、そういう関係があったら話くらいは聞くし、悪い印象がなかったら話も弾み勧誘がしやすくなる。

2.見込み客を作る。

これは、数多く入るバンク(新聞販売店の営業エリア)なら、たいていの拡張員が実践しとることやとは思うが、見込み客もただ作ればええというもんでもない。

効率のええ見込み客を確保するには、相手のタイプや自分との相性、感触などいろいろ考慮して、その程度のランク付けすることや。ABCというのでええやろうと思う。

そのランクに合わせて訪問数や接し方などを決めていく。

3.叩く場所の穴を作らない。

何度も入るバンクであっても、不思議と同じ場所を数多く廻るということになっている場合が多い。

確かに、何度行っても成約になる地域というのはあるやろうが、決まった営業エリアの中で限られた場所にしか行かんのでは、狭い場所をより狭くするだけになる。

往々にして、こういうときに「ああ、また同じバンクか」と思って気勢の削がれることが多分にあるのやと思う。

それを打破するには、叩いてない地域、対象客がある場合は無駄になっても行くことを勧める。無駄か無駄でないかそれでしか分からんさかいな。

4.叩くコースを作る。

そのバンクの広さ、世帯数などにもよるが、通常のバンクやと叩く軒数の設定をすることで、幾つかのコースが作れるはずや。

例えば、世帯数1万戸でシェア20%のバンクなら、残り8000軒がその勧誘対象となる。

1日200軒叩くとしても単純計算で40コース作れる計算や。

つまり、その気になってそのバンクをすべて制覇するつもりなら、相当数のコースが作れるということになる。

5.叩く時間帯やパターンを変える。

この飛び込み訪問営業というのは、在宅率というのがかなり影響する。

いつも自分なりに廻っているコースというのは得てして同じ時間帯になりやすい。

多くの人は決まった生活パターンを持っているのが普通やから、同じ時間帯なら同じ家が留守というケースが多いのが自然や。

それでは、そのいつもの留守宅の人間とは会うことすらできんということになる。

それを防ぐには、その叩く時間帯を変えることや。例えば、前回、終了した時点から逆に始めるといった具合やな。

当たり前やが、時間が変われば出会う人間が変わることも多いさかいな。

パターンを変えることで、その一つのコースが、2にも3にもなる可能性があるということや。


大体、こんな感じかな。

『必要な事とは何でしょうか?』ということやけど、最も肝心なことは、その範囲を自分で狭くするのやなく、広くすることやと思う。

どんなバンクでも、もう一度よく洗い出してみれば、一度も行ったことがないという場所も結構あるはずやし、一度も会ったことのない住民も多いと思う。

ワシは、入店する販売店が少ないほど人間関係が築ける確率は高いと考えとるから、むしろそういうケースの方を歓迎するがな。

入店する店が多ければチャンスもそれにつれて多くなると考えられがちやが、そのチャンスが必ずしも成約に結びつくとは限らん。むしろ逆やないかと思う。

入店する店が多いと、次に来るのはいつになるか分からんということで、たいていの拡張員は即決を求める。

その客と契約できるか、できんかの二者択一になるから、どうしても無理な勧誘になりやすくなる。

そういうのは、あまりええ結果を生むことはない。

反対に、いつも同じような地域に行くのなら、それほど切羽詰まった考え方をせんでもええから余裕が持てると思う。

この余裕を持つというのは大事なことで、ゆったりと構えることができるから、トークにもそれが表れ説得しやすくなる。

多くの人が勧誘員に対して抱く嫌悪感は、その余裕のなさからくる、がっついた勧誘のやり方やないかと思うんやがな。

何でもそうやが、その状況が悪いと考えるのやなく、むしろ、その状況の中にこそプラスの要素が数多く隠れとるのやと知ることやと思う。

見方を変えれば、どんなものでも違ったものに見えるはずやさかいな。


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