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NO.643 新聞配達員がひき逃げされました


投稿者 ハルオさん 某新聞配達員  投稿日時 2008.11.16 PM 5:30


ゲンさん、ハカセさん、いつも楽しみに見ています。

ついさっき、夕刊を配り終えてヤフーのニュースを見ていたら、「ひき逃げ 新聞配達員が死亡…6キロ引きずられ? 大阪」という記事を知っておどろきました。

僕も過去に配達中に事故にあって入院した経験があるので事故は他人事ではありません。

でも、ひき逃げというのはあんまりです。それも、まだ16歳だなんてあまりにかわいそ過ぎます。

ゲンさん、ハカセさん、この事をどう思われますか?


回答者 ゲン


本当に痛ましい事件やし、腹立たしい限りやと思う。

まず、その事件の概要をここに転載しとく。


Yahoo!Japan ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp:80/hl?a=20081116-00000008-maip-soci より引用


ひき逃げ 新聞配達員が死亡…6キロ引きずられ? 大阪

 16日午前3時10分ごろ、大阪府富田林市錦織東3の路上で原付きバイクが倒れているのを通行人が見つけ110番した。府警富田林署が運転手の行方を捜していたところ同8時半ごろ、南に約6キロ離れた同府河内長野市小塩町の駐車場に男性が倒れているとの通報があり、署員が毎日新聞富田林東販売所アルバイト、東川達也さん(16)と確認した。東川さんは既に死亡していた。同署は遺体発見現場近くに住む大工、市川保容疑者(41)を道交法違反(ひき逃げ)と自動車運転過失致死容疑で緊急逮捕した。市川容疑者が東川さんを引きずった可能性が高いとみて、殺人容疑も視野に追及する。

 調べに対し、市川容疑者は「軽自動車を運転中、原付きバイクに追突した。飲酒運転だったので必死で逃げ帰った。(どう逃げたのかは)よく覚えていない」と供述しているという。駐車場には、市川容疑者所有の軽自動車が止まっており、車体前部が損傷していた。

 事故現場から南に約20メートルと約60メートルの路上に長靴が落ちており、数キロ先には破れた紺色の雨がっぱのズボンが落ちていた。いずれも東川さんが着用していたとみられる。現場から約100メートルにわたって、何かを引きずったような跡もあった。東川さんは側頭部や肩に路面と擦ったような傷があり、着ていた雨がっぱの上着やズボンは背中や尻の部分が破れていた。

 調べでは、市川容疑者は富田林市錦織東3の路上を軽自動車で北から南へ走行中、東川さんの原付きバイクに後方から接触、救護せずに逃走した疑い。現場は片側1車線で、東川さんは新聞配達中だった。一方、市川容疑者は6月にも酒気帯び運転で検挙されていた。

 大阪府では10月21日、JR大阪駅前の交差点で男性会社員(30)がワゴン車にはねられ、約3キロ引きずられて死亡する事件が起きたばかり。


翌日の報道で、この容疑者は調べに対し、「何かをはねたのは気付いたが、飲酒していたので必死で逃げた」と供述しているという。

つい最近、10月21日、大阪の梅田で30歳の会社員が3qに渡って引きずられ死亡するという衝撃的な事件が起こったばかりや。

今回は、それを上回る6qやという。あまりに悲惨すぎて言葉もない。

『ゲンさん、ハカセさん、この事をどう思われますか?』ということやが、この加害者は性根が腐っとるとしか言いようがない。自己中心的な考えしかできん最低の人間や。

事故は、車を運転しとる以上、起こり得ることや。魔が差して酒を飲んで運転することもあるやろうなというのも分かる。

しかし、どんな事情があれ逃げるというのは人として絶対許されん行為や。逃げずにその場ですぐ対処すれば、その被害者は助かったかも知れへんのやさかいな。

殺人罪も視野に入れて捜査するということのようやが、当然やろうと思う。こういうのを単なる事故として処理したら絶対にあかん。

今更やが、ひき逃げほど割に合わんものはないと思う。特に大阪では、その検挙率は100%というから絶対に逃げきれるもんやないさかいな。

結局、逮捕され罪が大きくなるだけのことや。

加えて、新聞配達員をそういう事故で死亡させたとなると、その加害氏名は半永久的に残る。多くの人にもその事実が伝わる。すでに伝わっとるはずや。

例え、その加害者が罪を償って刑期を終えて出てきたとしても、その汚名は一生消えることはないと断言する。

誰が忘れても、その遺族は絶対に忘れんやろうし、その記録も半永久的に残る。また、残す。

ちなみに、ハカセは「例え、私が死ぬようなことがあっても、妻や子供らには絶対にこのサイトを閉じるなと遺言してますから」と言うてたさかいな。

もっとも、よほど改心して、一生その罪を背負っていくという姿勢を口先だけでなく本当に実践でもすれば、また違う評価が生まれるかも知れんがな。

まあ、そういう気持ちのある人間なら、ひき逃げみたいな真似はせんやろうから、言うだけ無駄やろうとは思う。特に、一度飲酒で捕まって免許証を取り上げられた上での事件やから救いようがない。

旧メルマガに『第54回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■それぞれの事情Part1 飲酒運転の果てに』 というのがある。

この話の主人公、岩谷(仮名)という男は、飲酒運転の挙げ句、自転車を撥ねその相手を死亡させた。

ただ、その岩谷は逃げずに出来うる限りの対処と誠意を見せたことで、結局、懲役1年の実刑判決で済んだという。

岩谷は、その事故で家と家族すべてを失った。それでも岩谷は、被害者家族へ未だに償いを続けとるとのことや。

あまりの誠意に、その被害者の奥さんですら「もう、これで十分です。これ以上、無理をしないで下さい」と言われるほどやったという。

もちろん、岩谷としてはそう言われたからというて「はい、そうですか」と言うわけにはいかず、これからもその償いの日々は一生かけても続けると話してたがな。

それが、普通の心ある人間やと思う。そして、そうすることが結局、加害者自身もいろんな意味で救われることになる。

人は誰しも間違いを起こす。肝心なのは、それを起こした後の対処や。それでその人間の値打ちが決まる。

普段どんなに立派なことを言い、ええ人やと言われようが、まじめやと認められていようが、その瞬間にどう行動するかで、その人間のすべてが分かるわけや。

人は、本当にせっぱ詰まったときに、その本性を現すものやさかいな。

これも旧メルマガに掲載しとる『第118回 新聞拡張員ゲンさんの裏話 ■四国、新聞配達員、殺害事件について』と同じように、ここに、これからの経緯を掲載し続けていきたいと思う。

ちなみに、その事件は、18歳の少年に64歳の新聞配達員の人が金を奪われ殴り殺されたという悲惨なものやったが、2008年、8月11日の高裁の判決では一審の無期刑が言い渡されたとのことや。

その報道記事も、そこに追記として記載しとる。

最高裁での判決もほぼそれになり、それで刑は確定するものと思われる。もっとも、それが、重いかどうかはそれぞれで判断して貰うしかないがな。

ワシらのサイトは、他人を誹謗中傷はせん代わりに、確定した犯罪、事実に対しては厳しく言及するし、その結果はとことん追いかけるつもりやさかいな。

特に、その被害者が新聞業界関係者となれば尚更そういう気になる。それにより、少しでも、世間で、この業界関係者に対する犯罪が割に合わんもんやと知ってくれたらという思いがある。

ただ、そうは言うても、取りあえずは自分の身は自分で守るしかないわけやから、あんたもその配達時には十分注意してほしいと思う。

特に、この事故が起きた、午前3時10分頃というのは、新聞配達の人にとっては本当に危険な時間帯やさかいな。

最後に、今回、亡くなられた被害者のご冥福を心よりお祈りしたいと思う。合掌……。


この事件についての感想が寄せられたので、それを紹介する。


追記 ひき逃げされた新聞配達員の事故に思うこと

投稿者 Jさん 元新聞配達員  投稿日時 2008.11.16 PM 8:57


ご存じかと思いますが、大阪で、新聞配達員が悲惨な事故に遭いました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081116-00000008-maip-soci

都市部では、交通量が多い割に路肩の狭い幹線道路があちこちにあります。

朝刊の場合、新聞配達員が遭う交通事故、とりわけクルマに追突される接触事故は、時間帯が深夜だけに悲惨なケースが目立ちます。

配達区域の関係上、どうしても、産業道路のような危険な道路を走らざるを得ないケースにおいては、いかに自分自身が細心の注意を払おうとも、飲酒運転など、無謀なドライバーに対しては、為す術がないというのが実状です。

先日、メルマガの題材にしていただいた私の交通違反切符の体験『第14回 ゲンさんの新聞業界裏話  ■第14回 ゲンさんの新聞業界裏話 』にもありましたように、バイクの配達員というのは、人身事故のリスクがとても高い職業なわけです。

彼らが、鳶職と同じように、その危険性をわかっていて、あえて引き受けたというのならわかります。

しかし鳶職は、そのリスクに見合った高い報酬を得られるチャンスがあるようですが、新聞配達は、全国的に見ても、おそらくリスクに見合った報酬を得ているとは言い難い職種ではないかと思うのです。

つまり、それに就かなければ他に都合の良い職がないなどの、せっぱつまった事情があるような人達がやっているような仕事であると言えます。

もちろん最も悪いのは、事故を引き起こした当事者にあるわけですが、話を確率論に置き換えると、「もともと起こる可能性があった事故」なわけです。

そうすると、私が11年間クルマに当てられることなく退職まで過ごせたのは、単に運が良かっただけなのかもしれないと、つくづく思っています。

そういう意味では、インターネットなどによる情報技術の発達は、物流を伴わないという点で交通事故の低減にも一役買っていると言えるわけで、とても複雑な気持ちになります。

最後に、亡くなれた方のご冥福をお祈りします。


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