新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.656 セールスチームの収益について


投稿者 Hさん 拡張員  投稿日時 2008.12.10 PM 8:08


私はY紙のセールススタッフ8年目の男です。

我々、スタッフが揚げたカードに対する報酬は販売店からの基本カード料、まとめ料、プレミア、交通費等と比例するくらい新聞社からも補助金、カード料、まとめ料がセールスチームに支払われてると確信しています。

月に50万稼いでるスタッフはチームに50万は貢献してると思います。

スタッフの報酬は販売店からの入金でまかない、新聞社からの入金で諸経費をまかない残金がチーム代表の取り分。

1ヶ月のチームスタッフ全員に払った合計報酬額と同等の額がチーム代表の手元に残り、そこから募集経費、ガソリン代、車両維持費、事務所家賃を差し引いた額がチーム代表の月収ですよね?

知って得する話ではないですが、やっぱ気になるんですよ。教えてください!


回答者 ゲン


この業界が典型的なピンハネ業界なのは間違いないが、その程度やシステムについては拡張団それぞれで大きく違うてくる。

ワシは良く千差万別という言い方をするが、日本全国に約1000社あると言われる拡張団すべてが違うのやないかと思えるほど、様々なケースがある。

これは、業界関係者、主にその団長さんや拡張員の方々からサイトに寄せて頂く多くの情報で分かったことや。

今のところ、二つと同じシステム、ピンハネ率の拡張団は存在せんという結果になっとる。

ワシ自身は、過去に3社の拡張団でしか仕事をした経験はないが、それでも、そのいずれともピンハネ率、システムとも大きく違うてたさかいな。

何より、日本全国の拡張団それぞれで、その基本カード料、まとめ料、プレミアのすべての報酬額が大きく違うというのが、当たり前とさえされとるような業界や。

それには、完全フルコミ制、基本給+歩合制という根本的なシステムの違いはあるのやが、それにしても地域や新聞社、各拡張団毎によって大きく違うということが普通にある。

例えば、ワシが直近まで所属していた、あんたと同じY紙の完全フルコミ制の場合、3ヶ月契約1本の報酬額は4000円やったが、それが四国のある地域の同じY紙の完全フルコミ制では3000円しかないという所もあれば、関東のある特定のY紙の販売店では実に15000円も拡張員に支払っているという事実まである。

もちろん、それにはいろんな事情、条件があってのことやというのは言うとく。

ただ、その報酬単価の高い安いが必ずしもそのまま、拡張員の収入に直結するということでもないようやけどな。

『我々、スタッフが揚げたカードに対する報酬は販売店からの基本カード料、まとめ料、プレミア、交通費等と比例するくらい新聞社からも補助金、カード料、まとめ料がセールスチームに支払われてると確信しています』というのは、何かそういった証拠なり事実があって言われておられることなのかな。

新聞社からの何らかの補助金というは、たいていの拡張団には出とるとは思うが、一律に決められた額というものでもない。

新聞社と拡張団の関係でも大きく違うし、その担当員次第でも違うということがあると聞く。

新聞社の資本が多く入っている子会社的な拡張団には、その補助金の率も多いやろうが、そうやない独立した拡張団へは、それほどでもないという。

また、その拡張団の規模や成績、実績いかんによっても違うてくる。

通常、新聞社と拡張団の間には、1ヶ月のノルマが設定される。それがクリアされれば、その報酬としての補助金額も多いが、ノルマに届かん場合は当然のように少なくなる。

場合によれば、罰金まで設定されるケースもあるとのことや。しかも、ノルマの達成率が悪いと廃団まで追い込まれることもあるという話や。

『まとめ料』というのは、あんたも良う知っとるはずやが、新聞販売店と拡張団との間で独自に設定されるもので、その販売店とのノルマがクリアされたときに、そこで上げた契約に対してのみ加算されて支払われるものや。その加算額も、当然のようにその取り決めによって違う。

それに対して、新聞社が関与したという話は聞かんがな。もし、あるとすれば、それは特異なケースということになる。

プレミヤに関しても、普通は拡張団が所属の団員を奮起させるために設定するもんや。これに対しても新聞社の介在は考えにくい。

もっとも、これは新聞社との裏取引で、担当員の望む成績を上げた場合、その分の支払いが余分にないとは言えんがな。

交通費に至っては、新聞社が一律にそれを支払うとるという話は聞いたこともない。

そこまで新聞社は拡張団に優しくはないやろというのがワシの印象やけどな。

ただ、担当員とその拡張団のつながり次第で何とも言えん部分があるというのは考えられそうや。

『月に50万稼いでるスタッフはチームに50万は貢献してると思います』というのは、あんたの論法でいくとその分が新聞社から支払われとるということのようやが、なんぼなんでもそこまでのことはないやろうと思うがな。

しかし、その拡張団がその担当員にキックバックすることを目的に、新聞社から補助金名目で金を引っ張ることがあるとは聞いたことはある。

噂話の域を出ることはない(ということにしといて)が、それが新聞社の上層部にバレて左遷された担当員がいてたということや。要するに、ワイロの類やな。

そういう関係のあるなしは別にしても、担当員と拡張団のトップとの親密さの度合いでいろんな面において有利不利というのがあるのは確かやと思う。

さらに言えば、拡張団のトップの考え方次第というのが、この業界では最も影響することやから、ピンハネ率の高い所やと、あんたの言うたようなケースも考えられんこともない。

しかし、団員に発憤させるために、その報酬額を多く与えて、より多くの契約数を上げさせることで利益に結びつけようという考えのトップも相当数いとるから、そういう団やと、必然的にピンハネ率は低くなる。

『1ヶ月のチームスタッフ全員に払った合計報酬額と同等の額がチーム代表の手元に残り』というのは、ないこともないかも知れんが、あるとすれば業界でもえぐい方の部類に属する拡張団やないかと思う。

あんたは、ニュアンス的には、所属の拡張団が暴利を貪っとるという印象が強いのやと思うが、拡張団にもそれなりのリスクがあるということは知っておいた方がええ。

また、簡単に拡張団を結成して、そのトップにもなれんということもな。

それの詳しいことは『NO.182 拡張団を作りたいのですが、手続きなどどのようにすれば良いのでしょうか?』 にあるから、見て貰うたら分かるはずや。

ここには、現役の拡張団のトップや関係者の方々の意見が数多くあるので、あんたにとっても参考になることが多いのやないかと思う。

結論として、ワシとしてはいろいろあるとしか言えんが、拡張団にもそれなりの苦労もあるということは分かってやってほしいとは思う。

もっとも、どの世界にも金の亡者のようなトップが存在するのも事実やから、そういう人間のもとで仕事せなあかん者にとっては不幸ではあるがな。


書籍販売コーナー 『新聞拡張員ゲンさんの新聞勧誘問題なんでも選集』好評販売中


ご感想・ご意見・質問・相談・知りたい事等はこちら から


Q&A 目次へ                                 ホーム