新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.650 セールスの人が言った事は全て本当なのでしょうか
投稿者 akeboshiさん 学生 東京都八王子市在住 投稿日時 2008.12. 2 PM 10:42
こんばんは、はじめまして。八王子に住む一人暮らしの学生です。今A新聞を3カ月だけ取っています。
先程セールスの人が来て、サービス品が今年で廃止になるので最後に購読している人が何が欲しいのか調査していると言ったのですが、話しているうちに自分なら前にもらったサービス品の2倍持ってくるからといい、来年の4月からラスト3カ月取ってくれないかと言われました。
その後に、変な勧誘が多いでしょう、今度から制度が変わってこれからずっとお宅は自分が担当するので他の勧誘は一切来ないですと言われました。
お恥ずかしい話なのですがサービス品が多く、勧誘も無くなるのでいいかなと思い「はい」と言ってしまいました。
するとY新聞でもいいかなと言われました。同じだろうと思い、いいと言ってしまったのですが、料金を聞くと倍近くだったので断ろうと思ったのですが、もう契約すると言ってしまいました。
セールスの人はやくざのような感じでしたが快活で面白い人で、友達が事故にあって病院に行くお金がないので代わりにやっているから助けてくれとも言われ、契約書を書いてしまいました。
しかし、書いた後で帰り際に後から販売店から電話がかかってくるけどその人の名前は言わずに、「セールスの人が来て契約して、サービス品は発泡酒1ケースもらった」とだけ言ってくれと言われました。
契約書の裏にその人の名前と携帯番号を書いたのに販売店に名前は言わないようにと念を押すので、おかしいなと思ったのですが友人の代わりで何かまずいのかなと思ってそのまま帰らせてしまいました。
後から考えて値段が高いのと、やはり名前を隠すのはおかしいと思い後悔し、クーリングオフをしようと思い、インターネットで色々調べてみてこのサイトにたどり着きました。
クーリングオフなのですが、販売店に名前を言わないでほしいと言うような人なのでクーリングオフで問題が簡単に済むか少し心配です。
お聞きしたいのですが、先ほど書いたセールスの人が言ったような事は全て本当なのでしょうか。
それと、正当な契約で販売店に名前を言わないで欲しいというような事はあるのでしょうか。
最後に、クーリングオフの通知を送った後にそのセールスの人に一応電話してクーリングオフしましたと伝えようか迷っているのですが電話した方がいいでしょうか。
長文になってしまいすいません。よろしくお願いします。
回答者 ゲン
あんたの話を聞く限り、そのセールスはええ加減なこと言うてんなという印象しかない。
まず、『サービス品が今年で廃止になるので』ということやが、そんなのは初耳やな。
もっとも、そのセールスが関わっとる販売店がそういう方針を打ち出したと言うのなら、それも考えられんことはないが、業界全体としてそういう話はない。
『話しているうちに自分なら前にもらったサービス品の2倍持ってくるからといい』というのは、その契約書にそのサービス品にそう明記しとるのなら別やが、ただ口先だけで言うてることなら、ウソの確率が限りなく高いと思う。
そのセールスが『サービス品の2倍持ってくるからといい』というのは、後でということなのやと思うが、サービス品はその場で貰うか契約書に「後届け」の記載がない限り、口約束だけやと、うやむやにされたり無視されたりするケースが多い。
特に、その契約書にサインしてしもうた後ではな。
そういうのを業界で「後爆」と言う。言うた約束やサービス品を持って来ずに騙されたというやつや。そんなトラブルはこのQ&Aには数多くあるさかいな。
『サービス品は発泡酒1ケースもらった、とだけ言ってくれと言われました』というのが正規のその販売店でのサービスやろうと思う。また、それしか販売店は認めてないはずや。
おそらく契約書にもその記載があるのやないかな。
『今度から制度が変わってこれからずっとお宅は自分が担当するので他の勧誘は一切来ないですと言われました』というのも、そんなアホな話はないで。
そのセールスは拡張員やと思うが、拡張員の場合は基本的に現読拡張禁止というものがあるから、逆に一度契約したあんたの所へは、あんたが他の新聞を購読せん限りはそのセールスは勧誘のために訪れることすらできんはずや。
そんな状態で担当もへったくれもないわな。
もっとも、そのセールスがその販売店の従業員なら、その担当というのはあるかも知れんが、それにしても『他の勧誘は一切来ない』というのはあり得ん話や。
当たり前やが、その地域には他の全国紙、地方紙の販売店が3,4店舗あるのが普通やさかい、そこからも当然、勧誘員が来るはずや。
タカが1社の拡張団、販売店が、他紙の拡張団、販売店の勧誘員に対して特定の客だけに「勧誘に行くな」と言えるわけがない。
また、そんなことを言うても他紙の勧誘員が聞くわけもないし、ヘタしたら揉めて喧嘩沙汰になるのが関の山や。そんなことくらい、この業界の人間なら誰でも知っとることやで。
まあ、その新聞に限ってというのなら、ないこともないが、それにしても契約の期限が切れる前には、そのセールスか、もしくはその販売店の人間が勧誘に来ることには変わらんわけやから『勧誘は一切来ない』ということにはならんわな。
あんたのように『勧誘も無くなるのでいいかなと思い』という人が後を絶たんようが、そういうことだけは絶対にないと、ここではっきり断言しとく。
救いのないような言い方やが、何度も勧誘員が来る地域は、これからも何度も来るのは間違いのないことやとあきらめた方がええ。
『料金を聞くと倍近くだったので』というのはどういうことやろうか。
A紙もY紙も朝夕のセット価格やと月3925円と決められとるはずや。それ以上の金額を取ることは許されておらんから、A紙が月2000円程度やったということなのかな。
『友達が事故にあって病院に行くお金がないので代わりにやっているから助けてくれとも言われ』というのはアホらしいて話にもならんわな。
『友達が事故にあって病院に行くお金がない』のと『代わりにやっているから助けてくれ』ということと何の関係があんねんと思う。
拡張の仕事は、その販売店に「入店手続き」をした人間しか勧誘できんことになっとる。
せやから、その本人以外の代理の勧誘など業界では一切認められとらんし、できん。また、そんなアホなことをする拡張員はどこにもおらんと断言してもええ。
考えたらすぐ分かることやが、本当にそんな殊勝な考えの持ち主なら、仕事が終わってから人知れずその友達とやらのために身銭を切ってそうしたらええだけの話やと思う。
まともな男気のある人間ならそうする。少なくともそれを見ず知らずのあんたに言うべきことやない。
まあ、そう言うことで、あんたの同情を引こうとしたのやろうがな。しかし、良うも、そんなくだらん話をでっち上げて通用すると考えたもんやと思う。その神経がワシには怖いわ。
『契約書の裏にその人の名前と携帯番号を書いたのに販売店に名前は言わないようにと念を押すので、おかしいなと思ったのですが』という、あんたの考えが正解や。
その男が何でそんなことを言うたのかと言えば、単にその販売店にあんたとのやり取りをしたことが、バレるのをおそれただけの話やと思う。
普通、新聞購読者の契約書には、勧誘担当者の名前を書く欄があるはずや。多くの販売店では、そこに所属拡張団と担当拡張員の名前を書くように指示しとる。
したがって『正当な契約で販売店に名前を言わないで欲しいというような事はあるのでしょうか』というようなことはないと断言する。
事ほどさように、そのセールスの言うてることは、ほとんどがええ加減な話やと断定してもええ。
『クーリングオフをしようと思い』という、あんたの判断は正しい。
『クーリングオフで問題が簡単に済むか少し心配です』というのは何も心配する必要はない。それで簡単に終わる。そのための法律やさかいな。
あんたは、後からそのセールスが文句を言うて来ないのかと心配されておられるのやろうと思うが、その心配もあまり必要ない。
クーリング・オフをした後でそれに対して文句を言うたり翻意させたりするような行為は法律で禁止されとる。
特定商取引に関する法律の第6条第3項に、
販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
というのがある。
分かりやすく言うと、契約した客がクーリングオフを申し出ているのに、それを防ぐため脅したり威圧して困らせるような行為の禁止ということや。
それは、クーリング・オフの文書を送付した後も摘要される。実際、その法律違反で逮捕されたという事例まであるさかいな。
この業界の人間なら、この程度のことは誰でも知っとるさかい、クーリング・オフされたからと言うて滅多なことで、そんな真似をする人間はおらん。
ましてや、そのセールスは、あんたに口止めまでしとるわけやから、そんなことをして揉めたら、自分で自分の首を絞めることになるだけやさかいな。
単にクーリング・オフが届くだけやと、あんたとの間に交わされた言動が販売店に知れることはないから、そのセールスの成績が取り消されるだけで済む。
万が一、それでもそんな真似をするようなら、迷わず警察なり、新聞社なり、あるいはその販売店なりに通報すればええ。それで終わるはずや。
まあ、そんなことになる確率は限りなく低いとは思うがな。
『最後に、クーリングオフの通知を送った後にそのセールスの人に一応電話してクーリングオフしましたと伝えようか迷っているのですが電話した方がいいでしょうか』というのは、そんな必要はない。
もともと、クーリング・オフには、その理由すら伝える必要はないさかいな。そうしても、あんたにとっては何のプラスにもならんと思う。
最後に、あんたは『クーリングオフをしようと思い、インターネットで色々調べてみてこのサイトにたどり着きました』と言われておられるくらいやから、その手続き方法は調べられたとは思うが、念のため『ゲンさんのお役立ち情報 その8 クーリング・オフについての情報』を見ておくことを勧める。
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