新聞勧誘・拡張問題なんでもQ&A

NO.686 解約したあともずっと配達されています


投稿者 H.Kさん  投稿日時 2009.2. 6 AM 1:02


 はじめまして。ネットでいろいろ調べているうちにゲンさんのサイトにたどり着き、拝見したところとても的確な回答が多く是非相談させていただきたく、メールいたしました。

 相談の内容は、解約した新聞がその後も配達されており、このままではいけないと思い、何かしら行動をしようと思うのですが、どうするのがよいのか? との悩みです。

 経緯としては、私はN経新聞を数年購読し、口座引き落しによる支払いをしておりました。販売店はA新聞がメインのところです。配達のトラブルが数回続いたことがあり、一旦やめようか、と妻と相談し、販売店に電話で解約の意思を申し出ました。

 電話先の男性は「なんとか継続をお願いできませんか」とのことでしたが、配達のトラブルが続いたこと、新聞を読まなくなっていることを伝え、もう一度解約の意思を伝えたところ、相手も「わかりました、それでは配達の方は止めさせていただきます。」との回答でした。
 
 ところが翌月以降、口座からの引き落しは当然ながら止まったものの、配達の方が続いているのです。

 購読中のトラブルとして、休刊日でもないのに配達がなかったり、雨でずぶぬれで読めなかったりということがあり、数度苦情を申し立てたこともあり、解約時にもそれを伝えたため、お詫びの気持ちからサービスなのかと思ったり、間違いならそのうち止まるだろうと思っていましたが、かれこれ一年が経とうとしておりまして、さすがにどうにかしないといけないと思っています。
 
 ただ、口座引き落しが止まったことからも解約の申し出は受理されているし、契約もなく配達されている新聞の代金を支払いたくはありませんし、これ以上配達をしてほしくもありません。

 ゲンさんにアドバイスをいただきたいのは、
 
@このような現象はよくあることなんでしょうか?
 
A解約後の新聞代を支払わず、配達を止めるよい方法があるのでしょうか?
 
Bまたはゲンさんが自分ならこうするよ、という意見がありましたらその方法について

の3点です。是非ご教授お願いいたします。


回答者 ゲン


『@このような現象はよくあることなんでしょうか?』ということやが、解約済みの新聞が配達されるというのは、希にあるとは聞く。

普通、配達指示書というのが配達人に回って、解約による配達止めが知らされる仕組みになっているから、そういうことはほとんどない。

しかし、ごく希にその連絡ミスが起こることがあるようや。

その電話を受けた男性が、配達指示書を作成する人間に伝えてなかったか、あるいはその男性自身が配達指示書を作成する立場にありながら、そうしていなかったかのいずれかやと思う。

『翌月以降、口座からの引き落しは当然ながら止まった』ということやから、そちらの手続きはしていたようやな。それなら、契約が解除されとるのは間違いないと思われる。

しかし、配達人は、その配達指示書でその止めが指示されてなかったら当然のように配達を続行する。

従業員である、そこの区域担当者もその指示書で、配達のための道順を示した順路帳というのを、その都度、もしくは定期的に作り変える。

そのときに、当然やが、あんたの名前は名簿から消去される。それ以降は、その配達員の間違いというのも100%に近い確率でなくなるはずや。

せやから、最初の段階での連絡ミスがあったということやと思う。それが今も是正されていない。そう考えた方が自然や。

もっとも、その地域の配達人がええ加減な人間やった場合、その配達指示書をちゃん見てなかったということも僅かな可能性として考えられるがな。

いずれにしても、初期の単純ミスの可能性大やろうな。

その販売店にとっては、あんたとの契約は解消されて新聞の配達も行われていないという認識やと思うよ。おそらく、当の配達人以外、あんたの家に配達している事実自体知らんものと思う。

『A解約後の新聞代を支払わず、配達を止めるよい方法があるのでしょうか?』というのは、普通に、「お宅のミスやと思うけど、うちに間違ってずっと新聞が配達されているから、今後入れないでほしい」と言えばええ。

それで、たいていは問題なく配達は止まるはずや。

新聞代を請求するようなケースがゼロとは断言できんが、かなりの高確率で、今回の場合、それはないやろうと思う。

『間違いならそのうち止まるだろうと思っていました』というのは客の立場としては分かるが、販売店側にしてみると最初の段階でそれと気づいてない場合は、その指摘があるまで分からんケースの方が多いやろうと思う。

特に、あんたのような口座引き落しの場合にそれが起きやすい。

客の立場で考えれば、配達していて集金できてないのやから、そのくらい分かりそうなもんやとなるが、新聞販売店にとっては、あんたの家は数百、数千軒ある配達軒数のうちの一軒にすぎんわけや。

特に口座引き落しの場合は、手集金と違い、その客との接触もないから、事務処理しとる人間以外は集金されているかどうかの事実すら知らんはずや。

せやから、アピールせんかったら、いつまでも配達が続く可能性は高いと思う。

もっとも、事務経理処理のきっちりした販売店やと、すぐにおかしいと気づくやろうが、中には1、2軒程度の集金のあるなしには気づかん、あるいは頓着ない所があるというのもたまに聞く話や。

本当はそれではあかんのやが、数多い販売店の中には、そういう所もあるということや。

ただ、これは苦言になるかも知れんが、あんたの場合、『かれこれ一年が経とうとしておりまして』というのは、放置するにはあまりにも長すぎる期間やという気がするがな。

『数度苦情を申し立てたこともあり、解約時にもそれを伝えたため、お詫びの気持ちからサービスなのかと思ったり、間違いならそのうち止まるだろうと思っていました』としても、せいぜい1ヶ月が限度やなかったかなと思う。

それも、そうすると販売店が約束したケースか、またはあんたとの合意が成立した場合に限られる。

ほとんどの人は、このまま新聞の配達が続けられたら新聞代の支払いを請求されるのやないかという不安から、解約後の配達にはすぐにクレームをつけるもんや。

事実、あんたも『新聞の代金を支払いたくはありませんし』と言われとることからすると、心のどこかにその新聞代を請求されるという危惧を抱いていたのやないかとも思うしな。

ワシが『新聞代を請求するようなケースがゼロとは断言できんが』と言うたのには、このQ&Aに『NO.595 解約後に身に覚えのない新聞代を請求されました』というケースが実際にあったからや。

そのとき、ワシは『納得できんのやったら支払い拒否の姿勢を貫けばええ』とアドバイスした。

また、「どうしても、その支払いを請求すると言うのなら、民事訴訟でも起こしてくれ。裁判所の決定ならそれに従う」と、言えばええとも助言した。

それは、去年の7月頃の話で、結果として今までのところ、その販売店からの請求もないようやから、あきらめたのやないかと思われる。

あんたの場合も、相手が解約に応じたというのが、口座引き落としの解除をしとるということで証明されとるから、勝手に新聞を入れ続けたという言い分でもって支払い拒否を主張するのは可能やろうと思う。

ただ、万が一、その販売店が実際に、その新聞代の支払いを請求の民事訴訟を起こした場合、法律的な観点からすると、少しやっかいなことになる可能性も残されとるというのは分かっといてほしいと思う。

契約の解除については何の問題もない。問題は新聞という商品をそのまま受け取り続けたということにある。

法律には『社会通念上』という概念、考え方がある。

これが1ヶ月程度の期間なら、『お詫びの気持ちからサービスなのかと思ったり、間違いならそのうち止まるだろうと思っていました』という、あんたの主張も『社会通念上妥当』と裁定される可能性は高いやろうと思う。

しかし、それが1年にもおよび、しかもあんたの話を聞く限り、解約後に新聞を配達され続けたことに対して一度もクレームを相手に伝えてないようやと、よけいその弁明も苦しいのやないかと考える。

これを『社会通念上』という考え方に照らすと、あんたはクレームをつけてないことで、その新聞の配達を容認したと見なされる可能性があるということになるわけや。

新聞の契約が解除されていようがいまいが、送られた商品について納得して受け取り続ければ、その分の支払い義務が発生する可能性は高いと考えられる。

これが送り付け商法などのように、あんたにとってまったく心当たりもなく未知の商品というのなら、そう言い逃れることもできるし、法律でその商品の処分をすることが認められるケースもある。むろん、その代金など支払う必要はない。

しかし、あんたは過去にその新聞を購読されておられ、実際にもその新聞代を支払われていたという実績があるから、その商品である新聞自体、あんたにとっては何の問題もなかったと考えられる。

むしろ、必要なもの、価値のあるものであったとさえ言える。つまり、その新聞を受け取り続けたというのは利益供与があったと見なされることになるわけや。

言い方は悪いかも知れんが、あんたの方に、「相手が勝手に入れたのが悪いのやからタダで読んどけ」という気持ちが働いたという印象を持たれるということやな。

それのどこが悪いのかと思われるかも知れんが、民事裁判の場では、その考えは不利に働く場合があるというのは言うておく。

なぜなら、そこに悪意があったと思われるからや。例え、その気がなくともな。

もっとも、新聞に関して、こういったケースでの実際の判例が見当たらんから、どういう裁定が下されるかは、そうなってみな何とも言えんが、一般の民事裁判に当て嵌めるとその可能性があるということや。心しといた方がええ。

ただ、現実には、裁判沙汰にまで持ち込むような販売店は皆無やろうと思うがな。

万が一、その新聞代の請求をされても拒否を貫けば退けられるやろうし、あきらめるはずや。

あんたは納得できんやろうが、ほっとくという行為は、どんなに正当性があるように思えても、トラブルを背負い込むというリスクが生じるということや。

なんでもそうやが、災いのタネは早めに処置しといた方がええと思う。

今回は、おそらく何の問題もなく終わる確率の方が圧倒的に高いと思うから心配ないやろうが、次から同じようなことがあれば気をつけといた方が無難やと、老婆心ながら忠告しとく。

最後の『Bまたはゲンさんが自分ならこうするよ、という意見がありましたらその方法について』やが、それについては先にほとんど言うた感がある。

敢えて、付け加える事があるとしたら、口座引き落としが終わったと判断した場合、その処理を相手だけに任せるのやなく、自ら銀行に赴き、その引き落とし停止手続きをしとくというくらいかな。

今回は、その販売店がその停止の処置をしとるから問題はないが、電話での断りだけやと、その電話を受けた人間次第では、後で、その言をひっくり返されることが希にある。

そうなると、その引き落としが続行されるおそれがあるさかいな。

相当の理由がある場合、払ってない新聞代の支払いを拒否するのは簡単やが、支払い済みの新聞代を取り返すのは、相手がそれに応じん限り、かなり大変なことになるさかいな。

普通は、お互いの信用で言うた言わんということになるケースは少ないかも知れんが、すべての相手が信用できるとは限らんのが世の中やと思う。

言うた言わんの水掛け論になるケースはいくらでもあるさかいな。

特に契約事の場合、口約束だけやなく、その証拠となる書き付け、新聞購読契約の場合やったらその契約書のどこかに「解約済み」と書いて貰うとくことや。その担当者名と日時も忘れずにな。

もしくは、電話の場合なら、その言質が証明できるようにその会話の録音をしとくことやな。

世の中、言うた言わんで揉めることは結構多いさかいな。用心にすぎるかも知れんが、転ばぬ先の杖。何事もそう考えといて、ちょうどええのやないやろうか。


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