新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.635正攻法と、ひっかけについて
投稿者 otoko さん 拡張員 投稿日時 2008.10.19 AM 3:05
質問宜しくお願いいたします。
今の自分の基本の営業スタイルはひっかけです(バンクや販売店によって正攻法に変える場合もあります)ゲンサンなりの考えを教えてください。
ひっかけと正攻法! どちらが、契約を上げられると思われますか?
回答者 ゲン
『ひっかけと正攻法! どちらが、契約を上げられると思われますか?』ということやが、それは、その拡張員次第で大きく違うと思う。
「ひっかけ」を多用する者にとっては、その方がより多く契約が上がると考えるやろうし、そうでない者にとっては、そういうやり方は下策やと思うから、やろうともせんわな。
どちらがええか悪いかを論じるには、同じ人間が同じやり方でやってみて比べるしかないわけやが、事、「ひっかけ」に関しては、それを公平な目で見極められる人間はおらんのと違うかな。
つまり、その評価はどこまで行っても平行線を辿るということや。
ただ、あんたのように両方していて、尚かつ、こういう質問されるのは「ひっかけ」の方が正攻法と呼ばれているやり方より、契約が多く上がると考えとるからやないのかと思う。
つまり、あんたとしてはその答は明確に出とるわけや。
ワシはその「ひっかけ」というのをしたことがないから、その効果のほどは正直、良う分からん。
ここで、ちょっと「ひっかけ」について話しとく。
一般にこの業界の「ひっかけ」とは、意図した騙しに俗する事を指す業界用語のことや。
それにはいろいろある。
最も悪質な手口とされとるのが、例えばA新聞の読者に、A新聞の販売店の人間やと騙(かた)って安心させ、止め押し(継続契約) を装って、実際にはY新聞の契約書を差し出し、契約させるという類のものや。
その場で、それと気づかん客を、文字どおり「ひっかけ」て騙すわけやな。
また、コンビでするというケースもある。
この場合には、Y新聞の読者に、Y新聞の販売店を装って、ワザと気分を害する言動をしてその心証を悪くさせ、その直後に、気のええA新聞の勧誘員を装って訪れた者が、そのY新聞を騙った勧誘員を撃退して、それに喜んだ客から契約を取るというものや。
大阪の新喜劇あたりのネタにありそうなチャチな騙しやが、そういうので成功することもあると聞く。
このコンビ技には、他にもいろいろバリューエーションがあるようやが、ここでの言及は長くなりすぎるので控える。
要するに、あるストーリーに基づいて客を何とか騙すことによって契約を上げようというやり方やと理解してくれたらええ。
そこまで、大がかりなものやなく、単に客を玄関口に出すための口実、テクニックというのもある。
地域や団によれば、それのことを単に「ひっかけ」と呼ぶだけという所もあるようや。
「宅急便です」「近所の引っ越しの挨拶に来ました」「古紙回収の者です」、あるいは「町内会の者です」と騙って客を引っ張り出し勧誘するというものや。
ただ、いずれにしても、この「ひっかけ」というのは騙しには違いないさかい、トラブルになることも多い。
当然、このQ&Aにもその手の相談も多く、それに対しての対処法もいろいろアドバイスもしとる。
単に法に触れるからとか、トラブルを招くからという以外にも、騙しを伴う営業が悪いというのは、誰にでも分かることやと思う。
メルマガの『第3回 ゲンさんの新聞業界裏話 ■『特定商取引に関する法律』の改正案成立について』でも言及しとるとおり、呼び出すためだけに使う「ひっかけ」も確実に違法行為と認定されることになった。
その改正された法律は、まもなく施行される予定やが、その第3条ノ2第1項に「勧誘の意志の確認」とあるのがそれや。
それには『訪問販売をしようとするときは、その相手側に対し、勧誘を受ける意志があることを確認するよう努めなければならない』と、はっきり義務づけられとる。
それがある以上、他紙の勧誘員を装うとか「宅急便です」「古紙回収の者です」などという騙しから入る勧誘は通用せんようになると思うてなあかん。
それがあるだけで、立派な解約事由ということになるから、それで上げた契約は、例えクーリング・オフの期間をすぎたとしても、その最初の時点に戻って無効になる確率が高くなるわけや。
しかも、「新聞インフォメーションセンター(旧、新聞近代化センター)」では、今までのように言うた言わんということになると、どっちつかずの対応が多かったが、現在は訴えた契約者側の言い分を採用するという姿勢に徹しとるとのことや。
つまり、すでにその「ひっかけ」の勧誘自体が先のないやり方になっとると考えるしかないということや。
せやから、どちらがええか悪いかということを論じる前に、この仕事を続けるのなら、なるべくそれを止める方向に持っていくしか、生き残る道はないと思うがな。
先のないやり方をいくら極めても、どうにもならんやろ。
ワシなりの考え方が知りたいというのなら、常に言うてることやが「営業とは、契約者との間で良好な人間関係を作ることや」としか言いようがない。
自分という人間を気に入って貰え、納得して契約して貰う。
その方法を極めることができれば、どんな法律ができようと、どんな難しい状況が生まれようと乗り越えていくことのできる最善の方法やと、ワシは常に思うとるのやけどな。
書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでもQ&A選集』好評販売中