新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.638 オートロックについて
投稿者 匿名希望さん 投稿日時 2008.10.29 PM 0:13
ゲンさん、ハカセさん、こんにちは。
大変ご無沙汰しており恐縮ですが、相変わらずメルマガおよびサイトをいつも楽しく拝見しております。
さて、数ヶ月前に私どもは引越しをしたのですが、少し困ったことがありまして、ご相談させていただきます。
現在のマンションはオートロック付なのですが、オートロックを自分では開けていないのに、玄関先まで販売員(新聞かどうかはわかりませんが)が来るので困っていると近所のご年配の方から相談を受けました。
私は、販売員の顔を見ても見なくても、要らないものは要らないと言える性質なので、深く考えたことはなかったのですが、確かに自分では開けておらず、オートロックの段階で断っているのに、玄関先まで販売員が来たら、怖いと感じる方もいるだろうなと思いました。
そういう時には私が断ってあげるからすぐに呼んで、ということでそのときは話が終わったのですが、どうにもその後気になっています。
以前にQ&Aの中で、オートロックの開け方についてゲンさんが仰っていたことを思い出したのですが、現在のマンションのオートロックは暗証番号では開かず、外からは家の鍵でないと開かないタイプです。
ですので、考えられる方法としては、誰かが協力して中から開けているか、他のお宅が開けてくれたのに便乗して別のお宅を訪問しているか、だと思います。
協力者については、管理組合の決議で取り決めができるとして、便乗訪問に関しては違法ではないにしても、決して褒められたことではないと思います。
そこでお伺いしたいのですが、便乗訪問に関し、訪問販売業界の内部規定などは存在しているのでしょうか?
また、そういった規定が存在する場合でも、上記のような訪問手口(?)は日常的に行われているのでしょうか?
私に相談してくれた方のように、訪問販売自体が怖いのでオートロック付に住んでいると言う住人が少なからずいて、今回の件は管理組合に提言しようと思っております。
もし何かご存知でしたら、教えて下さい。
宜しくお願い申し上げます。
回答者 ゲン
『便乗訪問に関し、訪問販売業界の内部規定などは存在しているのでしょうか?』というのは考えにくいし、ないと思う。
どの業界でもそうやと思うが、内部規定というのは、法律に沿ったものがほとんどやさかいな。
もっとも、訪問販売業界と一口に言うても広いし、すべてを知っているわけでもないから断定はできんが、少なくとも新聞業界には、そういう便乗訪問云々の規制というのはない。
但し、地域により問題のあるマンションなどは「拡禁」扱いにして勧誘するのを禁じている販売店はあるがな。
『上記のような訪問手口(?)は日常的に行われているのでしょうか?』というのは十分考えられることや。そこへの出入りが難しければ難しいほど、せっかく入れたのやから、ついでに営業したいというのは、すべての営業員の習性のようなものやと思う。
『便乗訪問に関しては違法ではないにしても、決して褒められたことではないと思います』というのは、その状況にもよるが、ワシら営業員にとってそうするのは普通のことなんやがな。
ワシらの営業は、飛び込みが基本やから必ずしも喜ばれるということはなく大半からは毛嫌いされ、拒否されることが多い。
しかし、それにもめげず100件に1件を求めていく仕事でもある。それを理解してほしいとは言わんが、そのチャンスがあればそうするのは、ワシらの世界では当たり前のことなわけや。
また、その意欲もないようでは、この仕事をするのは無理やと思う。
その販売員とやらも、そのチャンスに賭けただけのことで、人に迷惑をかけようとか困らせようとしたということではないはずや。
もっとも、それで何かの迷惑行為をしとるというのであれば話は別やがな。
『誰かが協力して中から開けている』というのは、その人にとっては必要な訪問者ということやろうと思う。
訪問勧誘行為というのは、確かに嫌われる、迷惑やと思われることも多いが、反対に是非来てほしいという人がおられるのもまた事実なんや。
ワシにも、そういったオートロック・マンションの顧客がいてて、日時を指定されることもあれば定期的に訪問するように依頼されることも多い。
そこで、本人の契約だけやなく隣人や居住者を紹介して貰えるというケースもある。そのついでにその周囲を叩く。それが便乗訪問と言われればそうなる。
それが禁止やと言われると正直、ワシらとしては辛いものがあるがな。
『協力者については、管理組合の決議で取り決めができる』ということで、そのマンション内での勧誘は一切禁止と公示されていれば、そのための立ち入り自体が違法になる可能性は高い。
実際、そういうマンションで無断で勧誘していた者が、刑法第130条に住居侵入罪、不退去罪に問われたというケースもあるさかいな。
その取り決めがないのなら、それを作るというのも手やとは思う。
もっとも、それには単に多数決というのやなく、すべての住民の合意、納得を得るようにせな、別の揉め事の火種を生むことにもなりかねんから注意せなあかんで。
ましてや、その話し合いの席上で『誰かが協力して中から開けている』というようなことはなるべく言わん方が無難や。
あくまでも『見知らぬ勧誘員などの出入りは防犯上問題があり不安に思う人がいるから』とした方がええと思う。
そして、そういう勧誘員をどうしても呼ぶ場合は、その住人が玄関口まで来て話す、または交渉することを義務づけ、極力、それ以上には立ち入らせないというルール作りをすることや。
それ以外では、現状の『便乗訪問』を含め、不法な方法で立ち入っていない限り、その勧誘行為を規制することはできんと考えてた方がええ。
事、新聞業界だけのことなら、そういう取り決めやルールができた段階で、すべての販売店にその旨を伝え、拡禁扱いとしてマンション全体の勧誘を控えて貰えるように頼めば、絶対とは言えんが応じる可能性は高いと思う。
また、応じなくとも拡張員自身が、そんなややこしい所への出入りは嫌がるはずや。現在、もし、新聞の勧誘員が出入りしとるのやとしたら、そういう規制が何もないからやと思う。
ただ、それ以外の訪問業者についてはその会社を特定しにくいやろうから、そういう行為を見かける度に『このマンションでは訪問勧誘行為は禁止されていますので、直ちに退去してください』と言い続けるしかないやろうな。
いずれにしても、まずは全員一致でのルール作りが先決やと思う。
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