新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A
NO.651 県外へ転勤時の解約について
投稿者 いちごさん 主婦 投稿日時 2008.12. 4 PM 7:14
ゲンさん、こんにちは。はじめまして。
新聞の事について教えて下さい。よろしくお願いします。
転勤で□□県に今年1月引越ししてすぐA新聞の勧誘員の方と、主任と言われている方2名で新聞の勧誘に来られました。
ビール1ケースと、洗濯洗剤1ケースを渡され、おまけに6ヶ月は無料にするからお願いしますと言われたので、「うちは、転勤でまた引っ越す事があると思うのでずっとこの県にはいませんよ。いても2年。転勤でお金もないのでお断りします。」とは言ったのですが、「家計のやりくりをしているのは奥さんでしょ〜お願いしますよ〜」と何度も言われ、全く知らない県で初めて男の人との話で不安もあり、主人も仕事で不在だったので断れず、契約しました。
約11ヶ月購読し(実際は1月中旬から購読)・・そして今月、急な転勤の辞令が出て△△県に引っ越す事になりました。
新聞の解約をしなくてはと思い、購読契約書を見てみると、購読開始20年2月〜22年7月(30ヶ月以上)は複写で、(その上に私の控えにボールペンで2、3、4、5、6、7月サービスと書いてあり)、※転居の場合は、転居先にて引き続き購読します、と記載されています。
よく考えてみると、30ヶ月は2年半で2年以上は□□県にいるとは言っていないのに30ヶ月以上契約されていたのに今頃気がつきました。
6ヶ月無料分が後から付けられていたのですね。ショックです。
質問をまとめますと、
・転居先というのは、県外も含まれるのですか?(全国紙なので転居先で・・とは言われないか。)
・購読期間がまだあるのですが、県外へ引越しの際は解約できるのですか?
・頂いたビールと、洗剤はもう使ってないので同じ物を、又はお金をお返ししなければなりませんか?
・6ヶ月無料購読した新聞代もしくは、残りの19ヶ月分を支払う事になるでしょうか?
お忙しいかと思いますが宜しくお願いします。
回答者 ゲン
『転居先というのは、県外も含まれるのですか?』というのは、『転居の場合は、転居先にて引き続き購読します』と記載されとるのを守らなあかんもんやと思うておられるのかも知れんが、その記載には何の法的拘束力も根拠もないから気にすることはないと言うとく。
新聞購読契約というのは、契約者とその新聞販売店との間のみに有効な契約なわけや。
あんたが『全国紙なので転居先で・・とは言われないか』と心配されておられるのは、その契約に関して新聞社が関わっとると思うておられるのやと考えるが、新聞社は表向き、個人間の契約事には一切関係がないという立場を取っている。
つまり、あんたはその販売店とのみ有効な契約をしたわけで、新聞社とは契約してないということになる。もっとも、そう勘違いされとる方は、あんたに限らず他にも大勢おられるがな。
せやから、その販売店の営業範囲外に急に転居することが決まったのなら、その契約は解除になると考えてええ。単にそう通告するだけで、その販売店の了解を貰う必要もない。
あんたの場合、県外ということやから、まず間違いなくそうなるはずや。
新聞販売店は、新聞宅配制度によって個別の営業エリアが決められていて、その範囲内でしか勧誘も配達もできん仕組みになっている。
つまり、その販売店が、あんたの転勤先に配達できん状態の場合は「契約不履行」になるということや。配達できんものを続けられるわけがないわな。
したがって『購読期間がまだあるのですが、県外へ引越しの際は解約できるのですか?』というのも、そうしたければそうなるということや。
『頂いたビールと、洗剤はもう使ってないので同じ物を、又はお金をお返ししなければなりませんか?』というのは、そうせなあかんと考える。
契約を解除すること自体は何の問題もないが、契約を解除するのなら、その契約をすることを条件に貰った物は返還する義務を負うことになる。
民法545条に「原状回復義務」という規定があるのがそれや。
契約を解除するということは、その契約は白紙になるということやから、双方契約する以前の状態に戻そうという考え方や。
それにより、受けたサービスは返す必要があると考えられるわけや。使ってなくなっていれば同じビールと洗剤を買って返すか、その代金での弁済ということになる。
その際、『6ヶ月無料購読した新聞代』も、そのサービスのうちに入るから、その新聞代も返還ということになり支払う必要が生じる。
まあ、これに関しては、タダでそれを受け取ったまま契約解除するというのも理屈に合わん話やというくらいは分かって頂けると思う。
ただ、それらについては、あんたの方で契約の解除を通告して、その販売店がその返還を請求した際に応じればええことやけどな。当たり前やが、返せと言われんものを返す必要はないわな。
新聞販売店にもいろいろあって、契約解除になってもサービス品の返還を請求せん所はいくらでもある。もちろん、請求する所もな。
せやから、それに関しては相手の出方次第でええのやないかと思う。
但し、『残りの19ヶ月分を支払う事になるでしょうか?』ということには絶対にならんから、例えそれを請求されたとしても応じる必要はなく無視したらええ。
また、サービス品の返還分以外の解約違約金なども一切発生することはない。
『よく考えてみると、30ヶ月は2年半で2年以上は□□県にいるとは言っていないのに30ヶ月以上契約されていたのに今頃気がつきました』というのは迂闊やったな。
それは今気づくことやなく、その契約書を貰うた直後から8日間以内に気づくべきことや。そうすれば、クーリング・オフの道もあったわけやしな。
『全く知らない県で初めて男の人との話で不安もあり、主人も仕事で不在だったので断れず、契約しました』というのも、そのときに本当にその契約が嫌やったのならクーリング・オフしとくべきやった。
その連中が帰った後ならいくらでもできたと思う。
それをしてないということは、どんな理由があれ、その契約をあんたの方で納得して認めてしもうたということになる。
きついようやが、それに関しては後でどうこうとは言えんわけや。
契約期間云々についてもそうで、あんたの方で『いても2年』というのが分かっていたのなら、6ヶ月毎か1年毎の契約にしとく方が良かったと思う。
どんなにしつこく言われようが、「6ヶ月か1年契約しかできない」と突っぱねれば、どんな販売店でも必ず折れるはずや。極端な話、3ヶ月契約しかてきんと言うてても、その販売店と契約は成立してたと思うで。
まあ、次からはそれを念頭に入れておかれたらええ。新聞購読契約に限らず、契約事というのは相手のペースやなく自分のペースで進めな損をするさかいな。
最後に、『転居先にて引き続き購読』について言うとく。これは決まり事やないが、あんたが納得できるのなら、そうするのも方法や。
先に、新聞社は個人の購読契約には一切タッチせんと言うたが、この『転居先にて引き続き購読』についてだけは別や。
現在の販売店からその連絡を受ければ、新聞社は、あんたの転居先に該当する販売店にその旨を伝え、現在の契約を続行するように取りはからうシステムになっとる。
現在の販売店もそうすることで、「転居通信費」というのを新聞社から貰える。成績も単なる解約のマイナスポイントにはならず喜ぶ。
そのため、契約書にもその『転居の場合は、転居先にて引き続き購読します』という文面を入れとるわけや。
新聞社は、ただそれを推奨しとるだけの話やが、販売店にとってみればそれが決まり事のように考えとる所もある。
ただ、そうすることにより、今回、あんたはそのサービス品の返還も6ヶ月分の無料新聞代も支払う必要もなくなるがな。しかも、新聞もたいていは引っ越し当日に届き便利ではある。
さらに言えば、引っ越し先いかんでは、現在の販売店でのサービスの方がええということもある。
もっとも、いずれを選択されるかは、あんた次第やがな。良う考えて決められたらええとは思う。
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