新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.664 この様な場合はどうしたらいいのでしょうか?


投稿者 nitoro さん  投稿日時 2008.12.16 PM 5:55


はじめまして。

現在、販売所と揉めています。

今年8月、買い物から帰宅すると A新聞の方が居て「あぁ、会えて良かった。お世話になった方に挨拶でまわっているんですよ」と言われました。

子供達も居るし、荷物もあるので家に入るのですが、景品のタオルや洗剤を持ってA新聞の方が来ました。

「使わないので、要りません」と何度言っても「お礼なので」と玄関に置き、一度出ていき、次は勝手にドアを開け「今日がお礼廻りの最後なので」と更に景品を置かれました。

そして「契約なんですが…」と言われたので、「ウチは新聞本当に読まないんです。主人にも怒られますし、前にもお断りしたんです」と言いましたが 子供達を見て、自分の家族の話や苦労話を始め帰ってくれません。引っ越しを考えてると言っても駄目。

「今すぐじゃなくて良いから、広告の多い12月からにしておいて、必要無かったらまた止めて、何ヵ月か後に読み出す形で構いません」と言われました。

「ずっと先になっても構わないんですか?」と聞くと良いと言うので、すでに1時間近く経っているし、夕飯も作らなければいけないし、とにかく帰って欲しいし、途中で止めても良いのならと契約書を仕方なく書きました。

今月に入って新聞が配達されていますが、旦那が激怒。販売所に「やり方が汚い!」と電話すると「勧誘員がやった事で販売所には関係無い!契約はしてるんだから新聞はとってもらわないと困る」と言われました。

契約書には料金も支払い方法も担当者の名前もありません。

翌日、責任者という方が来て「もし解約と言うなら、お礼と言われそう思ってるかもしれませんが販売目的で渡したので、返してください!無いものは 似たような物を用意してくれれば良いです。後は 今月の新聞代で解約します」と言われました。

「考えます」と伝え帰っていただき、本社に連絡しました。本社は、その販売はおかしいし、契約書も無効ですね。と申し訳無かったと言うものの、こちらでは何も出来ないので、もう一度販売所と話してくれとの事でした。

また責任者の方が来て「無いものは返さなくていいから、引っ越しの日まで新聞を取ってくれれば良いと所長が言っている」と言われました。

納得がいかないのでまた帰ってもらったのですが、この様な場合はどうしたらいいのでしょうか? 困っています。


回答者 ゲン


こういったケースでの一般的な解約相談の場合、契約解除を希望するのなら貰った景品は返しとく方がええとアドバイスするのやが、あんたのケースは話を聞く限り、購読の条件として貰った景品とは違うようやな。

また、そう受け取られても仕方のない言動をその勧誘員はしとることになる。

『お世話になった方に挨拶でまわっているんですよ』と言われ『「今日がお礼廻りの最後なので」と更に景品を置かれました』というのは、どう見ても契約の条件としての景品とは考えられんわな。

以前、その販売店で購読していたことがあるのなら、誰でもそのためのサービス品やと考えるはずや。

当たり前やが、契約の付帯条件としての景品なら、始めにその説明をし交渉の結果、納得してから契約すると同時か、その後に渡すのが普通やからな。

『そして「契約なんですが…」と言われた』というのは、それとは別の話やということになる。

その勧誘員としては、その契約のための付帯条件として「置き勧」行為をしたつもりやったのやろうがな。

「置き勧」というのは先に景品を置いて受け取らせ断れんような状態にしてから勧誘するという手口なんやが、そのつもりにしても、今回のケースは、あまりにも手際が悪すぎる。

ただ、『今すぐじゃなくて良いから、広告の多い12月からにしておいて、必要無かったらまた止めて、何ヵ月か後に読み出す形で構いません』というのは、販売店次第では応じるケースもあるから、あながちええ加減な話と断じることもできん。

『今月に入って新聞が配達されています』というのは、その契約書のとおりにしたまでのことやと思う。

『旦那が激怒。販売所に「やり方が汚い!」と電話する』というのは腑に落ちんな。

ご主人は、その契約のことを知らんかったのか、あるいは騙されたと思われたのやろうか。

契約というのは、あんたがそれにサインした段階で成立する。

そして、その契約書に書かれた内容が優先され法律的にも保護される。その契約書に12月からの配達となっていて、実際にそうしたのなら、何ら問題はないと考えるがな。

その契約自体に異論があるのなら、その場は確かに時間がなかったなどの事情もあったやろうが、後で、その契約書を良く見て確かめるくらいはできたはずやし、そうするべきやったと思う。

新聞の購読契約に限らず、契約を交わした限りは、せめてその契約書に書かれとることくらいは確認しとかなあかん。そうすることで、今回のようなケースは簡単に回避できたはずやからな。

その際、その契約はやはり止めておこうという気になったのなら、クーリング・オフという消費者にとって絶対的な契約解除権もあったわけや。

そのための文面も、契約書を良く見れば裏面に赤字で「クーリング・オフのお知らせ」と題して表記されとるはずや。

そのクーリング・オフをしてないということは、法的には、その契約書の内容を認めて、その契約を承諾したということになる。

今回は、新聞購読契約程度のことで、しかもこの問題の争点は、貰った物が景品として評価されるどうかという程度のものやから、あんたにとって最悪な結果になったとしても、被害としてはタカが知れているやろうが、これが悪徳業者との間に交わされた契約やったとしたら、とんでもない被害も予想されるから、受け取った契約書の確認は必ずしといた方がええと言うとく。

それが、結果として自身の身を守ることにつながる。

もっとも、その販売店の『勧誘員がやった事で販売所には関係無い!』と言うたというのは戴けんがな。

現在、すべての勧誘員には、そこの販売店の社員証を持つように業界では決められている。

つまり、その販売店の契約書を持って勧誘しとるということは、その販売店の社員と同じと見なされるから、それを関係ないでは通用せん。使用者責任というのが生じるさかいな。

昔は、そう言うて逃げる販売店も多かったし、実際、勧誘員の責任にすることが可能なケースもあったと聞くが、今は、それが通用せんということや。

裏を返せば、その販売店がそう言うということは、その勧誘員の非を認めていることになり、ひいては販売店の責任をも認めたと解してもええ。そう突っ込めば、おそらく言葉に窮するはずや。

『契約書には料金も支払い方法も担当者の名前もありません』というのは、その契約書の不備を言うておられるのやと思うが、事、新聞購読契約書に関する限りは、それを不備として追及するのは難しいと思う。

まず、そのA紙などの全国紙の新聞代金は、ここ14年間、まったく変動がないということもあり、周知の事実として認定される可能性が高いということが挙げられる。

その契約書に金額の記載がない場合は、その地域により、朝夕セット版、もしくは朝刊のみの全国版の公認の価格ということになるわけや。

支払い方法も、1ヶ月毎の後払いの手集金というのが原則として決まっている。これも周知の事実として認定される可能性は高い。

担当者の名前は、便宜的にその記入欄はあるが、それがなかったからと言うて、契約書の不備には当たらんと思う。

なぜなら、新聞購読契約書というのは、その販売店とあんたとの間でのみ成立する契約なわけやさかいな。その関係が契約書から分かればええ。

それらのことは、常識的には記入されてしかるべきやが、なくても契約書が無効と判断されるほどの不備にはならんと考えといた方がええ。

なぜなら、何度も言うが、その契約書を受け取った際か、もしくはその直後にでも、それを確認することはいくらでもできたわけやさかいな。

確認して、それが不備やと思えば、その販売店に電話するなりして確かめればええ話で、普通はそうする人が大半や。

そのとき、それは知りませんでした、気がつきませんでしたというのは、きついようやが、それは、そちらの落ち度とされる。

もっと言えば、このケースを解約させるために何か落ち度がないかと探した結果、それを見つけたと受け取られる可能性もある。

もちろん、それが契約を否定されるほどの落ち度なら、そうするのも値打ちはあるが、このケースは、そこまでのことにはならんやろということや。

ワシの知る限り、契約書が無効と判断されるのは、その勧誘員が明らかな違法行為をしたか、その契約書の筆跡が、あんたのものやない場合くらいのものや。

この契約に関しては、その販売店と交渉、話し合いをするしかないと思う。

新聞社が『こちらでは何も出来ないので、もう一度販売所と話してくれとの事でした』というのは、契約に関しては一切タッチせんというのが公の姿勢やから、そう言う場合もある。

ただ、その新聞社は、『契約書も無効ですね』と言うたのにも関わらず販売店に、その確認、もしくは連絡を入れてない、また入れようともせんというのは解せん話やけどな。

たいてい、連絡くらいはするもんやし、本当にその契約が無効やと思うとるのなら、そう言うて、その販売店を指導するなり叱責なりするはずや。

それをしてないというのなら、その新聞社の担当者は、あんたに対してええ加減なことを言うて対応をしたと考えるしかない。もしくは、あんたの方で、その担当者の言うてることを誤解して聞いたかやな。

ワシの言うことに納得できんかったら、もう一度、その新聞社に電話をして、「本当にその契約書は無効なんですね」と尋ね、「そうや」という答が返ってきたら、その無効やという理由を聞けばええ。

それで明確な答が得られればええが、どう考えても今回のケースは、あんたの話を聞く限り、契約書が無効やと断言できるほどの理由は見つけられんがな。

まあ、それでも、その新聞社の担当者の名前を確かめて、その販売店に「A新聞社の○○さんが、その契約は無効だと言っていますので、もう新聞は入れないでください」と言うことはできる。

当たり前やが、新聞社が無効やと言う契約に従う必要はないさかいな。

ただ、重ねて言うが、ワシが、あんたの話を聞く限りは、その契約書が無効やと言い切れる要素はないのやないかということや。

その一番大きな理由は、あんたがその契約書にサインをして認めたこと、クーリング・オフの期間があったのにも関わらず、その手続きをせんかったことにある。

つまり、法律上はその契約はすでに成立しとるとワシは見る。

もっとも、その新聞社が、その契約が無効やと断言するのなら、あんたの話以外にワシの知らん何か別の事情なり、理由があるのかも知れんがな。

それがなく、あんたの言うた話だけで「契約が無効や」と断言したというのなら、その判断は疑わしいと言うしかないと思う。

それでも、新聞社の言うことの方が、ワシなんかの言うことよりも効果は高いと思うから、それをその販売店に言うてぶつければええ。

それで終われば、それに越したことはないやろうしな。

ただ、それでも納得できず頑張る販売店もあるかも知れん。

『責任者という方が来て「もし解約と言うなら、お礼と言われそう思ってるかもしれませんが販売目的で渡したので、返してください!無いものは似たような物を用意してくれれば良いです。後は 今月の新聞代で解約します」と言われました』というのは、一般的には、筋の通った話やとは思う。

冒頭でも言うたが、あんたの方がそれを単なるサービスで、付帯条件としての景品とは違うと主張するのなら、それも可能やが、冷静に考えて、その返還で事が済むのならその方がええという気がするがな。

その勧誘員がどう言うたにせよ、実際にその景品を提供した販売店の人間が、それは契約の付帯条件としてのサービスやと言うのやから、それが真実やろうと思う。

その勧誘員は、あんたに断られたくない一心でそう言うたのは、ほぼ間違いないやろうしな。

あんたの方としても、それは付帯条件としての景品やないと主張するのはええが、相手が違うと言う物を受け取り続けたまま、契約を解除するというのも、すっきりせんのやないかと考えるがな。

また、『また責任者の方が来て「無いものは返さなくていいから、引っ越しの日まで新聞を取ってくれれば良いと所長が言っている」と言われました』というのも、それほどおかしな話やないと思う。

ワシの印象では、その販売店は物分かりのええ部類の店やという気がする。

アドバイスする立場とすれば、あんたの意には沿わんかも知れんが、契約書にサインした限りは、それなりの責任があると認識して、契約を解除するのなら、貰った物を返してすっきりした方がええと思う。

そうしたとしても、あんたの方で損をすることも少ないのやないかな。まあ、勝手に渡された物を何で返さなあかんねんという抵抗感は残るかも知れんがな。

結論として、新聞社の「契約は無効や」と言うたことを根拠に今までの主張を続けて頑張るか、あきらめて、その景品の返還、もしくはその代金の返還で済ませるか、あるいは、引っ越しの予定があるのなら、それまで購読を続けとくかという選択肢になると思う。

そのいずれを選択するかは、あんた次第や。良う考えて決められたらええと思う。


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